行雲流水の如くに

「痴呆老人」が見ているもの

東京大学名誉教授の大井玄氏によると、

痴呆病棟のあるナースが、ボーツとしている老人たちに「今何を考えているのか」尋ねて回った話をしてくれました。

するとほとんどの人が「人生で一番輝いていた時分のことを思い出していた」といいます

 

一方でこんな見方も、

老人施設やグループホームでの観察は、「認知能力が衰えた老人は敵と味方を峻別する」という経験則を導き出しました。

最近はほとんどの国のリーダーが、国内外を問わず「分断」を煽っている。

ある意味で痴ほう症の老人と同じ反応だ。

世界は「痴呆症化」するとでも言いたいが、それではあまり夢の無い世界だ。

 

先日のみぞれで痛めつけられた薔薇の花をカットして室内に取り込んで花瓶に生けた。

薔薇(アンドレ・ル・ノートル)

イタリアモンツァ国際コンクール芳香賞をとっただけに良い香りがする。

(私は香りには疎いので何と表現してよいかわからないが)

 

わたしたちの予備的調査から推察されたのは、知力の低下した老人がおかれた環境で一番大きなストレスを生む要因が、「人間関係」のわるさであるということでした。

 

日々体力と知力の低下を実感する身としてはこれはきわめて大切な指摘だ。

日頃から暖かく寛容な人間関係を作ることを心掛けるべきなのだろう。

 

シクラメン

今の時期は室内園芸に切り替えるようにしている。

 

ボケないためには1日6人の人と会話しなさい、ということを本で読んだ覚えがある。

毎日犬の散歩をしているので、何人かの人と会って会話するが、6人は結構ハードルが高い。

ましてやコロナ過だから外出もままならぬ。

もっともマニュアル化した「言語的コミュニケーション」よりも、にっこり微笑んでもらう「情動的コミュニケーション」のほうが好ましい。

 

薔薇(セレッソ)


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