チャンネル桜!〈『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する〉を観て (美津島明)
以下に掲げる動画の出演者は、いずれも「南京攻略戦という戦いはあったが、いわゆる『南京大虐殺』なるものはなかった」という見解を共有する論者です。「虐殺派」VS「まぼろし派」という「南京事件」をめぐる基本的対立軸の、「まぼろし派」に組する人たち、それもその最右翼に位置する人たちと言っていいでしょう。
ついでながら、私は、彼らほどの確信はまだ持ち得ていませんが、「おそらくその通りなのだろう」と思っている者です。そうして、なによりも、中共が仕掛けてきた歴史戦には断じて負けてはならないと思っている者です。しかし、勝つためだったら、(中共のように)歴史のねつ造も辞さない、とまでは思っていません。敵と同じ土俵に上がらない、というのを闘いのべからず集のトップに持ってくるべきである、と考えるからです。
過去のことではなくて、今まさに、チベット族やウィグル族を大量虐殺している連中にしのこの言われる筋合いはない、という強い感情を持っていることも正直に白状しておきましょう。そのことに関連して、国連やユネスコの偽善には怒りを覚えていることも合わせて白状しておきましょう。国連やユネスコのいかがわしさについては、いつかきっちり批判したいという思いがあります。
私からは、当討論の内容について、二点触れておきたいと思います。
ひとつ目は、ユネスコの世界記憶遺産に登録されたと目される11点の資料がどこまで「大虐殺」を証拠立てているかの検証についてです。
平成二七年十月十一日の毎日新聞は、新華社通信の報道に基づいて、世界記憶遺産に登録された「南京大虐殺に関する資料」は、以下の11点ではなかろうかという内容の報道をしています。ユネスコは、資料の内容がいかなるものかについてはまだ正式に発表していないそうです。
<1>国際安全区の金陵女子文理学院の宿舎管理員、程瑞芳の日記
<2>米国人のジョン・マギー牧師の16ミリ撮影機とそのオリジナルフィルム
<3>南京市民の羅瑾が死の危険を冒して保存した、旧日本軍撮影の民間人虐殺や女性へのいたずら、強姦(ごうかん)の写真16枚
<4>中国人、呉旋が南京臨時(政府)参議院宛てに送った旧日本軍の暴行写真
<5>南京軍事法廷が日本軍の戦犯・谷寿夫に下した判決文の正本
<6>南京軍事法廷での米国人、ベイツの証言
<7>南京大虐殺の生存者、陸李秀英の証言
<8>南京市臨時(政府)参議院の南京大虐殺案件における敵の犯罪行為調査委員会の調査表
<9>南京軍事法廷が調査した犯罪の証拠
<10>南京大虐殺の案件に対する市民の上申書
<11>外国人日記「南京占領-目撃者の記述」
藤岡信勝氏によれば、このなかで、その内容が具体的に特定できるのは<1>から<8>までだそうです。さらにそのなかで、歴史学でいうところの一次資料、すなわち、「南京事件」に関する資料のうち独自性が認められるおおもとの資料や原典・元の文献そのものと呼べるのは、<1>の程瑞芳の日記と<2>のマギー・フィルムと追加の資料として中共から提出されたマカラムの手紙の3点だけだそうです。
阿羅健一氏は、その3点について、次のように述べています。
「程瑞芳の日記」は、この日記は一九三七年十二月八日から翌一九三八年三月一日まで書かれています。そのなかで、彼女が目撃した、日本兵による事件は、九件の強姦と九件の略奪です。ほかは、伝聞・憶測の類いだそうです。
「マッカラムの手紙」の日付は、一九三八年一月七日です。この手紙を分析すると、筆者が目撃した、日本兵による事件は、強姦一件、殺人一件だそうです。
いずれの資料も、「大虐殺」が実施されたとされる、一九三七(昭和十二)年十二月十三日の南京陥落翌日から翌年の一九三八(昭和十三)年一月までの間の南京市内の出来事に触れたものです。
阿羅氏によれば、これらの資料で示された強姦・略奪・殺人の件数は、30万人という「大虐殺」とはかけ離れていて、むしろ、「大虐殺」などなかったことを物語っています。
次に、「マギー・フィルム」について。日本軍による南京占領の期間中、その光景をアメリカ聖公会の牧師ジョン・マギーは、16ミリフィルムに残していました。それが、「マギー・フィルム」です。
実際にその映画を観てみると、明らかに虐殺されたとわかる死体は一つも映っていないそうです。字幕には「日本軍の暴行」等とあって日本兵の残虐性を訴えていますが、日本兵が捕虜を処刑しているシーンも、何千もの死体シーンもなく、映っているのは、ほとんどが生きている人々ばかりです。首を切られかかった傷跡が大きく陥没した痛々しい姿の中国人の有名な映像についても、そういう大きな傷がひと月やふた月で治るはずがない、という疑念を抱かせるものです。阿羅氏は、その映像には、客観性が欠如していると評します。
マギーは東京裁判で、「あちこちで殺人が行なわれていた」と証言したとき、自分自身が目撃した殺人現場の有無をたずねられると、「一つだけあります」と答えています。しかしそれは、民間人に化けた中国兵の掃討作戦を実行しているとき、不審な中国人をみて彼の身元を尋ねると急に逃げ出したので、やむをえず撃ったというものでした。これは国際法上合法的な行為とされているものです。彼は非合法の殺人を一件も目撃していないのです。
以上から判明するのは、ユネスコに登録された資料は、大虐殺を実証するという観点からすれば、いずれも歴史学のオーソドックスな検証には耐ええない代物ばかりである、ということです。
触れたいことのふたつ目は、堂々と歴史をねつ造することによって、歴史戦で日本を打ち負かしたいと思っている中共とどう戦うかについてです。
その点について、江崎道朗氏が、秀逸なアイデアを提案しています。
江崎氏によれば、いまの日本は、南京事件について、歴史戦を仕掛けてきている中共のみならず、韓国は当然のこととして、欧米諸国による無理解あるいは誤解の包囲網に直面しています。米国の日本に対する思いの核心は、「日本は真実を隠蔽している」というものです。そういう残念な事態の責任は、それを放置してきた政府・外務省の側にあります。政府・外務省は、時を移さず、国会図書会や公文書館にある南京事件関連の全資料を順次英訳し、アジア歴史センターのHPに掲載して情報公開し、「言論の自由・学問の自由のない中共が11点しか資料を提出できなかったのに対して、言論の自由・学問の自由を尊重する日本は、数千点・数万点の資料を公開していますよ」というメッセージを発信すべきである、というのです。
この戦略は、とても優れています。なぜなら、中共に対する反論が不得手な外務省でさえも、これならすぐに実行できますし、イチャモンつけの得意な中共でさえも、これには反論のしようがないからです。また、事実それ自体に語らせるという作戦は、無理がないし、とても効果的であると思われます。戦わずして勝つ、というわけです。
江崎氏はもうひとつ提案をしています。それは、内閣府に南京事件に関する「戦略情報室」という司令塔を作って、歴史戦というインテリジェンスをめぐる戦争を戦い抜く体制を整えることです。その場合、外務省には多くを期待できないので、民間の有力な論客や学者を組織して、政府・外務省はそれを支援する、というスタンスが好ましい、と江崎氏は言います。
日本には、南京事件についての「虐殺派」と「まぼろし派」の対立という根深い問題があるので、メンバーの選定はけっこう紛糾するとは思われますが、「歴史戦に勝つ」という基本目的を忘れなければ、なんとかなるのではないかと思われます。こちらもぜひ実現してほしいものです。
以下に、討論の動画を掲げます。いずれの論客も歴戦の戦士だけあって、なかなか充実した内容になっています。少数精鋭の討論といえるでしょう。
1/3【討論!】『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する[桜H27/11/7]
2/3【討論!】『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する[桜H27/11/7]
3/3【討論!】『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する[桜H27/11/7]
以下に掲げる動画の出演者は、いずれも「南京攻略戦という戦いはあったが、いわゆる『南京大虐殺』なるものはなかった」という見解を共有する論者です。「虐殺派」VS「まぼろし派」という「南京事件」をめぐる基本的対立軸の、「まぼろし派」に組する人たち、それもその最右翼に位置する人たちと言っていいでしょう。
ついでながら、私は、彼らほどの確信はまだ持ち得ていませんが、「おそらくその通りなのだろう」と思っている者です。そうして、なによりも、中共が仕掛けてきた歴史戦には断じて負けてはならないと思っている者です。しかし、勝つためだったら、(中共のように)歴史のねつ造も辞さない、とまでは思っていません。敵と同じ土俵に上がらない、というのを闘いのべからず集のトップに持ってくるべきである、と考えるからです。
過去のことではなくて、今まさに、チベット族やウィグル族を大量虐殺している連中にしのこの言われる筋合いはない、という強い感情を持っていることも正直に白状しておきましょう。そのことに関連して、国連やユネスコの偽善には怒りを覚えていることも合わせて白状しておきましょう。国連やユネスコのいかがわしさについては、いつかきっちり批判したいという思いがあります。
私からは、当討論の内容について、二点触れておきたいと思います。
ひとつ目は、ユネスコの世界記憶遺産に登録されたと目される11点の資料がどこまで「大虐殺」を証拠立てているかの検証についてです。
平成二七年十月十一日の毎日新聞は、新華社通信の報道に基づいて、世界記憶遺産に登録された「南京大虐殺に関する資料」は、以下の11点ではなかろうかという内容の報道をしています。ユネスコは、資料の内容がいかなるものかについてはまだ正式に発表していないそうです。
<1>国際安全区の金陵女子文理学院の宿舎管理員、程瑞芳の日記
<2>米国人のジョン・マギー牧師の16ミリ撮影機とそのオリジナルフィルム
<3>南京市民の羅瑾が死の危険を冒して保存した、旧日本軍撮影の民間人虐殺や女性へのいたずら、強姦(ごうかん)の写真16枚
<4>中国人、呉旋が南京臨時(政府)参議院宛てに送った旧日本軍の暴行写真
<5>南京軍事法廷が日本軍の戦犯・谷寿夫に下した判決文の正本
<6>南京軍事法廷での米国人、ベイツの証言
<7>南京大虐殺の生存者、陸李秀英の証言
<8>南京市臨時(政府)参議院の南京大虐殺案件における敵の犯罪行為調査委員会の調査表
<9>南京軍事法廷が調査した犯罪の証拠
<10>南京大虐殺の案件に対する市民の上申書
<11>外国人日記「南京占領-目撃者の記述」
藤岡信勝氏によれば、このなかで、その内容が具体的に特定できるのは<1>から<8>までだそうです。さらにそのなかで、歴史学でいうところの一次資料、すなわち、「南京事件」に関する資料のうち独自性が認められるおおもとの資料や原典・元の文献そのものと呼べるのは、<1>の程瑞芳の日記と<2>のマギー・フィルムと追加の資料として中共から提出されたマカラムの手紙の3点だけだそうです。
阿羅健一氏は、その3点について、次のように述べています。
「程瑞芳の日記」は、この日記は一九三七年十二月八日から翌一九三八年三月一日まで書かれています。そのなかで、彼女が目撃した、日本兵による事件は、九件の強姦と九件の略奪です。ほかは、伝聞・憶測の類いだそうです。
「マッカラムの手紙」の日付は、一九三八年一月七日です。この手紙を分析すると、筆者が目撃した、日本兵による事件は、強姦一件、殺人一件だそうです。
いずれの資料も、「大虐殺」が実施されたとされる、一九三七(昭和十二)年十二月十三日の南京陥落翌日から翌年の一九三八(昭和十三)年一月までの間の南京市内の出来事に触れたものです。
阿羅氏によれば、これらの資料で示された強姦・略奪・殺人の件数は、30万人という「大虐殺」とはかけ離れていて、むしろ、「大虐殺」などなかったことを物語っています。
次に、「マギー・フィルム」について。日本軍による南京占領の期間中、その光景をアメリカ聖公会の牧師ジョン・マギーは、16ミリフィルムに残していました。それが、「マギー・フィルム」です。
実際にその映画を観てみると、明らかに虐殺されたとわかる死体は一つも映っていないそうです。字幕には「日本軍の暴行」等とあって日本兵の残虐性を訴えていますが、日本兵が捕虜を処刑しているシーンも、何千もの死体シーンもなく、映っているのは、ほとんどが生きている人々ばかりです。首を切られかかった傷跡が大きく陥没した痛々しい姿の中国人の有名な映像についても、そういう大きな傷がひと月やふた月で治るはずがない、という疑念を抱かせるものです。阿羅氏は、その映像には、客観性が欠如していると評します。
マギーは東京裁判で、「あちこちで殺人が行なわれていた」と証言したとき、自分自身が目撃した殺人現場の有無をたずねられると、「一つだけあります」と答えています。しかしそれは、民間人に化けた中国兵の掃討作戦を実行しているとき、不審な中国人をみて彼の身元を尋ねると急に逃げ出したので、やむをえず撃ったというものでした。これは国際法上合法的な行為とされているものです。彼は非合法の殺人を一件も目撃していないのです。
以上から判明するのは、ユネスコに登録された資料は、大虐殺を実証するという観点からすれば、いずれも歴史学のオーソドックスな検証には耐ええない代物ばかりである、ということです。
触れたいことのふたつ目は、堂々と歴史をねつ造することによって、歴史戦で日本を打ち負かしたいと思っている中共とどう戦うかについてです。
その点について、江崎道朗氏が、秀逸なアイデアを提案しています。
江崎氏によれば、いまの日本は、南京事件について、歴史戦を仕掛けてきている中共のみならず、韓国は当然のこととして、欧米諸国による無理解あるいは誤解の包囲網に直面しています。米国の日本に対する思いの核心は、「日本は真実を隠蔽している」というものです。そういう残念な事態の責任は、それを放置してきた政府・外務省の側にあります。政府・外務省は、時を移さず、国会図書会や公文書館にある南京事件関連の全資料を順次英訳し、アジア歴史センターのHPに掲載して情報公開し、「言論の自由・学問の自由のない中共が11点しか資料を提出できなかったのに対して、言論の自由・学問の自由を尊重する日本は、数千点・数万点の資料を公開していますよ」というメッセージを発信すべきである、というのです。
この戦略は、とても優れています。なぜなら、中共に対する反論が不得手な外務省でさえも、これならすぐに実行できますし、イチャモンつけの得意な中共でさえも、これには反論のしようがないからです。また、事実それ自体に語らせるという作戦は、無理がないし、とても効果的であると思われます。戦わずして勝つ、というわけです。
江崎氏はもうひとつ提案をしています。それは、内閣府に南京事件に関する「戦略情報室」という司令塔を作って、歴史戦というインテリジェンスをめぐる戦争を戦い抜く体制を整えることです。その場合、外務省には多くを期待できないので、民間の有力な論客や学者を組織して、政府・外務省はそれを支援する、というスタンスが好ましい、と江崎氏は言います。
日本には、南京事件についての「虐殺派」と「まぼろし派」の対立という根深い問題があるので、メンバーの選定はけっこう紛糾するとは思われますが、「歴史戦に勝つ」という基本目的を忘れなければ、なんとかなるのではないかと思われます。こちらもぜひ実現してほしいものです。
以下に、討論の動画を掲げます。いずれの論客も歴戦の戦士だけあって、なかなか充実した内容になっています。少数精鋭の討論といえるでしょう。
1/3【討論!】『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する[桜H27/11/7]
2/3【討論!】『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する[桜H27/11/7]
3/3【討論!】『南京大虐殺』記憶遺産11文書を検証する[桜H27/11/7]