「国民の命と財産と領土、領海、領空、そして誇りを守っていく、これが政治の最大の責任だ」
5月15日松山市で安倍元首相が街頭演説した。
国会で嘘を100回以上ついて誇りなどを持っているのか、とついヤジを入れたくなるところだ。
オオカミ少年のようにさんざん危機感を煽って防衛費の予算を倍増させたいというのが安倍元首相の主張で、おおむね自民党はこの流れに乗っている。
維新も同じ主張だ。
しかし一寸待ってほしい。
この数年コロナ過で国民生活はズタズタだ。
さらに追い打ちをかけているのがロシアによるウクライナ侵攻で石油価格の高騰と円安による物価高。
昨年比2%の消費者物価の上昇だが生活実感としては10~20%くらいの上昇だろう。
本当にやって来るかどうかわからないオオカミより、目の前の国民生活の窮乏を守るのが政治の最大の責任なのではないか。
¸時限を区切って「消費税の減税」を行うのが一番効果があるだろう。
「新しい資本主義」というから何か目新しいものがあるのかと岸田政権に期待したが、15日の衆議院予算委員会での答弁を聞く限りにおいて具体策は何もなし。
「前向きに対応したい」、「さまざましっかりやってます」
こういうのを、暖簾に腕押し、もしくは糠(ぬか)に釘というのだろう。
暖簾にもたれる、ようにはなって欲しくない。
質問に立った温厚な立憲民主党の泉健太代表もさすがに苛立ちを隠せなかった。
怒りとか義憤というのは選挙のような短期決戦では必要だ。
自民党の独り勝ちではこの国の民主主義もロシアや中国のようにならないかと心配だ。
善戦を期待したい。