異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

ある日の午後

2010-09-13 15:54:31 | Weblog
8月末にアンジェラのお母さんが倒れた。

本人は延命治療をしないでほしいという意思を元気な頃に書面にしており周りの意見は色々あったものの母親の意思を尊重し、緩和医療のみを継続し人工呼吸器などでスパゲッティ状態にすることはなかった。

話しかけると握った手を握り返し、反応に意味があるようだと周囲に話したところ、気のせいだと一蹴されたそうだ。脳卒中で右半分が麻痺しているとはいえ左耳は聞こえるし、発話ができなくとも意味は理解できる場合が多いし、回復の見込みもあるだろうとポジティブなメールを送ったところ、肺炎を併発したという返事が来た。

経験上、この手の病状で肺炎というのは体力がもう尽きかけていることを意味する場合が多い。

聴力はかなり後まで残るので、コミュニケーションは実際とれているのだと思うというメールを書いた。またWe are all temporary riders on the earthというのは事実で、治療で幾分先延ばしが出来たとしてもその事実は変えられないとその後に続け、かなり古いドイツの前衛グループの曲を添付してhttp://www.youtube.com/watch?v=xf6i0E0EMTI
そのメールを送った。世代的には、知っているはずである。

そのあと、二人の娘を連れお母さん〈娘達にとってはお祖母さん)へのお別れを言わせたというメールが届いた。長女が話しかけると左手をしっかりと握り返し、確かに反応したという。

そして、何日か後、彼女からメールが届いた。

Amigos-Friends-Freunde:

Mi madre ha muerto.Descanse en paz.

My mother passed away peacefully.

Meine Mutter ist gestorben. Sie hat den ewigen Frieden gefunden.

とても安らかな旅立ちだったそうだ。

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