こんにちは。みちのく童話会スタッフのみどりネコです。
このたび『東北こわい物語』に、秋田県の田沢湖に伝わる「辰子姫伝説」をモチーフにした「黒い石」という物語を書かせていただきました。
秋田にお住まいの方でしたら「辰子姫伝説」を一度は耳にしたことがあると思います。
その昔、辰子という美しい娘が観音様に永遠の美を願い、龍にされてしまいます。そのとき山が崩れ谷が裂け大きな湖ができました。辰子は最愛の母と別れ、深い湖の底に沈んでいきました。
「黒い石」を書く前に田沢湖を訪れてみると、辰子姫伝説は本当なのではないかと思えるほど田沢湖は美しく神秘的でした。
辰子姫のことを物語に書かせていただくのですから、ご挨拶をしなければなりません。
わたしは辰子姫に手を合わせ「貴方様の物語を書かせていただくことになりました。こわい話なんだども、なんとがごめんしてけれな(こわい話なのですが、どうかお許しください)」と心の中で辰子に語りかけました。(後半はなぜか秋田弁)
きっと辰子姫は許してくださったのでしょう。それから二年後、「東北こわい物語」は無事に刊行されました。暖かくなったらまた田沢湖に行ってみたいと思います。
皆様もぜひ一度足を運んでみてください。
物語は後半にかけて怖さが加速していきます。美しい田沢湖の写真(p.191 撮影:みどりネコ)と合わせてお楽しみください!
(みどりネコ)