美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

米国債の長短金利逆転が意味するところ

2022年04月07日 15時46分41秒 | 世界情勢

ウォール街株価大暴落(1029年世界大恐慌)

「グローバルマクロ・リサーチ・インスティチュート」の記事は、ほぼ毎日アップされます。近ごろ当方は、それを毎日欠かさず読んでいます。学ぶところが多いからです。

具体的には、世界情勢がよく分かるし、金融用語や経済用語についての説明が、熟読すれば、私のような素人にもきちんと分かるように書かれています。

当サイトは、刻々と変化する世界情勢の核心をつかみながら、どう投資すべきかという課題に真正面から取り組み続けています。並大抵の洞察力ではありません。その見識は、投資という欲得づくのリアルな観点から冷静に世界情勢と向き合う姿勢によって裏付けられています。

今回紹介する論考は、米国債2年物と10年物の金利差が逆転したことの意味について述べられています。

熟読を要しますが、その労力が報われることをお約束します。

***

長短金利逆転を予測できた理由と今後の不況と株価暴落について
WWW.GLOBALMACRORESEARCH.ORG/JP/ARCHIVES/22559
2022年4月4日 GLOBALMACRORESEARCH

予定通りと言うべきだが、先週アメリカの債券市場でついに2年物国債の金利が10年物国債の金利を上回る逆イールドが発生した。今回は長短金利逆転が株価と経済に持つ意味について解説してゆきたい。

長短金利逆転は何故起こったか?
そもそも長短金利差とは何かについてまず説明しておくが、国債などの債券は誰かに(国債の場合は政府に)お金を貸すという行為を証券化したものである。

よって、何年間お金を貸すのかによって期限が設定される。2年貸せば2年物国債であり、10年貸せば10年物国債である。期限が来ればお金は政府から返ってくる。その間は金利を(マイナス金利でなければ)貰い続けられるということである。

期限が長ければ長いほどお金が返ってくるのかどうか不確かになるため、通常期間が長いほど金利は高くなる。より大きなリスクに対してより高い金利が払われなければ釣り合わないということである。

だがその長短の金利(一般的には2年物国債と10年物国債の金利)が逆転することがある。それが長短金利逆転とか逆イールド(イールドとは利回りの意味である)とか言われる。

この長短金利の逆転は何故起こるのだろうか。
まず2年物国債がどのように動くかを解説しておくと、2年物国債は比較的短期の国債であるため、銀行などお金を持っていて資産運用をしている組織は他の短期の運用手段と比べながら2年物国債を買うかどうかを検討することになる。

2年物と10年物の違い
2年物国債と競合するのがアメリカの政策金利であるフェデラルファンド金利である。フェデラルファンド金利とは、銀行間が1日単位でお金を貸し借りをする場合(翌日物という)の金利で、アメリカでは中央銀行がこれをコントロールしている。

*フェデラルファンド金利は、日本のコール市場金利に相当するものと考えてよいと思われます。〔引用者 注〕

銀行などが考えるのは、ここから2年間、2年物国債を買って金利を貰い続けるのか、フェデラルファンド金利を毎日貰い続けるのかである。

だから、2年物国債の金利とフェデラルファンド金利(年率)はかなりの程度競合し、2年物国債の金利は今後2年のフェデラルファンド金利の予想値を反映するようになる。

つまり、2年物国債の金利は今後2年の政策金利の予想値に左右されるということである。

一方で、10年物国債は結構長い期間のお金の貸し借りである。不確実性も2年物より大きく、10年の間には政策金利も大きく変わるだろうから、毎日フェデラルファンド金利を借り換えることと比較することは不合理である。

よって10年物国債の金利はよりリスクの高い資産、例えば社債や不動産の利回りや株式の益回りなどと比較される。これらの比較対象は今後経済が好調なのかどうかによって利回りが変わってくるため、10年物国債の金利は今後の名目経済成長率(インフレ率+実質成長率)に左右される

つまり、2年物国債は政策金利に、10年物国債は実体経済に影響される度合いが大きいということである。

長短金利逆転
政策金利と実体経済はどうなっているだろうか。アメリカでは物価が高騰し、インフレ抑制のために政策金利が上がり始めている

• 3月FOMC会合結果は利上げ開始、政策金利は年内に2%以上となり株価暴落へ 
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21514

一方で政策金利が2018年の世界同時株安を引き起こした水準以上に上がってゆく可能性が高くなり、強力な金融引き締めが経済の活気を奪う可能性がますます高くなっている

これは政策金利に連動する2年物国債の金利が上がる一方で、10年物国債の金利はそれほど上がらない状況を示している
ここでは、去年の9月に長短金利について予想した記事で次のように書いておいた。

• 長期金利とテーパリングの関係、今後の推移予想 (2021/9/5)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15210

*「テーパリング」とは、米国Fedなどの中央銀行が量的緩和策による資産買い入れ額を徐々に減らしていくことを意味します〔引用者 注〕

テーパリングが強行され、利上げが行われる場合、アメリカ経済は高い確率でそれに耐えられない。短期金利が利上げに連動して上がる一方で、長期金利はそれほど上がらないか、むしろ下がってゆくだろう。

恐らく1980年と同様の長短金利差逆転が起きると筆者は推測している。

当時、10年物国債の金利から2年物国債の金利を引いた長短金利差は1%以上あった。その後長短金利差はどうなったかと言えば、次のように推移している。




予想通りである。

株価と実体経済への影響
長短金利の逆転の持つ意味について話す前に、そもそも長短金利の逆転は去年から明らかだったということについて話しておきたい。

現金給付や脱炭素政策のお陰でアメリカでは物価が高騰している。にもかかわらず、中央銀行は長らくインフレを無視したまま量的緩和を続けてきた。

*Fedのパウエル議長が最近まで「インフレは一時的なもの」と言い続けてきたのはよく知られた事実です。〔引用者 注〕

• サマーズ氏: エネルギー価格を高騰させる脱炭素政策は健全ではない
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16442

インフレが起こっているのに紙幣印刷を続けていたことの狂気が理解できるだろうか。少なくとも何処ぞの黒田氏には理解できないだろう。

結果としてインフレはますます酷くなり、後でより厳しい金融引き締め政策を行わなければならなくなることは自明だった。中央銀行や政治家などの金融の素人にとって自明ではなかっただけの話である。

• ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/14522

今回の物価高騰の結果行われる利上げと量的引き締めは、2018年の世界同時株安を引き起こした引き締め政策よりも強力にならざるを得なくなることは去年の段階で明らかだったし、それは現段階でより明らかになっていると言える。

例えば、今後の政策金利を示す2年物国債の金利は2.5%以上に上がっているが、これは2018年の政策金利の最高値を上回っている。




2018年にはトランプ政権の経済政策により経済は今よりもよほど力強かったにもかかわらず、政策金利がこの水準に達する前に株価は暴落したのである。今の2年物国債の金利はそれ以上の水準を織り込んでいる。

2018年の世界同時株安については当時の記事が役に立つだろう。

• 世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7959

結論
上記のように長短金利の逆転は筆者にとっては当たり前であり、予想した内にも入らないのだが、少なくともこの国債トレードが成功したことは素直に喜ぶべきだろう。

今後についてはほとんど言うまでもない。この長短金利の逆転が2018年の株価暴落の再来を示していないという人は、単に2018年の相場を勉強していないだけである。以下の記事を参考にしてもらいたい。

• マイナード氏: 利上げで株式市場は2018年と同じ株価暴落へ
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21555
• 2018年の世界同時株安では何から順番に暴落したかを振り返る
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/19017

ただ何度も言うように本当の問題は、2018年の危機ではパウエル議長が引き締めを撤回して株価は反発したが、今回はインフレが続く限り株価が暴落しても引き締めが撤回できない可能性が高く、株価が暴落しているにもかかわらず引き締めが撤回できなければ、株価は本当に底なしの下落に突き進んでゆく可能性があるということである。

2022年の相場は本当に面白い相場になるだろう。楽しみに待っていてもらいたい。
• 金融引き締めはインフレ率より先に株価を退治してしまうだろう
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/22226
• 2022年の株式市場: パーティは終わっているのにまだ踊っている人がいる
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21985

***

当論考の見解が正鵠を射たものであるならば、今後私たちは、止まないインフレ下で株価の底なしの下落を経験することになります。しかも主要国の中央銀行は、なすすべもないというオマケ付きで。それは、世界秩序の根本的再編がもたらされることを意味するものと思われます。
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「ウクライナ」は「西欧の没落」の最終段階を象徴している

2022年04月05日 15時43分22秒 | 世界情勢

米 12階建てマンション崩壊  2021年6月25日

1918年にシュペングラーの『西洋の没落』が発表されてからずっと「西欧の没落」は言われてきました。今回紹介する「グローバルマクロ・リサーチ・インスティチュート」の4月2日掲載の論考は、欧米の対露経済戦争は西洋文明の一連の自殺行為の総仕上げであると主張しています。

つまり「西洋の没落」という約100年間の物語は、「西洋の自殺」で幕を下ろすと言っていることになります。

観念的な遊戯を好む思想家肌の人物がそう言っているのではなくて、鋭敏な欲得づくの投資家がリアルにそう言っている点が重要であると思われます。

では、その論ずるところに耳を傾けてみようではありませんか。

***


移民危機からウクライナまで: 西洋文明は自殺しようとしている
WWW.GLOBALMACRORESEARCH.ORG/JP/ARCHIVES/22334
2022年4月2日 GLOBALMACRORESEARCH

読者も知っての通りここでは経済と金融市場をテーマとした記事を書いているが、今日はより大きな枠組みで西洋文明を考えることで、アメリカやヨーロッパの経済の行く末を考えてみたい。

「西洋」の起源
西洋は恐らくギリシャから始まると言うべきだろう。ヨーロッパ南部のイタリア半島から中東のカブールに至るまで、現在のヨーロッパと範囲は異なるが大帝国を築いたギリシャ人たちは、明らかに現在のヨーロッパ文明の基礎となっている。

*アレクサンドロスの東方遠征(前334~)でギリシャは大帝国になりました。それまでは、ペロポネソス半島を中心に、イタリア半島や小アジアに植民市が点在するだけでした。〔引用者 注〕

その後ギリシャを征服したローマ人の時代まで、ギリシャ帝国とローマ帝国は東の中国に匹敵する経済規模を誇る文化圏だった。

だが4世紀にローマ帝国が西ローマ帝国と東ローマ帝国に分裂した後のヨーロッパは実はあまり振るっていない。7世紀に始まる中国の唐の時代には唐は明らかに世界一の大国であったし、13世紀にはモンゴル帝国(元王朝)が中国から出発し東ヨーロッパまでを勢力圏に収めていた。

ヨーロッパが持ち直したのはオランダが17世紀にオランダ東インド会社を設立してオランダ海上帝国となった頃からである。鍵となったのは優れた造船技術であり、船を使って他国を侵略する方法はその後のイギリス帝国に受け継がれている。この辺りの経緯はBridgewaterのレイ・ダリオ氏が解説している。

• 世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891
• 世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

現代人は忘れがちだが、西洋が大国となったのは歴史上では比較的最近のことである。そして歴史上の覇権国家がそうであったように、その繁栄の方法は軍事力による侵略だった。

世界史を勉強した人ならば分かるように、西洋の歴史とはほとんど戦争の歴史である。その戦争の系譜は最終的に世界大戦となって世界中を巻き込んだ。

西洋の覇権は第2次世界大戦を支配したアメリカ合衆国に受け継がれたが、侵略によって繁栄する戦争ビジネスは第2次世界大戦において頂点に達したと言って良い。

人的コストが大きすぎるということに西洋人はやっと気付いたのである。それは恐らくは、戦争によって直接利益を受ける産業と一般人の利益背反という形で政治に反映されただろう。

覇権国家アメリカの選択
アメリカは覇権を握った。覇権国には侵略によって繁栄する権利(少なくとも力によって与えられた権利)がある。だが世界大戦をもう一度繰り返すことは戦勝国となった西洋の民間人にとっても許容できない政治判断となっていた。

誰もが知っての通り、アメリカは戦争を止めた訳ではない。オランダ海上帝国が繁栄し、武器商人と造船業者が大いに儲かったように、戦争は儲かるからである。

ではアメリカはどうしたか? 他国に戦争をやらせることを選択したのである。ベトナム戦争は北ベトナムと南ベトナムの戦争である。朝鮮戦争は韓国と北朝鮮の戦争である。本来ベトナムにも朝鮮にも自国民と殺し合う必要はないはずなのだが、それがアメリカ人の人的被害を最小限に抑えた上でアメリカが戦争で利益を得るために編み出した方法だった。

ターゲットとなった小国にはとんでもない話だが、それに乗せられて自国民同士で争った彼ら自身にも非がないとは言えない。自衛するためには賢明であることが必要である。

*国民の分断・対立は安全保障の根本をゆるがす愚かな事態である、ということです。〔引用者 注〕

アメリカが経済大国である限り、他国に戦争をやらせることは許された。第2次世界大戦から数十年の間はアメリカに匹敵する国家は存在しなかったから。

しかしオランダ海上帝国と大英帝国が衰退したように、どの覇権国にも寿命はある。ヨーロッパも全体としてはかつての覇権国が衰退した状態と言えるだろう。

そしてアメリカにも限界が来始めている。レイ・ダリオ氏が指摘したように、経済的に衰退し始めた大国はそれを見かけ上維持するために紙幣を印刷し、その紙幣で見かけの富を作り上げる。だが結局は紙幣の価値が時間差で暴落してその覇権は終わりとなる。

• 世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953
• 世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

西洋における政治の変調
紙幣印刷は国家の衰退の末期に行われる政策である。そして紙幣印刷の前に行われる政策は何だろうか? ここの読者には言うまでもないことだが、低金利政策である。まず金利を下げて低下する成長率を浮揚しようとするが、ついに金利もゼロになり、その後に紙幣印刷が行われる

金利はアメリカでは1980年頃から30年かけて低下し、リーマンショックによってついにゼロになった。以下はアメリカの政策金利の長期チャートである。



これはアメリカの覇権の衰退を表すチャートであると言い換えても良い。生産力を上げることではなく、金利を下げることに頼らなければ経済成長を維持できなくなったということだからである。だがダリオ氏はこう言う。

• 世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831

われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。
紙幣は食べられない。


そして奇遇にも西洋の政治の世界が段々おかしくなってきたのは金利がゼロになってからではなかろうか。

*2008年のリーマンショックをきっかけに中国がめざましく台頭してきたことは特筆すべきでしょう。〔引用者 注〕

2015年の移民危機
まず始まったのは移民危機である。そもそも中東を戦場にしたのは西洋諸国のやったことなのだが、この中東で戦争が起こって人が暮らせないから移民を受け入れろということをアメリカやヨーロッパのいわゆるリベラル派の人々が言い始めたわけである。

傍から見れば西洋が中東から撤退すれば良いだけだろうという笑い話なのだが、この話の更におかしいのは、実際に大量にヨーロッパに流入したのは戦場となっていたシリアの人々ではなかったということである。

つまり彼らの大半は難民ではなかった。自国でも暮らせたが、ドイツなどでタダ飯が保証されると知った中東人が大量にヨーロッパに押し寄せ、多くが地中海で溺れ死に、多くはヨーロッパに到達してタダ飯を食らった。その上で、ヨーロッパで強姦や殺人を行って社会問題となった。

• 大晦日に移民が集団でヨーロッパ人女性に性的暴行、ドイツ、スイス、フィンランドで (2016/1/8)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2269
• パリ同時多発テロの犠牲者130人はドイツが殺した (2015/11/15)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/2001

はっきり言って、ヨーロッパが中東に好かれているわけがないので当たり前の結果なのだが、この辺りから西洋人の自殺行為は始まっている。

2016年は西洋にとって政治的動乱の年だったと言えるだろう。EUの移民政策に反発したイギリス人(彼らは沈む船からいち早く逃れる能力に関しては世界一である)がEUを離脱した。

• 国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力 (2016/6/24)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594

そして同じ年に同じく移民政策に反対したドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に当選している。
• トランプ大統領: 移民が安全に家に帰れるよう努力したい (2017/3/2)
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/5720

気候変動という宗教
西洋も一枚岩ではないので、ブレクジットとトランプ大統領誕生という現象は、移民政策という移民にも西洋にも得にならない自殺行為に反対していた人もいるということである。

それでアメリカやヨーロッパの政治は酷い分裂状態にある。トランプかクリントンかで離婚した夫婦もアメリカでは少なくない。

日本で岸田氏かそうではないかで離婚する夫婦はいないだろう。西洋では何が起きているのか? 何が彼らをそこまで政治に熱狂させるのだろうか。

西洋では、「西洋の自殺行為」をめぐる抜き差しならない対立・分断が存在する、ということでしょう。〔引用者 注〕

もう1つの例は気候変動である。こちらも日本人には理解しがたいだろうが、西洋には「緑の党」など、気候変動専門の政党が存在し、結構な議席を獲得している。

もともと西洋人には「日本人は何故くじらを食べるのか」と聞いてくる馬鹿な輩もいたが、そうした潮流がクライマックスに達していると言っても良いだろう。

西洋人は自らのエネルギー源を断ち始めた。石炭発電、火力発電、原子力発電のすべてを否定し、太陽光(冬場は大体雪の下に埋まっている)や風力(無風時にはかかしである)で安定した電力供給を行うという夢を追いかけた。

「ESG投資」などが推奨され、原油などの化石燃料を採掘する業者への融資を制限して業者は原油を掘れなくなった。
結果どうなったか? ここの読者には言うまでもないと思うのだが、原油価格が高騰している。以下は原油価格のチャートである。



産油国だったアメリカでもガソリン価格の高騰に苦しんでいるが、資源国ではないヨーロッパでは電力価格が数倍に膨れ上がり、厳しい冬を暖房なしで過ごさなければならない人々が続出している。

• フランス、インフレ対策で現金給付へ
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16682

この結果が分からなかったのだろうか? 移民政策でも大概だったが、ここまで来れば西洋人の自殺行為は明らかである。

ウクライナ危機
そしてウクライナだろう。ウクライナは戦後のアメリカの戦争戦略の総決算である。

覇権国家アメリカの新たな戦略は、他国に戦争をやらせることだった。だが素人が見ても明らかにアメリカには力がなくなっている。アフガニスタンではタリバンに実質的に敗北した。

バイデン大統領が米軍を撤退させる時にアメリカの最新鋭の兵器と民間人をうっかり置いてきてタリバンにプレゼントしたことはさておき、アメリカが中東から撤退するのは良いことである。

• ガンドラック氏: あなたの税金がタリバンの兵器に
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/15043

しかしその結果は何をもたらすだろうか。勢力範囲を狭めても、アメリカの戦争体質は変わらない。

NATOはアメリカが他国に戦争をやらせるために作った勢力である。その勢力はどんどん東に向けて伸びてゆき、ゼレンスキー大統領がNATO加盟を目指したように、ロシア国境沿いのウクライナに届くところだった。

ウクライナ政府がNATOに加盟しようとしたのは、アメリカとEUによって支援された暴動によって2014年に親露政権が追い出されて以来である。その後の政権はアメリカのビクトリア・ヌーランド氏によって決められているため、ウクライナ政府の方針は実質的にアメリカの方針である。

• ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/20314

つまりゼレンスキー大統領はアメリカの目的を叶えるために自国民を生贄にしたということになる。

• 真珠湾攻撃に言及したゼレンスキー大統領が広島の原爆には言及できない理由
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21836

アメリカが覇権国のままならば、ベトナムや朝鮮半島の例と同じように、犠牲になるのはアメリカ国民ではなくウクライナ国民のはずだった。アメリカの目的は自国の被害なしにそれで果たされるはずだったのである。

だが今回はどうだろうか? アメリカに人的被害は出ていないが、産油国であるロシアに制裁を加えたために、元々酷くなっていた原油価格の高騰が更に酷くなりつつある

特に元々資源不足で危機的状況にあったヨーロッパはかなり厳しい状況だろう。しかもそれは原油や天然ガスだけではない。小麦など農作物にも飛び火している。
• ウクライナ危機でコモディティ価格高騰、小麦を一部利確してシルバー買い
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/20954

それでも大手メディアに「邪悪なロシアを罰する」勧善懲悪物語を吹き込まれた西洋の愚かな人々は、自分の生活と経済を犠牲にしてでもこの無意味なNATOの戦争に参加することを良しとしている

西洋の覇権の終焉
リーマンショックで金利がゼロになって以来、様々なことが起きた。移民危機、脱炭素政策によるエネルギー価格高騰、そしてウクライナである。

もともと資源価格の高騰を予想していた筆者だが、今の商品市場はインフレ、脱炭素、ウクライナなど別々の要因が偶然組み合わさって上げ相場になっているように一見見える。

• サマーズ氏: エネルギー価格を高騰させる脱炭素政策は健全ではない
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16442
• ポズサー氏: 制裁合戦で金本位制復活、コモディティ高騰でインフレ危機へ www.globalmacroresearch.org/jp/archives/22124

だがこれは偶然だろうか? そうではないというのが筆者の今回の趣旨である。

つまりこれは、オランダ海上帝国の時には優れた造船技術を持ち、大英帝国の時には産業革命で機械を使って大量生産を行った西洋人が、ついには自分の生産力を高めることを止め、意味不明の政治的理想のために自分と他人と経済を犠牲にし続ける長期トレンドの一環ではないか。

今の西洋の状況は、ダリオ氏の「紙幣は食べられない」の言葉に尽きる。エネルギーは生産しなければ手に入らない。移民を無理矢理連れてきて、あるいは地中海で溺死させても何の得にもならない。ウクライナ人を対ロシアの尖兵には使ったが、しかしアメリカの国力が弱った結果、戦場は中東からヨーロッパにシフトした。

ウクライナ人には申し訳ないが、最後の1つ(戦場が中東からヨーロッパにシフトしたことー引用者 注)は世界にとって良いことだろう。そして最後にはヨーロッパとアメリカ自身が戦場になる。彼らの戦争なのだから、それが正しい姿だろう。そして日本人は喜んで巻き込まれてゆくのだろう。

*これは、恐ろしい言葉です。筆者は、第3次世界大戦を予言しているのです。それ以前に、現に進行しているのではありますが、情報戦・プロパガンダ合戦が激化することでしょう。〔引用者 注〕

結論
こうしてオランダ海上帝国に始まった西洋の覇権は終わりを告げる。今われわれはその長い長期トレンドの最終局面を見ているのである。

市場にはどう作用するだろうか。まずはインフレ、そして金利上昇による株価暴落だろう。しかもインフレは1回ではなくコロナのように波になって何度も訪れるだろう。

*「コロナのように何度も世界を襲うインフレ」。これも、的中しそうな、恐ろしい言葉です。〔引用者 注〕

• 2022年の株式市場: パーティは終わっているのにまだ踊っている人がいる www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21985
• 現在のアメリカの物価高騰はインフレ第1波に過ぎない
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17958

そしてクレディスイスのゾルタン・ポズサー氏によれば、紙幣からゴールドなど現物資産への逃避が起きるだろう。

• ポズサー氏: 預金と国債の時代からゴールド保有の時代へ
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/22257

これは大英帝国やオランダ海上帝国にも起きたことである。しかしこの状況を早くから予見していたダリオ氏は、怪物だと言っても差し支えないだろう。

• 世界最大のヘッジファンド: 国家が滅びゆく順序を説明する
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/19532

***

当論考の主張が基本的に正しいのであれば、日本が「西洋の自殺」にお付き合いするのは、お人好し過ぎるし、第一愚かでしょう。一緒に滅びる義理など、米国の黒船で開国を余儀なくされ米国に原爆を落とされた日本にはまったくないのですから。

別に、反米を訴えているわけではありません。アメリカの覇権は、国益の観点から利用すべきところは利用すればいいだけのことで、国益を棄損してまでアメリカに従うことは馬鹿げていると言いたいだけです。

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茂木誠さん動画【始皇帝はユダヤ人だったのか?】

2022年04月03日 18時37分53秒 | 世界史

秦河勝

好奇心をくすぐるタイトルにつられて観はじめると、ついつい最後まで観てしまいます。

観おわると、「歴史って楽しいな」という感想がおのずと湧いてきます。特に、秦氏の出自についてのお話がとても印象に残りました。

そう。歴史はもともと楽しみながら学ぶものなのです。

そんな、歴史を学ぶ原点に触れることができる動画です。

いつもいつも、しかめつらしいものばかり書いているので、たまにはくつろいで観られるものをどうぞ。

始皇帝はユダヤ人だったのか?|茂木誠
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宮脇淳子さん動画【皇帝たちの中国・第5回・漢の武帝、人口半減という結末】

2022年04月02日 23時18分32秒 | 世界史


冒頭に「上に政策あれば、下に対策あり」という中国の格言が登場します。宮脇さんによれば、歴代の中国の皇帝は民を収奪の対象と見ていて、民を慈しむことなどまったくありませんでした。だから民の側は、皇帝の収奪にどう対処するかに知恵をしぼっていました。それは、広すぎる国土を有する国家の宿命だと女史は語っています。民主主義が育まれる余地など、その歴史からすればないということです。

これは、中国に対する悪口ではなくて、日本が大陸中国対していかに処するべきかを考える貴重な知見であると私は受けとめます。

武帝についての詳細は、当動画に譲ります。

PS 緊縮財政の財務官僚を筆頭とする日本のパワーエリートたちは、国土が狭いにもかかわらず、歴代の中国の皇帝と対国民スピリットを共有しているようです。さすがは親日政府です。


【7月3日配信】皇帝たちの中国 第5回「辺境の四方に打って出た漢の武帝」宮脇淳子 田沼隆志【チャンネルくらら】
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バイデンの対露強硬策は、プーチンに有利にはたらく

2022年04月01日 23時37分16秒 | 世界情勢


「グローバルマクロ・リサーチ・インスティチュート」に掲載された最新論考の紹介をします。

当論考で再び取り上げられたゾルタン・ポズサー氏は、かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、今はクレディ・スイス(Credit Suisse)の短期金利ストラテジストを務めています。その発言は、金融業界で大きな影響力を有するようです。

当論考の主張を要約すれば、バイデンの対露経済制裁というか対露経済戦争は、バイデンの意に反して、ドルの国際通貨の地位を脅かすことになる。そうして世界は、ネオ金本位制とでも称すべき新通貨体制にシフトする、となりましょう。

さらに、投資市場における通貨への信頼の低下は、金や原油や穀物などのコモディティへの投資の劇的増加を招き、世界レベルのインフレが促進されることになる、と。

つまり、ドル没落の状況は、コモディティを豊富に有するロシアにとって有利にはたらく、ということです。さらに、通貨の面では、ドルはもちろんユーロや円には不利にはたらき、ルーブルなどの非西側諸国の通貨に有利にはたらくことになる。当論考はそうはっきりと述べています。

プーチンが、欧州各国に対して「ロシアの天然ガスの代金は、ユーロではなくてルーブルで払え」と強気に出ているのは以上のような背景があるから、となるでしょう。

このことは、プーチンが「狂って」などいないことを雄弁に物語っています。というより、秀逸な投資アナリスト並みに頭脳が働いているのです。


***
ポズサー氏: 預金と国債の時代からゴールド保有の時代へ
WWW.GLOBALMACRORESEARCH.ORG/JP/ARCHIVES/22257
2022年4月1日 GLOBALMACRORESEARCH

クレディ・スイスの短期金利ストラテジストであるゾルタン・ポズサー氏がFinancial Repression のAuthorityのインタビューで2022年からの通貨革命について語っている。前にも言ったが、彼はクレディ・スイスに置いておくには勿体無い逸材である。

対ロシア経済制裁の意味
アメリカの旗振りで日本を含む西側諸国はロシアに対する経済制裁を行った。ロシアの富裕層のヨットなどの私物から中央銀行の外貨準備まで取り上げられるものをすべて取り上げた。

• 西側が制裁で海外資産を凍結したプーチン氏とラブロフ氏、海外口座を持っていない模様www.globalmacroresearch.org/jp/archives/20400

メディアの流す勧善懲悪物語に熱狂している馬鹿たちは「邪悪な」ロシアが退治されていることに大喜びだろうが、金融家は明らかにこの動きはロシアではなく西側にとって大きな損失となるという事実を見つめている。

何故か? まず第一に、この戦争はNATOが2014年に始めたことだからである。だが2014年にウクライナで何が起こったかさえ知らない人々には何を言っても意味がないだろう。

• ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
/www.globalmacroresearch.org/jp/archives/20314

*2014年当時の国務次官補ビクトリア・ヌーランドを筆頭とする米国ネオコン・グローバリスト勢力によって主導された親露派ヤヌコビッチ政権の強引な追い出しが今回のウクライナ戦争の発端である、と筆者は言っているのです〔引用者 注〕

しかし西側のメディアに毒されていない人々には、日本などの国々がアメリカの軍事的な都合に追従してアメリカに敵対する国に経済制裁を与えているように見える

• ジム・ロジャーズ氏: 米国のウクライナ支援はロシアが米国直下のメキシコの反米を煽るようなもの www.globalmacroresearch.org/jp/archives/20487

制裁に加わらなかった中国やインドなどはただ中立なだけである。ハンガリーの「最重要目的はこの戦争に巻き込まれないこと」という発言は一番賢明だろう。

そして現在中立の国々を脅しているのは、ロシアではなくアメリカである。アメリカは制裁で自分の戦列に加わらない国は制裁すると脅している。

脅威としてのアメリカ
だから中立の国々にとって最重要の課題は、頭のおかしいアメリカからそっと距離を置くことである。

そのためにドルや米国債から離れる必要がある。そうでなければ、アメリカの都合でいつ取り上げられるか分かったものではないからである。

ここまでが筆者の思考だが、ポズサー氏は次のように言う。

ドルだけではない。G7の国々の内部貨幣、つまり中央銀行への預金や市中銀行への預金や国債などの魅力は、一定の国々にとっては減少した。

当たり前だろう。アメリカに同調する国はアメリカと同じように中立の国々が納得できない理由で彼らに制裁を課すのだから、彼らはドルからだけではなくユーロや円からも逃げようとするだろう。

コモディティ生産国であることの強み
ではそうした国々の中央銀行(中国とインドだけでも莫大な金額を保有している)はドルなどを売って何を買うだろうか。ポズサー氏はこう説明する。

リスクを分散させるために代わりに何を買えるか? まずゴールドだろう。ロシアの場合では、中央銀行の地下にゴールドの現物を保管しておくことは助けになる。

ここまではこれまで報じているポズサー氏の相場観だが、ポズサー氏が今回注目するのは、どの国がそもそもゴールドなどのコモディティを保有しているのかである。

ポズサー氏によれば、ゴールド以外にも原油や穀物などコモディティ全般が今後通貨の代わりになると言う。これが前回までの話である。

• ポズサー氏: 制裁合戦で金本位制復活、コモディティ高騰でインフレ危機へ
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/22124

ウクライナ危機で人々はドルや円の紙幣がただの紙切れであり、誰かの都合で一方的に無効化されることに気付き始めた。

人々はここから紙幣をコモディティに転換しようとする大きな流れを生み出すだろう。

そうすれば通貨の代わりとなったコモディティの価値は高騰することになるが、その価値の高騰するコモディティはそもそも誰が持っているのか? ポズサー氏は次のように言っている。

世界的なコモディティの輸出大国の0.5兆ドルの外貨準備が凍結された。
これはすべてアメリカによって企画された「非友好的」な国の中央銀行の資産の凍結である。


そう、ロシアなのである。ロシアは原油と天然ガス、その他ニッケルなどの金属も多く輸出するコモディティ大国である。

他にもイランなどの中東の国々も含め、アメリカに同調していない国にはコモディティの輸出国が多い

想像してみてほしいのだが、日本円を持っている日本人と、原油や天然ガスを持っているロシア人、紙幣が紙切れになった時に強いのはどちらだろうか?

どう考えても日本やヨーロッパなど西側諸国には勝ち目がない。アメリカが辛うじて原油や天然ガスの輸出大国であるくらいだろうか。何より面白いのは、この状況を西洋人は自分で引き起こしたということである。

第3のブレトンウッズ
ポズサー氏によれば、この状況は第3のブレトンウッズとも言うべき通貨革命を引き起こすという。

第1のブレトンウッズは貨幣価値をドルはゴールドの価値に紐付けられていた。

これが戦後の通貨秩序だった。ドル紙幣とは元々ゴールドの預かり証のはずだった。人々はゴールドを預ける代わりにドル紙幣を手にしていた。

だが政府が預かっていたはずのゴールドを返さないと政府が宣言したのがニクソンショックである。

• レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/9645

預けていたゴールドが返ってこないことに未だドル紙幣を持っている人がどう納得しているのかは全くの謎だが、とにかくこれでブレトンウッズ体制は終わった。

ポズサー氏は以後の通貨秩序を第2のブレトンウッズと呼んでいる。

第2のブレトンウッズでは中国が輸出で得たドルをすべて米国債に投資した。

ゴールドとの兌換を破棄したドルが世界貿易に使われた時代である。

だが重要なのは、この時代がウクライナ危機におけるアメリカの振る舞いによって終わろうとしているということである。

・ジム・ロジャーズ氏: ウクライナ危機でドルは暴落する
www.globalmacroresearch.org/jp/archives/21358

ポズサー氏はドルが世界中で使われていた状況から、第1のブレトンウッズ体制へと回帰してゆくと言う。

第3のブレトンウッズは第1と第2の混合のようなものになるのではないか。

多くの国の中央銀行がそのように動いた時、コモディティ市場や為替市場はどうなるだろうか。

ポズサー氏はこれからコモディティが通貨としての地位を獲得してゆくだけでなく、コモディティ輸出国の通貨も有利になってゆくと言う。

これは単に紙幣から現物資産への逃避というだけではない。
コモディティの輸出国は支払いをルーブル建てにすることも出来るだろう。これはもう先週に起こった。中国とサウジアラビアが原油貿易の支払いを人民元にすることもできる。

使われなくなるのはドルだけではないが、他の通貨への逃避も起きる。そして逃避される通貨は東側の通貨になるだろう。西側のものではない。


そして「イラクに大量破壊兵器がある」という妄言を吐いたことで有名なアメリカの言い分に従ってNATOの対ロシア戦争に加わった日本が「東側」に含まれないことは言うまでもないだろう。

結論
血を流しているのはアメリカ人ではなくウクライナ人だと言うのに、どう見ても最初から戦争を煽り続けているようにしか見えないバイデン大統領はさておき、アメリカのために自国を害し続けている日本については、いつものことと言うほかないだろうか。

だが投資家としては日本政府の失敗を尻目にコモディティを買うべきだろう。株の空売りを付け足すと尚良い。40年に1度の金融市場の大転換が起きようとしている。
(後 略)

***

日本は、薄っぺらな勧善懲悪的な世界観から冷静に距離を取って、世界の趨勢を見通す賢明さを獲得しなければなりません。それが、ゆるぎない安全保障体制の確立のための必須の前提です。
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