防衛省は、射程1600キロのトマホークミサイルを25年度に前倒し購入するという。
当初は26年度に最新鋭のものを400発アメリカから購入予定であった。
ところが日本側が急がせたせいなのか、現行アメリカ軍が使用している旧式のものだ。
このミサイルを保有する目的は、相手のミサイル発射基地などを攻撃できるためとしている。
しかし果たしてそんな能力があるのか(総合的に考えて)、疑問視されているのだ。
この計画のいい加減さを元自衛隊海将の香田洋二氏が鋭く指摘している。
一口に敵基地攻撃能力と言っても、ミサイルだけを持っていればいいというわけではない。目標がどこにいるのか探し出す能力がなければ意味がないのは言うまでもない。その上で指揮統制能力も必要だ。米軍と攻撃する目標の選定を調整するネットワークをどうするのかという問題もある。
12式(日本が開発したミサイルで能力アップに予算をつける)はもともと地対艦ミサイルだが、地対地ミサイルとしても活用するという。
今の自衛隊には対地攻撃の目標を識別する能力はない。
米ランド研究所のジエフリー・ホーナン上級研究員は、
25年にトマホークを取得しても、日本がすぐに運用できることを意味するわけではない。日本は当面、ターゲティングや偵察で米国に大きく依存しなければならず、訓練も必要になる。
香田洋二氏とほぼ同じことを指摘している。
岸田首相はバイデン大統領に肩を抱かれて、日本の防衛費倍増を吹き込まれた。
3回ほどの説得で彼は素直に飲んだとバイデンが口を滑らせた。
アメリカのバイデンと日本の麻生太郎や森喜朗の言うことは「良く聴く耳」を持っている。
良く聴いた結果が無駄な軍事費を使うことか。
不要とまではいわないが不急なものをなぜ慌てて買おうとするのか?
ホワイトハウスの声は聴いても、物価高騰(特に食料品)を何とかしてくれという国民の声は、聞こえないようだ。