財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの遺書の公表により「森友」問題が再燃した。
公表を受けての安倍総理と麻生副総理の対応は極めて冷たいものであった。
参議院での野党からの質問に対して、時には薄笑いを浮かべての安倍首相の答弁は「品性の下劣さ」を表している。
やはり赤木さんの妻は悔しかったのであろう、次のようなコメントを発表した。
「残念で、悲しく、怒りで震えている。夫の意思が完全にないがしろにされていることが許せません」
「この2人は調査される側で再調査しないと発言する立場ではないと思います」
2018年起訴を見送った当時の法務省事務次官があの定年延長問題で話題の黒川東京高検検事長だった。
そして当時の大阪地検の特捜部長が山本真千子だ。(現在は大阪地検のNO2次席検事に栄転している)
おそらくこの二人の合作で起訴を見送った。当然それは安倍晋三と菅義偉と暗黙の了解事項であったのだろう。
現在の稲田伸夫検事総長は、黒川問題を苦々しく眺めているはずだ。
就任時に次のように述べている。
「検察の使命は、厳正公平・不偏不党を旨としながら、迅速適正に、犯罪の真相を解明し、罰すべきものがあれば、これに対して公訴を提起し、適正な刑罰が科されるようにするにあります。このことによって社会秩序を維持し、安全・安心な社会の実現に貢献できるものと考えております」
この信念に基づいて河井克之・案里夫婦の選挙違反問題に取り組んでいるのだろう。
前法務大臣であり安倍晋三と菅義偉が後ろ盾になっている両人逮捕に向かうのはかなり勇気がいる力仕事だ。
法務大臣もかっては大物議員が起用された。
大物の最後は第二次安倍政権スタート時の谷垣禎一氏だ。
後は小物ばかりで、現在の森まさこはもうどうにもしようがない。完全に終わっている。
ことほど左様に安倍晋三は「法の支配」の大事さを軽視している。
コロナを早く収束させることも大事だが、一方で三権分立が脅かされている事態について目を離してはいけないだろう。
検察の人々に対して、
「どれほど困難な障害が立ちふさがっていようとも、ひるまず、たじろがず、あきらめず、国民のために、社会のために闇の不正と戦ってほしい」