美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

茂木誠さん動画【渡辺惣樹先生とウクライナを語る】

2022年03月03日 20時45分40秒 | 世界情勢
戦後の日本は、戦争を善悪で語ることに終始してきた。自虐史観はその「成果」である。

2月24日以来のロシア・ウクライナ戦争についても、その姿勢は変わらない。つまり「絶対善ウクライナVS絶対悪ロシア」あるいは「正義の味方ゼレンスキーVS悪の権化プーチン」という構図で、今回のショッキングな出来事をとらえているのである。相変わらずの茶番劇だ。

物事が起こるには、一定の背景や経緯や流れが存する。川は上から下に流れるものなのである。

今回の出来事も2月24日に突然「プーチンの狂気」によって始まったわけではない。当対談の話者たちによれば、最低限2014年のドンバス内戦からの経緯を追わなければ、さらには、1991年のソ連邦崩壊以来の米国ネオコンとロシアのせめぎあいを追わなければ、今回起こったことを正しく理解することはかなわない。

これは、理にかなった主張である。その主張がプーチン弁護・ロシア正当化に響くとすれば、そう響いた方は、自分がMSMにおいて猖獗をきわめている戦争善悪論に毒されていないか、一度は点検してみる必要があるように思われる(私も常に点検している)。

念のために申し上げれば、当対談はプーチン擁護に主眼を置いているわけではない。それが証拠に、動画の終末部で茂木誠さんは「プーチンの今回のふるまい方は失敗だった」と断じている。やまにやまれぬ事情をきちんと認識することと、やむにやまれぬ事情によってふるまったことの中身の適否とはおのずから別なのである。

ロシア・ウクライナ戦争という複雑きわまる現象を少しでも精度を上げて認識することが、日本が今後いかに処するべきかを考えるうえでの欠かせない前提である。

同じことは、かの大東亜戦争についても言えるだろう。私たち日本人は、今回を機に戦争をもっぱら道徳的に語ることの愚かしさから脱却すべきである。

ウクライナ◯争を語る/渡辺惣樹先生と対談01
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