行雲流水の如くに

日米貿易協定の問題点を明らかにすべきだ

9月下旬に日米貿易協定を署名予定だという。

しかしその内容について詳しい報道は何もない。隠し事の得意な安倍政権ならやりそうなことである。

そんななか今日の北海道新聞がその問題点をあぶりだしていた。地方紙ながらなかなか健闘している。

 

どこに問題があるか?

それは関税撤廃率だ。特定の国と結ぶ貿易協定の国際的な関税撤廃率は9割。しかし今回米国の撤廃率は7割台にとどまりそうだ。

(日本はもちろん9割台になる)

なぜこうなるかというと対米輸出額で29%を占める日本車の関税(2.5%)は、継続協議になったためだ。

しかし米国離脱前のTPP交渉では米国に100%の撤廃を認めさせていた。

このままの状態で協定を結べばWTO違反になる可能性もある。

とても胸を張って「交渉が妥結した」などとは言えまい。

 

こんな交渉内容ならば国会で十分議論したうえで協定を締結すべきなのだが、それも吹っ飛ばして締結するようだ。

中部大の細川特任教授は次のように述べている。

「米国に対してだけ基準を変える国だと各国から批判を受けかねない。今後は途上国相手に高い関税撤廃率を求めることは難しくなるだろう」

 

この締結で一件落着かと思えばそうでない。

一つには我が国の自動車輸出について25%の関税をかけるかどうかは、未だにトランプの胸先三寸だ。

二つ目は今後何か気に入らないことが起こればすぐ協定破りを行う。

現にメキシコに対して難民流入が収まらないとして、メキシコからの全輸入に5%の追加関税をかけ、対応が不十分なら最大25%まで上げるという。

 

どう考えても各国と行っているトランプ大統領の貿易交渉は、成功するとは思えない。

少しばかり喧嘩に強いから相手に無理難題を押し付ける。このやり方に日本は唯々諾々と従うばかりだ。

中国のようにガチンコ相撲を取れとは言わないが、もう少し「意地」を出してもよいだろう。

「意気地なし外交ここに極まれり」、もう少し奮起を期待したいものだ。


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