映画「蜜蜂と遠雷」

2019年10月08日 | 映画・DVD・テレビ
小説と映画は別なもの。

わかっていても、コンテストの一次から描いてある4人の感情の機微を、もう少し丁寧に表現してくれたら…
でも上映時間が限られているなか、本選までの脚本、演出は、小説とは違う設定だとしても上手く盛り上げられていたと思う。

それは審査委員をまとめたり、亜夜とマサルのピアノの先生が亜夜の母親になっていたり、二次の亜夜が触発される「春と修羅」がマサルのではなく明石になっていたりと苦労が垣間見られる。
それでも亜夜と塵の連弾や亜夜のコンチェルトの場面は胸を打つほど美しい。俳優も4人にぴったりで素晴らしい❗
個人的には、母親と亜夜のエピソードや蔵の中での明石の描写、亜夜が雨を感じる場面は懐かしい気持ちで鼻の奥がキュンとしてしまった。

「セミオトコ 」 ドラマ

2019年10月06日 | 映画・DVD・テレビ
終わってしまって、とても残念。
この夏の素敵なファンタジードラマでした。

脚本もキャストも演出も、不思議な設定をいとも容易く飛び越えて、見る人に優しいひとときをあたえてくれました。セミオの優しさにキュンとした方は多かったでしょう❗
こういうドラマは万人受けはしないけれどなくてはならないドラマです。刑事物や恋愛ゴタゴタ物、妙に作りすぎた複雑な脚本より、人を暖かくする優しいドラマは今の時代は必要ですね✨

それから最近の一押しはNHKの「これは経費では落ちません」でした。

多部未華子さんは素晴らしい女優です。舞台もみていますが佇まいも発声もパワーも凄い❗
実力派と言われる若手女優さんが多いなか、品があり悲劇も喜劇もできる方は彼女だけかとおもいます。
これからも楽しみです🤗

「蜜蜂と遠雷」 恩田陸

2019年10月06日 | 読書
「羊と鋼の森」を読んだ時もそうだった。

音楽を文章にすることで、こんなにも頭のなかにその時の音楽と情景が、鮮明に思い出すことがあるなんて。作者の筆力に圧倒される。

調律師とピアニストの違いはあっても自然の中から浮かび上がる人それぞれの音たちを、どうやったら自分のものにできるか、又は人の心に届けられるか。
そこに至るまでの葛藤、困惑、情熱、絶望などが描かれる過程で、自分のあらゆる感情がさらされ試されるような気がした。

人が持つ音楽や芸術への尊敬や憧れは小さな頃からの環境にもよるけれど、誰しもあり、それがあるから人生は救われているのだろう。
人も自然、地球の一部でありそこから生まれ土に帰るから畏敬の念を持って作り出す音楽や芸術は心を揺さぶられるのだ。

ずいぶん前に読んだが、最近映画が公開されたので再読。映画も見たら又感想書きます。