かって小泉純一郎は、「自民党をぶっ壊す」と息巻いて、郵政解散を仕掛け大成功を収めた。
確かに自民党の良さが段々失われていった。新自由主義路線に舵を切ったのである。
私はこの辺りから「自民党」の変化に疑問を持ち始めた。
それまでの自民党は、表向き憲法改正などを唱える保守政党を自認しながら、しかし実際の政策は社会民主主義的福祉政策に軸足を置いていた。
だから国民皆保険制度や欠陥はあるが年金制度に力を入れていたのである。
安倍・菅政権というのは、表面的にはきれいごとを言っているが、根幹は「新自由主義」である。
しかしその本音をストレートには見せない。
なんといっても、安倍晋三は嘘をつくことにかけては天才的なところがあった。
有権者のほうもその嘘を見破りながらも目先の安定を重視してきた。
子供でも見抜ける嘘を吐(つ)き通しこれが一国率いたひとか
菊池市神谷紀美子さん(朝日新聞歌壇より)
菅義偉は、嘘つきではなさそうだ。
しかし科学的・合理的な判断を無視した「頑迷固陋」な部分が、彼の大きな欠点である。
「総理ご乱心。頑なすぎて手に負えない。誰も信じられなくなっているから、これまで以上に周りは何も言えない」
政府高官(雑誌選択より)
そして政権末期感が漂ってくるのは、自民党上層部の「乱脈」である。
それはカネの面はもとより「倫理観」の欠如が何とも救いがたい。
節義廉恥を失いて、国を維持するの道決して有らず。
西郷南洲翁は、つねに上に立つ者に厳しい自立、モラルを求める。
自民党は再び野に下って一から出直すべきであろう。