12/12(日)、チケットをもらったので、日展に初めて行った。
そうか、日展というのは「誰でも応募できる」ものなのか。それを知ったのは、10時半からの解説を聞いたから。偶然だったのだが、「作家による洋画の解説を聞く人は2階に集合」と放送があり、12時まで、解説を聞きながら観て回った。自然光の入る2階に絵画を展示することの意味を力説された。なるほど。自然光による絵の具の発色、時間や天気による見え方の違いを楽しむこともできるのか。
芸術家というものは、どちらかと言えば寡黙なものかと思っていたが、全然。1時間の予定が30分ほどオーバーするほど饒舌な、池田良則氏。それは本格的な作品解説というよりも、一緒に観ましょう的なものだったのだけれど。氏の作品『鳩』も展示されており、ちょっと良かった。あと、寺坂公雄氏の『紅葉山峡』とか。雪山も良かった。
とは言え、全般的に「日本画・洋画」はあまり興味が持てなかった。特選入賞作品ですら、好きではない。
「書」がやたらに多い。殆ど読めないので、観ていてもあまり面白くない。タイトルと一緒に、楷書で内容を記して欲しいものだ。
「工芸」・・・織のタペストリーはちょっと面白いものがあった。
個人的な好みとしては、「彫刻」が良かった。知人の作品があったからというだけでなく。
上記の通り、日展には5分野ある。もとは絵画・彫刻だけでM.40年に「第一回文部省美術展覧会(=文展)」として始まり、「帝展」「新文展」「日展」と名前を変え、今に至る。「美術工芸」分野が付加されたのはS.2年第8回帝展、「書」はS.23年第4回日展から。複雑な組織事情があったのだろう、S.33年には社団法人となり、S.44年に改組されている。組織が変わる度毎に「第1回」となるため、100年を越える伝統がありながら、未だ第42回ということになるらしい。芸術家の世界も難しい。
さて、東京で10/29に始まった第42回日展は、12/11~1/14の京都のあと、名古屋、大阪、富山、福岡、水戸、山形を巡回する。巡回するのは「基本作品」300点。京都では、京滋の地元作家の作品300点を、合わせて展示している。解説の池田氏も、「好きか嫌いか、でいい」と言っていた。私には合わなかったが、好みは人それぞれ。多く観ることは大切だ。
そういえば、京都新聞に「作家による解説」の日程が載っていた。探して追記しよう。