新型コロナウイールスそのものはエボラやSARSのように凶悪な病原体ではない。
しかし感染率が高く、高齢者や持病のある人間は重症化するという特徴を持っている。
これが案外厄介なのだ。
全世界で起きている現象は、都市閉鎖や渡航の禁止、市場の暴落などが見られ、社会の崩壊が始まりつつあるような状況だ。
感染しても軽症で済む人の割合が高いために(80%)、感染者があっという間に街中に広まるのだ。
特定の都市だけを閉鎖しても収まるとも思えない。
中国が武漢市閉鎖によって抑え込んだと言われているが、情報公開に疑義があるので何とも言えない。
そうすると「新型コロナウイールス」に対する見方を180度転換する必要がある。
北海道でコロナ対策の最前線に立った札幌市保健所の古澤医師は次のように述べている。
「極論を言えば新型コロナの対症療法で、解熱剤や鼻水・咳止め、痰を切る薬などは、絶対に必要なものではないだろうと考えています。軽症であれば風邪のように免疫力で治癒する病気だというのが実感です。
勿論患者さんが辛いことは重々承知しています。病院にかかりそこで処方される薬が効きが良いのも間違いないでしょう。今後、自宅療養の患者には医療機関から薬を宅配するような体制を構築できればベストなのかもしれません」
さらにもう一人、札幌医科大学付属病院長土橋和文教授は次のように述べている。
「普通の風邪にも根治療法はありません。風邪では薬で辛い症状を緩和することで体の抵抗力を落とさないようにしています。いわゆる対症療法で原因であるウイルスを撃退するものではありません。
2月から3月を蔓延期と捉えると、これからピークに向かい4月下旬か5月の連休前後、遅くとも6月ころにはピークダウンすると思います」
このような考え方は最前線にいる医師の立場からの発言なので十分傾聴に値する。
日本がイタリアのように急激に感染していない理由は次のような点が考えられる。
①公衆衛生上の習慣やスキンシップを好む民族かどうかの違い。
②イタリアでは公的医療が原則無料で気軽に公的医療機関を利用する。
③イタリアは3世代同居が当たり前で、高齢者のリスクが高い。日本はすでにこのような家族は少ない。
政治家が不必要に危機感を煽るのは良くない。
どのような知見に基づいて発言しているのか定かではないからだ。
本来政治家が対応すべきは、最悪の事態に備えて「ヒト・モノ・カネ」を投入するプランを練っておくことだ。
街中に出ていかないようにするのは高齢者が中心であるべきだ。私はそうしている。
若い人たちはいたずらに委縮すべきではあるまい。
もっとも人に移さないようにマスク姿で出かけるのは最低限のエチケットではあるが。