日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

『王万歳』と叫んだ

2012-09-13 | Weblog
  歴代誌下23章
 
  11節「そこで彼らは王子を連れて現れ、彼に冠をかぶらせ、掟の書を渡して、彼を王とした。ヨヤダとその息子たちは彼に油を注いで、『王万歳』と叫んだ」(新共同訳)

  1節「七年目に、ヨヤダは決意を固め、百人隊の長たちエロハムの子アザルヤ、ヨハナンの子イシュマエル、オベドの子アザルヤ、アダヤの子マアセヤ、ジクリの子エリシャファトを連れて来て、彼らと契約を結んだ」。アタリヤがバアル神殿で賑々しく祭りを行っていた間、祭司ヨヤダはエルサレム神殿の中に幼児ヨアシュを匿い続けた。そして七年目、ヨヤダは決意を固めた。クーデターの実行である。彼は五人の百人隊長たちと契約を結ぶ。そしてユダを行き巡り、すべての町からレビ人とイスラエルの氏族の長を集めた(2節)。この並行記事は列王記下11章4~12節にある。
  3節「全会衆が神殿の中で王と契約を結ぶと、ヨヤダは彼らに言った。『見よ、王の子を。主がダビデの子孫について言われた言葉に従って、彼が王となる…』」。ヨヤダは祭司とレビ人を三等分して、安息日に、主の神殿と王宮と礎の門を防備して、民には神殿の庭に留まり、神殿に入ってはならないと命じた。この戒めを守らない者は武器を持つレビ人によって殺さなければならない、レビ人は王と行動を共にせよと告げた(4~7節)。ヨアダは神殿に納めてあったダビデの槍と大盾、小盾を百人隊長に渡し、槍を持つすべての民とともに神殿周囲を固め、王子を警護して神殿に連れて現われた(9~10節)。
  11節「そこで彼らは…彼に冠をかぶらせ、掟の書を渡して、彼を王とした。ヨヤダとその息子たちは彼に油を注いで、『王万歳』と叫んだ」。列王記下11章では、全会衆が拍手して「万歳!」と叫んでいる。漢民族から来た言葉で日本だけでなく、韓国でも万歳と叫ぶ。ヘブライ語は「ハーヤー」で命を表す語である。TEVは“Long live the King!”で、王の生涯に対する祈りが込められた言葉である。アタルヤは民が王を讃えている声を聞いて神殿の傍に近寄って見た。すると神殿の入り口の柱の傍らにヨアシュ王が立ち、そばに将軍たちと吹奏隊が立ち並び、民は皆、喜び祝ってラッパを吹き鳴らし、詠唱者たちは楽器を奏で、賛美の先導を行っていた光景を見て、愕然とし「謀反だ。謀反だ」と叫んだ。アタルヤは神殿の外に引き出され、王宮の馬の門の入り口で、百人隊長によって殺された。
  16節「ヨヤダは、自分とすべての民と王との間に、主の民となる契約を結んだ」。続いて民はバアルの神殿に行き、祭壇を破壊し像を砕き、バアルの祭司マタンを殺した。ヨヤダは神殿の監督を祭司とレビ人にゆだねた。神殿の門に門衛を立て汚れのある者を入れないようにした。更に百人隊長、貴族、民の支配者と民を率いて神殿からヨアシュを連れ出して王宮に入り、王座につけた。民はみな喜び祝い、町は平穏となった(17~21節)。かくして幼少の王は、ダビデ家の継承を保持し、主の契約によって王位に就くことになった。

 16節にある契約は、ヨヤダが王を中心に民の一致を確約させるものであった。