国会の予算委員会で、菅総理の答弁を聴いていると、とても情けない気分になる。
世界を代表するG7の一角を占める日本の総理大臣がこの程度とは。
①ほとんどが官僚作成のペーパーか首相補佐官が差し出すメモの棒読み。
従って自らの国家観や理想を語るべき言葉がない。
②相手が質問し、自らが応えて議論を深めようという意識も能力もない。
国会が不毛な議論に終始して「日本はどうあるべきか?」の方向性が決められない。
徒手空拳で秋田の田舎から出てきて、横浜という都会で議員になり総理にまで上り詰めたのだから、それなりに評価したいところだ。
しかしその過程で得たものは、競争に勝つことを重視したために、弱者へのまなざしを無くしてしまった。
「木綿のハンカチーフ」は、今や「薄汚れた雑巾」に変わってしまったのだ。
今のような鋭い眼光は、剛腕?で強権的な独裁者の眼である。
思想家の内田樹に言わせると、
今の日本人はとことん自信を失っているので、自分たちに「いい顔」をする政党がむしろ信じられないんです。
それよりは国民に対して威張り散らし、上から目線で「自粛しろ、マスク2枚で我慢しろ、自助で何とかしろ、政府や自治体をと頼るな」と突き放す政党のほうが好ましく思えるんです。
この指摘は当たっているかもしれない。
若い年代ほど自民党を支持しているということは、彼らの自信喪失の表れであろう。
安倍や麻生の態度のでかさ、菅の問答無用の答弁、などを強さの表れと錯覚しているのだ。
私のような年代は戦後の食えない時代を体験しているし、さまざまな人間模様を経験して来ているから人物評価にあまり狂いはない。
安倍・菅政権は戦後の自民党政権の中でも最悪の部類。
菅政権が短期で終わることが日本にとって望ましい選択であろう。