異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

クスクスと無宗教3

2011-09-27 22:46:31 | Weblog
野菜の煮込みかけクスクスは、思いのほかナチュラルな味で、とても体にいい感じだった。後で聞いたら、味付けの大元は輸入食品店で売っているインスタントだったとか。野菜の煮込みはボルシチのアラビア版というか。
久々の料理教室ということで、イスラム圏の知りあいにも会えた。

震災以来のマレーシア男子。政府が帰国と再渡日の両方の航空券代を支払ってくれたそうだ。
「あの頃、どうしていたんですか?」
「えっと、18日に関西に旅立って・・・・。」
「その頃って、新幹線は不通でしたよね。」
「新潟までバスでそこからは、日本海側を列車で富山まで。日本アルプス見れて良かったかなーと。」
「はははは。」
「そこから、サンダーバードに乗り換えて大阪へ。神戸へは12時間弱で着きました。」
「どれくらい居たんですか?」
「1週間くらい。」
「何をしていたんですか?」
「西宮の駅ビルでハワイアンレストランに入ってステーキ食べたり、女性だけが出るミュージカルを見たり。」
こういう話しかたをするととまるで遊びにでも行ったかのよう。

料理の途中、久しぶりにフェルガナ地方のD女子に会った。昨年生まれた子供と一緒。既に立てるようになっている。彼女の国は旧ソビエト連邦に属していたそうで、ソ連解体後独立したとか。

「旧ソ連邦は15の国に分かれました。 ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、 ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア、カザフスタン、キルギスタン、モルドバ、エストニア、ラトビア、リトアニア。」指を折りながら一挙に名前を言い切った。
「えーリトアニアってリトアニア公国だったのでは?」
「それはソ連より昔の話です。1940年代からソ連で独立したのは1990年。」
「ロシア語話せるんですか?」
「学校では授業がロシア語でしたから。今は教育は母国語で行われています。」
「留学は普通どこへ行くの?」
「フランス、アメリカ、ドイツ、トルコ、中国もあります。」
「共産主義って、信仰を否定しますよね。どんな感じだったんですか?」
「学校で無宗教の時間というのがありました。」
「へ?無宗教?」
「すべて科学で説明できる。神はいない。ということをプロパガンダする時間です。」
「が、学校でそれをするんですか?」
「はい。その当時は皆、心の中でしかアッラーに祈れませんでした。」

そうだった。共産主義は宗教を否定するのだ。でも、そんなにあからさまな授業をするなんて・・・・。

最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。