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久野はすみ歌集の批評会

2014-10-06 09:20:59 | 歌う

           { 久野はすみ歌集の批評会 }

 ♠ さてシネマ・ルナティックとは洒落た名の、今宵おぼろに満月未満 という歌からはじまる歌集の批評会が10月4日13:~16:45まで中野サンプラザで開催。53名参加。
前半はシンポジウム。パネリストは 大島史洋(未来) 五島諭(pool・ガルマン歌会) 佐藤弓生 の3人、 70歳の大島と31歳の五島、50歳の佐藤の3人がそれぞれ独特の意見を述べるので私は煙にまかれていた。プリントには3人が歌集から15首~20首抄出。

★ 五島諭 ① 花わさびツンとくる夜をわすれないでわすれないさと言いて忘れる

       ② 文旦のふぞろいな実を眺めおり見るべきものを見過ごしてのち

       ③ スミレ目スミレ科スミレ目すみれ永遠にだましつづけておくれ

 『シネマ』の中の歌で①五島が好きな歌、②が五島の一番好きな歌だそうだ。文旦の「実のふぞろい」という短歌的な処理をしないで「ふぞろいな実」としたところがいい。と。③は謎を謎のまま手放しているのがいいと。(自分の作品に無責任なほうがいいのかしら)。

★ 佐藤弓生 ①たぶんこれがきわみなのだとおもうとき金平糖のようにかなしい

 「ルナティック」というわりにはあまり狂った歌がない。ムダがいい、と佐藤弓生。

 五島諭が抄出した②③を佐藤もとりあげている。文旦のふぞろいの歌は<希望とずれ>として。スミレ目スミレ科は<夢想>として。

★ 大島史洋 ① いなくてもいいわれなれば点滴を受けている間に舞台は終わる

          ② 窓際は特等席ゆえLPにかすかにまじる木枯らしの音

          ③ もう一段あるとおもって踏み込んだ階段がない そういう誤診

 この3首に直ぐ共感する。20余年も大島史洋に師事している私は氏に洗脳されているのかもしれない。が、氏の好きな次の歌は佐藤弓生も15首のなかに挙げている。

 ♠ ひだまりに祖母は揺り椅子ゆらしつつどこへも行かずどこへでも行く 

 私もこの歌は好きだ。しかし歌の批評はむずかしい。自分の体験や環境に左右されやすい。食べ物の好みのようでもある。。五島諭の好きな久野の歌のなかに私の好きな歌が何首かあった。若い人のわからない歌も多いが老人のわからない歌も多いのだ。わからないままでいいのかもしれない。この歌集のことは昨年11月に私のブログに書いたので読んでいだだけたら)^o^(。 ★ 2013年11月12日 『シネマルナティック』 という歌集 

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                    10月6日  松井多絵子