植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

メダカすくいの季節になった

2021年02月24日 | 動物
 春めいてまいりました。気温が上がってきました。すると水温も上がってきます。半分冬眠していたメダカたちも、昼前には水面に顔を出し餌を食べ始めます。水の冷たさにメダカの世話を怠っていたワタシもようやくプールに手を突っ込めるようになりました。

 ワタシの裏の顔が「メダカ」の養殖です。屋上の空きスペースを利用してメダカを飼い始めて、5年になります。最初に「ミックスメダカ」「だるまメダカ」合わせて13匹からのスタートでした。本当は出来るだけ自然な池を造営し、水替えやエサやりも不要な「ビオトープ」を想定していましたが、屋上の環境では厳しく、自然を再現しようというのは土台無理がありました。かといって水を濾過しながら循環させて、常に透き通った水の中を優雅に泳がせる、というのも屋外では難しいのであります。熱帯魚じゃあるまいし。

 そこで、プラ船でテキトーに水替えしながらメダカのみの飼育に切り替えました。水草も玉石も掃除の邪魔、サカマキガイ などの邪魔くさいスネールも発生するので、とにかくメダカと、レンガで作った隠れ場所だけ。

 早ければ3月くらいから繁殖が始まります。最初は毎朝網で孵化したばかりの赤ちゃん(針子)を掬って別プールに移すのが楽しかったのですが、これは極めて非効率なので、産卵床を投げ込み、1週間くらいのサイクルで引き上げるという方法にいたしました。親と一緒だと、生後間もなく親メダカが食べてしまいます。
 
 それからは増える一方で、あっというまに数百匹になりました。
更に、ホームセンターで見かけた「ミユキメダカ」を衝動買いしたのが転機でした。この子たちもあっという間に増えてきました。数が増えすぎてエサ代もバカにならないので、なじみの花屋さんにパックで売ることにしたのが去年の春でした。7~800匹ほど販売しました。
 そして、珍しいメダカを飼いたい、という欲求が頭をもたげてまいりました。ミユキ系・だるま系はあります。調べてみると「オロチ」で代表される黒メダカと楊貴妃系の赤メダカが中心の様です。これから、「ぶち」、三色錦など新種がどんどん誕生しているようです。

 それでお得意のヤフオクであります。成魚はお高いので、卵を何度も落札して昨年ずいぶんブランドメダカのニューフェイスが増えました。すでに一部には二世も生まれております。孵化はわりに簡単ですが、稚魚から大きくするのはちょっと大変、やはり弱い生き物なのでささいなことでも死んでしまうことがあります。歩留まりは50%くらいでした。

 そうして、この時期になると水替えを頻繁にやらなければなりません。冬場はエサを食べず、フンも少ないのです。水温が低ければ腐敗などによる水質の悪化も抑えられるので、ほとんど水替えしません。これからはそうはいかないので、十数個のプールをローテーションで入れ替えします。

 二つくらいのプラ船に常に新しい水を入れ1,2日寝かしてカルキ抜きをいたします。そして隣のメダカプールを全部空けてメダカを引っ越しさせます。そしたらあいたプラ船を洗って水を入れる、を繰り返します。これで10日くらいのペースで完全に新鮮な水が供給できます。

 大変な作業はメダカの仕分けでありますな。まず、「平民」メダカは、基本的にはカナちゃんの花屋に持ち込むので3個くらいのプールにまとめます。この中ではだるま系と、特に目立つ変わり種だけは別にします。(新種繁殖用、上級にシフトです)。昨年から入ってきた「上級メダカ」ブランドメダカは、それぞれの品種にまとめて別々のプールに入れます。ヒレ長オロチなど人気の純粋種を増殖させます。だるま系は、エサ取りや繁殖でも競争力が弱く転覆病にもかかることがあるので、これも過保護にひとまとめで育てます。水替えの作業をしながら並行して選別するのです。

 さらに、いくつかの品種を掛け合わせるためにブランドメダカミックスのプールも一つ用意します。これは、もしかしたらこの世にないすごいメダカが作出できるかもという期待と、同じ血統の純粋種が遺伝学的には弱い個体になるという劣性遺伝を回避するためです。

 ともかく、繁殖期が始まる前に殖やしたいブランドメダカ・希少種を選別するために、3千匹近くいるメダカたちがすばしこく泳ぎ回るのを傷つけないように「メダカすくい」をするという根気のいる、しかし楽しい仕事が待っているのであります。

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