祝!昭和百年!200万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

宮崎駿と沙漠の魔王完全復刻版

2012-08-10 02:39:45 | 2001年夏「少年画報大全」(少年画報社)監修者への道
【沙漠の魔王】と、私の最初の出会い。

それは、早稲田鶴巻町にある現代マンガ図書館の壁に飾られていたのを見た時が最初でした。

少年時代、私が初めて現代マンガ図書館を訪ねたのは、オープンの新聞記事を見つけた小学生の頃、横浜から急いで駆け付けたのですから、遥か昔、三十年以上前の出来事です。


私は、11歳の少年の日の秋に、絵物語の名作【沙漠の魔王】に出会ったことになるのです。
その頃の現代マンガ図書館では、年に四回の漫画即売展がありました。
福島鉄次先生の【沙漠の魔王】や、永松健夫先生の【黄金バット】、山川惣治先生の【少年王者】に小松崎 茂先生の【大平原児】、岡 友彦先生の【白虎仮面】など絵物語と言うひとつのジャンルを代表する作品群は、当時からとても稀少価値の高い高価な本であり、漫画コレクターを志し始めた少年の私にとっては、オリジナルの本を自分の蔵書にすることなど、夢のまた夢。


けれども、先ずは絵物語ブームの火付け役である【黄金バット】を、少年画報社と桃源社の二つの復刻版を入手し、やがて【黄金バット】を看板に創刊された『冒険活劇文庫』の創刊號を、私自身が監修した【少年画報大全】にて、2001年夏に復刻します。
漫画史研究家として【黄金バット】について遺族のインタビューを交えて特集した研究成果を発表したところ、朝日新聞、読売新聞夕刊、毎日新聞、日本経済新聞の記事として【少年画報大全】が大きく取り上げられ、評判を呼ぶのですから、人の運命とは不思議なものです。

絵物語界を代表する作品【少年王者】については、集英社と筑摩書房・少年漫画劇場の復刻版、角川書店の文庫、そしてオリジナル本と、その多くを手に入れます。
弥生美術館での展示会において、山川惣治先生の遺族の皆さんに、御挨拶する機会がありました。
続く絵物語界の両横綱クラスとも言うべき【大平原児】は、筑摩書房・少年漫画劇場と桃源社、アース出版局の復刻版を入手した後に、念願のオリジナル本も入手。
【少年画報大全】において、小松崎 茂先生のインタビューを収録させていただいております。
【白虎仮面】は、桃源社の復刻版を入手した後、オリジナル本一冊と、別冊付録を複数入手。
岡 友彦先生の遺族とは、逓信総合博物館の展示会をキッカケに、現在でも交流が続いております。
同人出版という形をとって、これまで【大都会X】【痛快太郎】そして、つい先日には【飛竜夜叉】上巻の三冊を復刻することが出来ました。
【砂漠の魔王】は、現在の古書相場価格として、全九冊美本なら百数十万~二百万前後はする代表的なお宝本のひとつ。
私は、筑摩書房・少年漫画劇場と、『毎日グラフ』で復刻された第二回目の16ページのみを入手し、繰り返し読んでは、溜め息をついたものです。
かつて秋田書店の出版パーティーで、関係者のみに配られたという復刻版は、現在の古書相場価格五万円前後で流通しているため、普通の経済観念を併せ持つ私では、直ぐに手が出せないまま、今日まで月日が流れてしまったのです。(涙)
漫画バカ一代、誓った日から、コレクターとして、いつの日にか【沙漠の魔王】を連載最初から最後まで、その全てを通読してみたい。
そう夜空の星に願いました。

今日の画像は、待ちに待った2012年8月10日(金)の今日、秋田書店 創立65周年記念特別企画として発売される

【沙漠の魔王】

完全復刻版 福島鉄次・著
「戦後の混乱期に少年少女に夢を与えた、昭和史に残る名作の完全復刻版!」

からのものです!(発売日になったので、画像を解禁しても良いでしょう。)
人の出会いは一期一会と言いますが、古書の漫画コレクターの世界では、戦後直ぐの少年少女雑誌や稀購本とは、一期一会のめぐり会わせのような気がします。(涙)
34年という時の流れは、人々が置かれている環境や境遇を変えて行きます。
私は、大正時代の【正ちゃんの冒険】から始まる少年少女漫画の代表的な作品群を集める数少ない少年少女漫画コレクターであり、少年少女漫画史研究家の一人として、今回の秋田書店の復刻・発売を心から感謝し、喜びたいと考えています。
スタジオジブリの宮崎 駿監督の作品世界に大きく影響を与えた伝説の作品。
宮崎駿監督の発言や、今回のスタジオジブリ美術館で展示、オリジナル美本の発掘などがなければ、今回の復刻は、なかったことでしょう。
何故なら、【少年画報大全】発売後直ぐに、私は秋田書店さんとの打ち合わせにおいて、【砂漠の魔王】の完全復刻と、【少年画報大全】に続くムック本としての【冒険王大百科】(仮題)の監修を、企画提案していたのです。
10年前の印刷技術、原本の状態からすると、今回のような素晴らしい出来栄えの本を、今回のような低価格で発売することは、不可能だったと思います。
今回の出来栄えは、付録となる【沙漠の魔王読本】以外は、大満足です。
【沙漠の魔王読本】の出来については、日本の漫画史を語る研究家の人材不足が露見してしまったように私は感じます。
その根深い問題点や、これからの日本の漫画史研究のための改善策など、【沙漠の魔王読本】補遺編と題して、提案していきたいと考えていますので、皆さん、お楽しみに。(笑)


大正・昭和時代の少年少女漫画歴史研究家・昭和時代のアニメーション史研究家・社会学士

本間正幸


追伸

ちなみに今回の復刻版だけの出来栄え、私は、漫画史研究家として三万五千円の価値は十分にあると考えています。
なので、保存用も含めてニセット購入してしまいました。
買わずに後悔するのか?

買って後悔するのか?

今回の商品、私的には、買って大喜びしております。(笑)

中身の詳細、感想については、後日改めまして。

それでは、又。
コメント
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