美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

箱根湯本~芦ノ湖ルートは、素晴らしい

2014年09月06日 09時39分15秒 | 報告
八月三〇・三一日、私は妻と箱根に行ってきました。これまで箱根に行ったのは、高校時代に美術部の仲間に彫刻の森に連れられていったのと、大学時代に運転免許取り立ての友人の運転でドライヴしたのの二回だけでした。一度目は、帰りの箱根登山電車が山の中でストップして暗闇のなか数時間立ち往生したので大変辛い思いをしました。また二度目は、箱根の激しく蛇行した道路を青い顔をして運転する友人の余裕のなさそうな様子に肝が縮み上がる思いがしました。いずれも正直にいえば、いい思い出として残っていなかったわけです。そのせいでしょうか、ずいぶん長い間、箱根から足が遠のいていました。今回は、約三五年ぶりの箱根旅行、ということになります。

いやぁ、想定していなかったほどの、とても良い旅となりました。そこで、私のつたない経験から、箱根の素敵なルートをご紹介いたします。みなさまの参考になればと思います。

新宿駅から、小田急のロマンスカーで約一時間半、箱根湯本に着きます。じつに快適な乗り心地です。そこから、箱根登山鉄道で、塔ノ沢、大平台、宮ノ下、小涌谷、彫刻の森を経て強羅(ごうら)に着きます。約四〇分の道のりですが、スイッチバックが二回あったり、車窓からの美しい景色が少しづつ変化したりで、立ったままでも少しもつらくありません。あっという間に強羅に到着する感じです。強羅駅界隈は、落ち着いた上品な雰囲気です。駅から三分のところに函嶺(かんれい)白百合学園中学校・高等学校というカトリック系ミッションスクールがあるので、それも当然といえば当然ですね。



箱根登山鉄道
(http://sl-taki.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301822538-1 から転載させていただきました。ありがとうございます)

強羅からは、箱根登山ケーブルカーで早雲山(そううんざん)まで登りましょう。わずか一〇分ほどで同駅まで着きます。かなりの傾斜があるので、本当にゆっくりと走ります。まさしくケーブルでヨイショと引き上げられる感触です。乗り降りする人々も心なしかみなのんびりとしています。もしも、百年の歴史を誇る強羅公園に立ち寄りたければ、公園上駅で降りましょう。そうして、公園下駅からあらためてケーブルカーに乗りましょう。残念ながら、私たちは今回そこに立ち寄ることができませんでしたが。


箱根登山ケーブルカー
(http://blogs.yahoo.co.jp/takah1ro581/52578419.html から転載させていただきました。ありがとうございます。)

早雲山で、箱根ロープウェイが次から次に来るので、それにヒョイと乗ってしまいましょう。ロープウェイのなかが混み合うことはないので安心ですよ。ここから大涌谷(おおわくだに)までの一〇分間と、そこから乗り換えての一八分間は、文句なしの絶景が続きます。大涌谷の雄大な眺め、大涌谷から姥子(うばこ)までの緑の広々とした絨毯、姥子を過ぎてからの眼下の芦ノ湖の清浄な眺め。それらは、あなたの目を悦ばせることでしょう。高所恐怖症気味の妻は、ちょっとビビリながらも、周りの景色を大いに楽しんでいました(残念ながら、その日は曇りで富士山は見えませんでした。そこが画竜点睛を欠いたところ、とは言えるでしょう)。ひまがあれば、大涌谷で途中下車して、高い山の清涼な空気を肺腑にこころゆくまで行き渡らせ、お土産に黒玉子を買うのもいいでしょう。大涌谷の温泉池で卵を茹でると殻の周りに鉄分が付着してそれが硫化水素と反応して硫化鉄ができるので真っ黒になる、というわけです。理屈はとにかくとして、見ているだけで面白いし、食べてもなかなかのものですよ。


箱根ロープウェイ
(http://camecan.blog.fc2.com/から転載させていただきました。ありがとうございます。)

ロープウェイに乗ってゆられながら雄大な景色で目を喜ばせて空中散歩をしているうちに、ほどなく芦ノ湖のほとりの桃源台港に到着します。そうしてそこで箱根海賊船に乗りかえて港を後にします。船は美しくて穏やかな湖面をゆっくりと静かに進みます。船のなかでくすぶっていないで外に出て、湖の涼やかな風に当たりましょう。湖を囲む一面の緑が心地よいですよ。

おおよそ三〇分ほどで、船は細長い湖を縦断し、箱根町港に接岸します。私たちは、朝の八時半に新宿を出発したのですが、時計を見るともう少しで午後の一時になります。さすがにお腹が空いてきたので、湖畔のレストランで、一一五〇円の、虹鱒をメインディッシュにした芦ノ湖定食なるものを食しました。芦ノ湖にはブラック・バスがたくさんいると聞いたことがあるのですが、虹鱒や姫鱒などの在来種は大丈夫なのでしょうかね。

虹鱒に舌鼓を打った後、私たちは、箱根の関所に行きました。そこで知り得たことは次回に別立てでお伝えすることにして、そこで一時間ほど過ごした後、ちょっと散歩をしようということで、私たちは湖畔沿いの杉並木をぶらぶらしました。「こんな素敵なところを誰も歩いていないなんて、みんなバカだなぁ」などと話し合いながら、三〇分ほど歩きました。そこは、本当にめったにない素敵な散歩道です。プロポーズするならこんなところがいいなぁ、などと何の役にも立たない妄想にふけっているうちに、元箱根港の近くまで来ました。もしも時間が許すならば、箱根町港に引き返して、そこから箱根登山バスに乗り箱根峠を経由して湖畔を走り抜け桃源台港に戻りたかったのですが、時間的にちょっと不安があったので、元箱根港から箱根海賊船で桃源台港に引き返し、やはりロープウェイとケーブルカーを乗り継いで、強羅に戻りました。そこに宿を予約しておいたからです。戻りのルートもやはり楽しかったですよ。飽きる、ということがありません。ちなみに、強羅の「田むら銀かつ亭」で食べた豆腐かつ煮は、絶品でした。強羅にお越しの際はぜひお立ち寄りください。http://ginkatsutei.jp/sp/

″なかなかのルートだというのは分かったが、交通費がけっこうかかるんじゃないか″と思われるかもしれませんが、箱根湯本からの二日間有効のフリーパス券を四〇〇〇円で買ってしまえば、鉄道もケーブルカーもロープウェイも船もバスも乗り放題なのでお得です。

以上のルートは、日帰りでも十分に満喫できます。私たちは、紅葉の季節を迎えたら、日帰りで当地に舞い戻って来ようと思っています。観光客のマナーが良いという印象が残りました。もっとも、あれだけの景色を見せられて、それでも下品なことをしてしまうなら、もはや救いようがないという気はしますけどね。

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