結婚して初めて夏に帰省した。
震災から5年たち、開かなかった雨戸が開かれ、暗いかった部屋が見違えた。
明るい室内にきれいに飾られた盆棚。
この部屋で、親せきが集うなんて、しばらくぶりのこと。叔父叔母はみな泣いていた。
もしかしたら、もう来れないかもと思っているだろう人もいる。
懐かしいお盆の風景に、みんなかつての賑わいを思っていたのだろうか。
瓦礫は取り除かれて、更地になったけれど、少しづつ明るさと未来を取り戻すことができればと願う。
今年の夏も暑かったし、いまだこれからも残暑は厳しいだろう。
でも、今年の夏はき私にとって特別の夏になった。
4月に広島・宮島で見たことも、暑い京都で感じたことも、松本城や上田で感じた歴史も、
どこか今年のお盆の風景につながっているような気がする。
夏は、亡くした人を思う季節なのだ。
今生きていることや、周りの方たちに感謝をこめて、祈る季節なのだと思う。