千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴を以て潰ゆ 韓非子
(千丈の高さの堤もおけらや蟻の作った小さな穴から壊れる)
このところの自衛隊の不祥事が目に余る。
「特定秘密の杜撰な取り扱い」、「部下へのハラスメント」、「潜水手当の不正受給」、「靖国神社への集団参拝」、などだ。
今回は、「靖国神社への集団参拝」を取り上げたい。
政教分離の観点から、陸海空の自衛隊による靖国神社への「部隊参拝」を禁止している。
ところが公用車を用いて参拝したり、海自隊員165人の集団参拝などしていた。
個人的な参拝であると強弁しているが、明らかに世論や政府をなめているとしか思えない。
木原防衛大臣自身が私人の立場でと言い募って「靖国参拝」を行っている。
これでは締まらないことおびただしい。
「綱紀粛正」など絵に描いた餅だ。
このようなことを見過ごしていると、戦前のように軍部の暴走が起きないとも限らない。
まさに「蟻の一穴」なのだ。
今回の不祥事は内部告発で露見したという。
しかしなぜ海自ばかりに集中するのか?
おりしも「統合作戦司令部」の司令官人事を巡り、陸と海の激烈な蹴り合いが行われている。
そこで海自不祥事は「陸」が刺したのか?という噂が流れているが、いい加減にしてほしいものだ。
今まで防衛大臣の任命はかなりいいかげんなものだった。
今の木原大臣も「シビリアンコントロール」の意味を分かっていないようだ。
文民統制のことで、軍隊を政治家が統制する。
実力組織である自衛隊から舐められるようではこの国の防衛は危うい。
防衛に関する知識や見識があり、「自衛力保持は平和のためにある」という信念のある人物が望ましいのだ。