植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

高校野球が佳境に入った ドラフトを占う試合

2022年08月19日 | スポーツ
ワタシはこの60年間、ずっと野球ファン、筋金入りの巨人ファンであります。
近年では、社会人野球から高校野球まで、有力な逸材を探し、毎年わが巨人の将来を担うだけのアマチュア選手をチェックしておるのです。ドラフト会議が近づくにつれ、今年こそ実力と将来性のある選手を獲得して欲しいと願い、ピックアップしたこれぞ、といった選手を紹介しています。残念ながらワタシの声などは球団に届く由もなく、おそらくこの10数年で、ワタシにしたら一度も満足のいくドラフトはありませんでした。

その原因は、①即戦力優先という呪縛 ②情報力の不足 ③くじ運の悪さなどが挙げられます。根源はなんといってもフロントや編成の方針の誤りにあるとみています。目先の成績だけで目立つ目玉選手を競合の末、くじで逃すという愚を10年以上繰り返し、ワタシから見ればずっとドラ一獲得の権利を放棄してきたに等しいのです。現行制度になってからの14年で獲得したドラ一高校生はわずかに4人でした。大田泰示は日ハムにトレードで出てレギュラーになりましたし、岡本は今は絶不調ですが巨人の4番バッター、堀田賢慎は手術で出遅れましたが今年は先発ローテーションに入りました。唯一松本竜也は素行不良・違法賭博で追放になりましたが。

もし巨人がドラフト戦略を①大学・社会人のピークを迎えた選手にいかず、伸びしろのある高校生を主体に獲得する、②競合を避け、評価で言えばその年の4,5番目の選手を一本釣りする ③体の大きさで判断しない、などを意識していれば今年のような巨人のふがいない戦い方は無かったはずなのです。

そこで高校野球であります。春夏の球児たちをワタシが調査してもなんの足しにもなりません。しかし、やはりポテンシャルの高い選手を見つけるのは野球ファンとしてはなんとも楽しい事であり、ワタシはスカウトになったつもりで観戦するのです。

今年は、まだ夏の高校野球をあまり観ておりません。公私にわたって多忙でゆっくり野球観戦が出来ないことに加えて、前評判が高い目玉の有望選手が例年に比べて少ないのです。ここ数年、残念ながらコロナで、試合数が減りセンバツや夏の大会でも中止がありました。各球団とも情報不足から高校生を回避したのが2021年でしたが、それでも、近年は超高校級の投手が多く、その年以外は、ドラフトでも1位指名の半数が高校生だったのです。

それでも昨日は、外せない2試合がありました。第一試合は近江-高松商、この夏最も注目される野手浅野翔吾と近江の屈指の好投手山田陽翔(はると )が出場する好カードです。また、第二試合は絶対的な強さを誇る「大阪桐蔭」が、下馬評では評価が低かった下関国際とどういう試合をするか、で注目したのです。

試合の展開はどうでもよく、ドラフトに掛かるであろう逸材をじっくり見たいと思いました。そして高松商の浅野選手は、その実績や評判以上の凄みのある選手でありました。小柄(172㎝)にもかかわらず分厚い胸板がっしりとした体躯、大人びた面構えは迫力十分で、無類の長打力に抜群のミート力・野球センスを兼ね備えたスーパー高校生でした。

彼は、おそらくプロ1年目から十分に成績を残すだけの力があると思います。投手でない事、上背が無い、もう出来上がっていて伸びしろが少なそう、といった理由から3.4球団くらいの競合となるとみます。

一方注目の山田投手は、伸びのある威力抜群の直球が魅力ですが、この試合に限ってはボールが全般に高く浮き、力を発揮しきれませんでした。また、足に故障が出て途中交代したのも気になります。春の準優勝投手でもあり最速球速も高校生のベスト10に入る選手ですが、やはり174㎝の身長から、ドラフトでは中位になりそうです。

次の試合は、大阪桐蔭がまさかの逆転負けとなりました。ミスが多く、勝つに決まっているという意識が、監督や選手の中に見え隠れしていました。大阪桐蔭は、全国から逸材を集め甲子園の常連でもあります。素質があって鍛え抜かれているのだから強いに決まっています。ただ、長い間伝統的に何か1流の選手に必要なものが欠けているという印象がぬぐえません。

この強豪校出身のトップクラスのプロ選手では、現在では森友哉や中田翔、中村剛也あたりが思い浮かびますが、投手は意外に少ないのです。3年前圧倒的な強さを見せた年に4人の選手がプロに入りました。根尾・藤原・柿木・横川です。今年はチーム成績はそれに匹敵しますが、投手野手共に一回り小粒に見えます。突出して目立つのは捕手の松尾汐恩君くらいでしょうか。

ともあれ、この大会が終わったらU18の大会があり、高校3年生のトップクラスが、国際大会に出ます。これがもっとも確実で分かりやすい高校生のドラフト候補の選考会みたいなものです。私設巨人スカウトとしては、絶対に見逃せない時期となるのです。

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