「マルセル・デュシャンと日本美術」東京国立博物館

2018年12月06日 | 美術

久しぶりの東博。それもデュシャンなんて!終わる前にと、時間作っていきました。

以前キュビズムの美術展のなかで、《階段を降りる裸体No.2》が展示されたことはあったが、こんなにまとまって作品が公開されるなんて❗フィラデルフィア美術館との交流企画なので、説明も時系列で「デュシャン 人と作品」(マシュー・アフロン著)に添ったものが展示されていてわかりやすい。

じっくりと見るほどにデュシャンの特別な感性と思考、知的なエッセンス、何事にもとらわれない表現の幅に驚かされる。2度の戦争を挟んで混乱の世界の混沌を自由にいきた人。
老いて高みに取り上げられても、密かに制作されて死後に公開された《遺作》で投げかけられた表現の衝撃のなんと大きかったことか!

中学生のころにデュシャンに出会い芸術は自由なんだと思わせ、自身を表現する事で解放したいと思わせてくれた。
描くことだけではない、演じること、時に性を越えても自由でありたいと。

窮屈な田舎の暮らしから都会に憧れていた陳腐な女の子が少しだけ大人になった瞬間にデュシャンがあった。

懐かしさと嬉しさと驚きと感情がごちゃ混ぜになった一時でした。

それにしても日本美術との対比は面白かったけど取って付けたようで、別にいらなかったかな?と思う。