昨日届いた「未来」 を開くと今月の歌は花山周子歌集『林立』、岡崎裕美子が解説している。「塔」 所属の第三歌集は「杉、という題材で連作を作りたいと思っていた」 とあとがきにあるように、戦後の国策により日本全土を覆う杉がテ一マになっている。
三月になり春が始まる喜びを苦しみにするのは杉花粉症だ。スギ花粉が原因の季節性アレルギ一の鼻炎、鼻水、鼻づまり目のかゆみ、やや軽いが私も杉花粉症に悩まされている。花山周子の次の作品は歌というより散文めいている。
日本全土に生えている樹木の四分の一
は杉」の鬱積
古河電工日光電気精銅所付属病院耳鼻科に患者急増せり
春風に杉の樹冠は揉み合える戦にも似る交合のさま
岡崎裕美子は「作者の杉に対する思いはただならぬものがあり、林野庁の図書館へ通い、杉についての本を読み漁るなど、興味を超えた何かに突き動かされるかのように、杉、杉、杉、と繰りされる。そこに底知れぬろしさを感じると同時に、誰が好きとか、そんなことを歌うのは何の意味もないのではと、わ身を恥じるしかなくなるのだ」
と。
岡崎裕美子の解説はテンションが高い。花山周子の歌に共感しながら自然を恐れ、岡崎も自然に立ち向かっているのだ。杉の木立は素晴らしい。見上げる私たちは感動する。その私たちを杉花粉が苦しめるなんて、待ち焦がれた春が巡って来たのに、嗚呼!
三月になり春が始まる喜びを苦しみにするのは杉花粉症だ。スギ花粉が原因の季節性アレルギ一の鼻炎、鼻水、鼻づまり目のかゆみ、やや軽いが私も杉花粉症に悩まされている。花山周子の次の作品は歌というより散文めいている。
日本全土に生えている樹木の四分の一
は杉」の鬱積
古河電工日光電気精銅所付属病院耳鼻科に患者急増せり
春風に杉の樹冠は揉み合える戦にも似る交合のさま
岡崎裕美子は「作者の杉に対する思いはただならぬものがあり、林野庁の図書館へ通い、杉についての本を読み漁るなど、興味を超えた何かに突き動かされるかのように、杉、杉、杉、と繰りされる。そこに底知れぬろしさを感じると同時に、誰が好きとか、そんなことを歌うのは何の意味もないのではと、わ身を恥じるしかなくなるのだ」
と。
岡崎裕美子の解説はテンションが高い。花山周子の歌に共感しながら自然を恐れ、岡崎も自然に立ち向かっているのだ。杉の木立は素晴らしい。見上げる私たちは感動する。その私たちを杉花粉が苦しめるなんて、待ち焦がれた春が巡って来たのに、嗚呼!