自民党は農村票を、そしてJAはカネをもらえれば、日本農業がどうなろうと関係ないようだ。
「農村社会をどう維持・発展させるのか」という課題を直視しない。
最大の問題は、
「農業の生産性は、日本全体の労働生産性の3分の1強に過ぎない」ことだ。
農業の生産性は1990年から低迷している。
なぜかと言うと、
「生産調整」いわゆる「減反」で米の作付けを制限したことにより、農家の増収しようという意欲を後退させたからだ。
作りすぎて価格が下がるのを防ごうとするわけだが、何かおかしい。
農家を票田としてみた場合、規模の小さな農家が数多くあって政府に補助金をせびりに来るほうが都合が良い。
何ともせこい発想だが、これが自民党の農業政策の根底にある。
そして似たような発想をしているのがJAもそうだ。
農家が自立してJAを頼らなくなったら自分たちが沈没する。
だが、農業を稼げない産業と決めつけるのは早計だ。
労働生産性が全産業の平均を上回る地域がある。
筆頭は北海道で、それにつぐのが鹿児島、宮崎という九州の畜産県、そして群馬、茨城、千葉の関東が続く。
北海道の場合、大規模で効率的な農業を実現している。
群馬、茨城、千葉の場合、首都圏に近いということもあるが園芸作物や畜産に力を入れてきた点が大きい。
これは民間の農業が自立しているからだ。
やみくもに予算を投じるよりも、自立した農業経営者を育てる方が長い目で農業の発展に資するだろう。