歴史修正主義とは、
歴史的事実の全面的否定や意図的な矮小化あるいは特定の側面のみの誇張をする。
さらには政治的な意図を持った歴史の書き換えなどを行うやり方。
歴史というのは、勝者による、勝者のための物語、という側面を持っている。
それだけに敗者は事実の確認を丁寧に行わなければならない。
日本の場合、1945年太平洋戦争に負けてアメリカ軍の占領というところからスタートした。
いわゆる「無条件降伏」である。
そして日本が独立を回復したのは、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約が発効した1952年4月28日だ。
占領政策下で、吉田茂という首相を得たことは、日本にとって幸運であったと考えと良いだろう。
その懐刀であった白洲次郎の言がなんとも素晴らしい。
(今の腑抜けた政治家に彼の爪の垢を煎じて飲ませたいほどだ)
吾々の時代にこの馬鹿な戦争をして、元も子もなくした責任をもっと痛烈に感じようではないか。
日本の経済は根本的の建て直しを要求しているのだと思う。おそらく吾々の余生の間には、大した好い日も見ずに終わるだろう。
それ程事態は深刻で、前途は荊の道である。然し吾々が招いたこの失敗を、何分の一下でも取り返して吾々の子孫に引き継ぐべき責任と義務を私は感じる。
白洲次郎はもともとは実業人だ。英国滞在中に駐英大使の吉田茂と親しくなった。
1945年吉田茂外相の下でGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)との交渉に当たった。
GHQをして「唯一従順ならざる日本人」と言わしめた。
彼の言による「この馬鹿な戦争」を、第二次安倍政権以降、意図的に賛美するような動きは極めて危険だ。
歴史の事実から目をそむけて歪曲することは再び「軍事国家」への道を歩むことになる。