かって小泉純一郎は「自民党をぶっ壊す」と言って国民の喝さいを受けた。
既得権益の打破を謳って郵政選挙に大勝し、日本的な文化であった「郵便局」を結果的に破壊したのだ。
ここからが新自由主義政策の始まりで、「官から民へ」を合言葉に日本的な良さを「古い」という一言で潰していった。
菅義偉の特徴は安倍晋三風のイデオローギー色は薄いが露骨に新自由主義色が濃いことだ。
何よりも自らのブレーンに竹中平蔵、高橋洋一、デービッド・アトキンソンなど欧米流の「ハゲタカ思想」の持ち主ばかりだ。
これは菅義偉に確たる経済思想がないので倫理観無き巧言令色家に惑わされる。
そしてあからさまに国民の「自助」を強調した総理大臣は始めてだ。
だから「国民の命」よりも「オリンピックの経済効果」を優先する。
その政治手法は専ら「恫喝」と「懐柔」、人事権を振り回すから始末に悪い。
官僚の人事権を握り、警察組織を操る。
菅義偉の懐刀は杉田和博内閣官房副長官、江戸時代であれば将軍の「御庭番」と言ったところだ。
「日本学術会議」問題で辣腕?というより悪腕を振るった。
大臣の中にもその手法を見習うものが出てくる。
武田良太総務大臣、平井卓也デジタル担当大臣など目を蔽うばかり。
宗教をバックボーンとする公明党は世俗に汚れ、維新は裏自民党菅派に堕した。
公明党の次期代表に模されていた遠山議員は、銀座豪遊を咎められ政界を引退した。
要するにこの政党自体が、自民党という世俗の毒に侵されてきているということだ。
維新は菅内閣不信任案に反対した。もはや野党という「称号」は外すべきだ。
実質的には菅派の息がかかっている。今後この政党にあまり多くの期待は出来ないだろう。
菅政権の本質は、孫子の言うところの「兵は詭道なり」そのもの。
闘いとは所詮騙し合いに過ぎない。