経済のわかりにくい論点を、当動画のエミンさんが分かりやすく説明しています。
Q1「日本でハイパー・インフレが起こる可能性はあるか」
→A1「日本の国債はすべて円建てなので、純粋にテクニカルな意味でありえない。仮に国債の利払いが膨らんだとしても、日銀は、必要なだけの円を刷って支払いをすればいいだけのこと。だから財政破綻はありえない。よって、ハイパー・インフレもありえない」
Q2「銀行が新たにお金を作る信用創造の理屈が分からない」
→A2「銀行は、新たな預金の一部分を残してほかは全部貸し出す。貸し出されたお金はまた銀行に戻ってくる。その新たな預金の一部分を残してほかはまた全部貸し出される。その無限回の繰り返しによって、結局最初の預金の何倍もの預金が創造される」
信用創造とは、銀行が貸し出しを繰り返すことによって、銀行全体として、最初に受け入れた預金額の何倍もの預金通貨をつくりだすことです。例えば、A銀行が最初に受け入れた預金額が100万円だとしましょう。A銀行は手元にその1割の10万
円を残して90万円を別の誰かに貸し出します。お金を遊ばしておくのはもったいないですから。その90万円がさらにほかの誰かに渡り、その誰かは90万円を今度はB銀行に預けます。その1割の9万円を残して・・・、というプロセスが無限に繰り返されます。文字通り「金は天下の回りもの」というわけです。以上を表にまとめれば、次のようになります。
このようにして、預金の合計は結局100円×1/0.1=100円×10=1000円となり、元の預金の10倍の預金が創造されたことになります。厳密にいえば、この式を理解するには無限等比級数の知識が必要なのですが、そこまでこだわらなくても、最初の預金の何倍もの預金が生まれることは、エミンさんのお話と当方の補足でお分かりいただけるのではないでしょうか。
それにしても、コロナ禍以降のアメリカの預金準備率が0%とは驚きです。知りませんでした。
【エミQ】教えて!エミン)さん Vol.59「ハイパーインフレ」「信用創造とお金」