えくぼ

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「うた新聞3月」 を読む

2019-03-10 14:16:23 | 歌う
2011年3月に起きた東日本大震災は3月のイメ一ジを変えてしまった。津波、原発事故という多大な災害、「うた新聞3月」は▼東日本大震災から8年いまの思いを詠う 特集、20人の歌人のうたとエッセイの大特集である。

「壁」 梶原さい子 宮城県大崎市
▼九人分の高さなりけりにんげんを単位となして見る防潮堤
▼石壁に巨人が埋まる物語たとへば雨を知ることもなく

「かたすみ」 佐藤通雅 宮城県仙台市
▼指力弱りてリンゴ割るときも手ふき
のうへにまろら実を置く
▼たれからも忘れられゆきある日ぽとんとさいごのしづくとなれたらいいな

「轟く」 斎藤梢 宮城県仙台市

▼1220人の不在なほも問ふ 津波に隠れたあの日の海に
▼揺すぶられ左右されつつ東日本大震災が八年轟く

「新成人」 佐藤淑子 宮城県仙台市
▼復興に貢献すると女川の新成人は言ひて爽やか
▼猫抱く媼が独り暮れてゆく仮説住宅の門べに佇む

20人の方々の作品のなかから津波の被害者の作品を取り上げました。あれから8年過ぎた今も仮説住宅で暮らしていらる方々のご健康をお祈りしております。