詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

水の感覚

2017年12月19日 | 
新しい無垢に剥けてしまう朝の
目覚めの音楽に色のつかない
水のような音を選ぶ

それでも夢や前日の気がかりが
閉まりきらない水門を抜け
日の重なりに連れ
視線を逃れ
音に水垢のようにこびりついていく

ベッドの端に腰掛け
朝か夕か判別できない窓からの薄い光
無意味が美しい物語になっている
シーツの皺を目でたどり
一瞬後には忘れてしまうような
物思いに沈んでいると
かすかな目覚ましの音が聞こえる気がする

透明だった時間に水垢がこびりつく
耳を澄ましてみる
見えるものすべてに薄いヴェールが
かかっているかのように
鳴っているのかどうかわからない
シーツの感触
判別できるのはただ
目覚ましはかけていない
すぐにも宙に浮いてしまいそうな
不確かな記憶があるから
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