カズオイシグロ

2011年06月09日 | 日記
カズオイシグロの「夜想曲」について。
私はノクターンという言葉の響きが好き。昔母がショパンのノクターンを弾いていて、その美しい調べと言葉の響きがリンクしているからかもしれないし、夕暮れ時のほの暗い情景に切なくなるからかもしれないけど…
どの短編にも壊れかけた夫婦と自尊心いっばいの音楽家が登場し、話はみな中途半端に余韻を残して終わる。その後、彼らはどうしてる?音楽に夢破れたか、夫婦は別れたのか、それにしてもあまりHappyな人生ではなさそうに思われる。
でも人生、生きて行くなかで花火のように一瞬でもいいから良い時があれば、なにがしか幸せなのかもしれない…〓