空ほどたくさんの角度から
窓という枠で切り取られているものはある?
それでいてすべてつながっていてひとつだ
ひとつ?と言えるのならば
ひとつ、と言うのならば
命もたったひとつ
土から切れ目なくつながっているひとつ
なのかもしれない
骨がいつまでも残っているのは
夜の街から消えない灯のようだ
不思議なものだ
どのようにわたしたち
色を得て形を得て
気持ちになったのだろうか
どのようにして灰になり
文字になっていくのだろうか
華やかなドレスもいずれ文字として崩れ
よみがえるのは
ひとりの思いの輝きの輪の中
足踏みしていると
スタンプスタンプ
馬になった気がする
走るのが得意な馬には土踏まずがない
歩くのが好きなわたしにはまだアーチ
残っている
どんなひともこの土の上で
時代の装いと共に生き
様々なアーチを描きながら
土の中へとマーチしていく
文字へ文字へと崩れながら
くたびれたわたしは
ひとまず時を忘れる
本がいつまでも二つのアーチ
つくっていられるように没頭する
文字の波間からたくさんの窓が
見えてくる
様々な身支度
整える腕、と引き締まった横顔
整わないこころのふるえる
ふいと目を遣るその先で
切り取られている空
たくさんの窓に切り取られている空
幸福ということばとは別の場所で
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます