コロナの蔓延、ウクライナへのロシア侵攻、安倍元首相凶弾に倒れる、旧統一教会と自民党の癒着、そして物価の高騰など落ち着かない世情である。
それに対応する岸田政権は、余計なところで力むからますます糸がこんがらがる。
国民もそうだが、岸田首相本人が一番イライラしているのだろう。
イライラしている時と言うのはだいたい重心が上に来る。
本来は臍下丹田(せいかたんでん)と言ってへその下あたりなんだが。
古人は武道の修行に当たって、腕力を練るよりも、先ず心を練ることを教えた。
ではどんな方法で心を練るか?
柔道で「受身3年」と言う言葉がある。3年間みっちり受身を取ればおのずと柔の理を体得できると教えた。
しかし最近はとにかく早い効果を望むから受身も取れないうちに技を覚えようとする。
岸田文雄は本来「受けのタイプ」だ。なまじ「動のタイプ」を演じようとしてドツボに嵌ったようだ。
自民党と旧統一教会の癒着はお互いに動機不純なところがある。
自民党は反社会的な集団に対して見境なく票を求め、旧統一教会はその反社会性を薄めるために自民党を広告塔として利用した。
「山中の賊は破りやすく、心中の賊は破り難し」(王陽明)という言葉があるが、
この癒着のありさまを見ていると賊同士が手を結んで国民の心を奪い取ろうとしたように見える。
世論調査を見る限りにおいて国民は少し冷めた目でこの国の指導者たちをながめている。
自民党がここまで劣化していたとは。
旧統一教会などというある意味で邪教に近いものにここまでのめり込むということは、精神の劣化以外の何物でもない。
無心にして自然の妙に入り 無為にして変化の神を窮む
勝海舟から嘉納師範に贈られた扁額