3月17日(木)より、河北新報夕刊で連載が始まりました。
タイトルは、『杜の都は不思議のまち』と申します。
今から400年前、仙台藩初代藩主・伊達政宗公は、仙台のまちを築くにあたり、在る仕掛けを施しました。
時は流れ、ある日、仕掛けに関わる千体仏が消えます。
ヘタレながら特別な目を持つ小学5年生の町森樹は、郷土史家の叔父・町森紡に導かれ、千体仏の行方を探すことに……。
というストーリーです。
仙台は、政宗公が「民安国泰」の想いを込めて築いたまちです。このことを軸に、「仙台のまちは、政宗公が施した仕掛けにより、今なお厄災から守られている」という物語に仕立てました。
その掲載初日(17日)を心待ちにしていた、前日、深夜。宮城・福島で最大震度6強という地震が起こりました(おかげさまで……と書きたいところですが、実は自宅も仕事場もかなりの惨状となりました)。
さらに、掲載開始当日、仙台城の石垣が崩れ、仙台の街のシンボルとも言える伊達政宗公の騎馬像が破断したことが大きく報じられました。
この報道により、多くの仙台市民が今なお政宗公を精神的支柱としていたことがわかりました。
わずか13回連載の小さな物語ですが、読んでくださった方が改めて政宗公と仙台のまちを見直すきっかけになればと思っています。
そしてさらに、震災で被災し、今また余震で被災した仙台の、何かしらの力になれたらいいなぁと思っています。
河北新報夕刊で毎週木曜日に掲載される『杜の都は不思議のまち』(佐々木ひとみ 文/本郷けい子 絵)、読んでいただければ幸甚に存じます(佐々木ひとみ)。