今年はどんな年だったか、一字で表すと「金」だという。
オリンピックの金メダルからそう考えた人もいるだろう。
しかしこの国は、人の心までも金(カネ)で買えると考えているとしたら、何とも矜持の無い国になってしまったものだ。
森友文書改ざん訴訟で、国は賠償責任を認めて約1億円の請求を受け入れる書面を大阪地裁に提出した。
自殺した赤木俊夫さんの妻雅子さんは、この突然の終幕に怒りをあらわにした。
雅子さんが本当に求めていたのは、「なぜ夫の俊夫さんが自殺に追いやられたのか?それを裁判で明らかにしたい」
ところが政府は、臭い物に蓋をしたうえで札束でほっぺたを張る仕打ち。
臭い物とは「安倍・菅政権の不始末」で、ほっぺたで張る仕打ちは「岸田政権のハトならぬサギ派体質」
雅子さんは「ひきょうなやり方で裁判を終わらされた。夫はなんて言うんだろう」と口にすると、うつむいたという。
国のトップに立つ人間が守るべきは、節操や道義であり恥を知る心だ。
であるならば、真相解明に真摯に尽くすことが岸田政権に課せられた使命だった。
結局、この解決方法では安倍・菅政権と同じ轍を踏んだことになる。