★ 火星の過去を ★
火星には生命が存在するのだろうか。惑星進化や生命進化の研究によると、過去の火星が今よりも更に生命の繁殖に適した環境だったらしい。ここ20年ほど宇宙先進国がこぞって火星を目指す「火星ラッシュ」、米国とインドの火星探知機が、それぞれ火星に到着した。日本の 「のぞみ」 は火星到着に失敗。いつ火星の過去を知ることができるのか。
わたしの火星 松井多絵子
信号の赤と火星と私が作る途方もない三角形を
火星は今ふきげんだろう人工のひかりの街を見おろしながら
「連休は月の砂漠へボクは行く」「わたしは火星のアレス渓谷」
この赤が火星の大地の色なのか色褪せた鳥居に手のひら触れる
何を聞いていたのか何を話したか空五倍子色(うつぶしいろ)の空に火の星
「火星には雨が降らないそうですね」「地球には不幸が降るそうですね」
夢の出口に来てふりむけば彼方には青ひと色の火星の夕やけ
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文芸情報10月1日
第24回bunkamuraドゥマゴ文学賞 (東急文化村主催)
✿ 山浦玄嗣の『ナツェラットの男』(ぶねうま舎) 副賞100万円。
(選考委員は1人で詩人の伊藤比呂美)
第38回すばる文学賞 (集英社主催)
✿ 上村亮平(36歳・会社員) 『その静かな、小さな声』
✿ 足立陽(36歳・無職) 『島と人類』 副賞は各100万円。
贈賞式は11月14日、東京・日比谷の帝国ホテル