日本では「謙譲は最大の美徳」と言って評価されることが多い。
もう少し具体的に言うと、自分の能力や功績を人前で誇ったりせず、相手を立てることを第一とすること。
利害関係の無い日常生活ではこれでもよいだろう。
しかしビジネスの世界でこの言葉を真面目に守っていると人に後れを取る。
人は自信満々の人間とビジネスをしたがるものである。
ある銀行の支店長が次のようなことを語ったことがある。
「融資の相談に来た経営者が帰るときにその背中を見る。胸を張って帰る人は大丈夫だ」
肩を落として帰る人は要注意ということだ。
ここから類推できるのは、歩き方を変えるだけで人生は前向きに生きられるのではないかということだ。
背筋を伸ばして胸を張って歩くように心がけることが大事だ。
肩を落としてため息をつくようでは幸運も逃げて行く。
巨人軍が9連勝した時に活躍した選手の双璧は長嶋茂雄と王貞治だ。
長嶋は天才肌で王は努力家と言われている。
しかし長嶋茂雄の言葉を聞くと従来のイメージと違う人間像が浮かび上がる。
◎挫折してもプライドは失わない、それは努力しているからだ。
◎終わったことは忘れろ、明日がある。感動も落胆も、その日限り。
この言葉を聞くと、長嶋の自信満々の姿の陰に、違う人物像を発見する。
やはり彼は「努力の人」だったのだ。