今日は、中二生に国語を教えました。
設問に、“文中の「のめり込む」と同じような状態を表している言葉を同じ文中から書き抜きなさい”とあり、正解は、“うつつをぬかす”である、というのを生徒に解かせました。ふつうの中二生にとってはどうやらむずかしい設問だったらしく、なかなか正解にたどり着けませんでした。そこで解説をして納得してもらうようにするのですが、私ははたと立ち止ってしまいました。「うつつ」ってなんだったっけ、と。で、ちょっと調べてみたところ、「うつつをぬかす」は「現を抜かす」で、自分の頭のなかから現実を抜くのですから、後には夢が残るわけです。それで「夢中になる」のか、と納得した次第です。生徒も面白がっていました。
もうひとつ。「傘」の書き取り問題がありました。それと直接関係があるわけではないのですが、“傘には、相合傘でもせいぜい二人しか入らないのに、なぜ「人」が四人も入っているのだろうか”という疑問が湧いてきました。それで調べてみたら、ちゃんとありました。同じような疑問を抱く人はいるのですね。ベストアンサーには、〈「傘」という漢字の「十」の下の部分に「人」がいれば、傘を使っている「人」とも思えますが、 「十」の部分の上に「人」が入っています!これは、人ではなく、「傘」の一部です。 (「傘」は、「広げた傘の形」の漢字です)「傘の骨」、または、「傘に張った紙の様子」を表しています!〉という回答が選ばれています。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011770490傘は象形文字である、というわけです。そういうことを生徒に教えてみたところ、なるほど納得という表情をしていました。象形文字といえば、「疑」は形声文字ではなくて象形文字である、なんてのも私としてはけっこう驚きます。杖を立てた人が後ろを向いて、進むか退くか決めかねて立ち止っている姿を写したものだそうです(白川静『常用字解説』)。ちなみに「傘」の部首は、「ひとやね・ひとがしら」だそうです。関係ないといいながら、「傘」には、けっこう「人」が絡んでいますね。部首ってよく分からないところがあります。例えば、みなさんは、「竜」の部首を知っていますか?それがなんと「竜」で、部首名も「りゅう」なのです。これ、どういうことなのでしょうかね。では、次の漢字の部首は何だと思われますか。よろしかったら、答えてみてください。
① 摩
② 喪
③ 準
これらは、漢字検定2級(高校終了課程レベル)の過去問で、私が解いてみて間違えたものです。もちろん、竜の部首も間違えました。正解は、①手 ②口 ③氵です。いかがでしょうか。お前は漢検2級の過去問で何点とれたか、ですって?正直に言いましょう。210点満点中199点でした。170点ほど取れば合格のようですから、一応合格点がとれたことになります。みなさんも、チャレンジしてみてはいかがですか。下記URLの画面の右端のリストのうち「各級の程度と出題内容」をクリックしたら、別画面が立ち上がります。そこの表のなかの右端の「リンク」と名付けられた欄の上から三つ目の2級の「問題例」をクリックすれば出題例が出てきます。
http://www.kanken.or.jp/kanken/outline/degree.html
いまさらながらですが、言葉って、奥深いですね。
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