Ms.Aが出張でやってきた。
横丁のいつもの店でMr.Tを交え3人で集会。
Mr.Tは地元の私大で准教授をしながら博士課程3年目の研究を続けている。
バブル華やかなりし頃、勤務先の留学プログラムでシカゴ大の修士課程に留学し後、翻訳者を経て今は大学の先生。Ms.Aは外資系企業のアメリカ人社長の秘書件通訳で16歳までシカゴ育ち。私はといえば、イリノイに住んでいたことがあるため、シカゴは折々遊びに行った場所で、それぞれの度合いで懐かしい土地なのである。
A「それでね、事務所に新しく配属になった女の子なんだけど、3ヶ国語ビジネスレベルで話せるのよ。」
彼女の周囲と言えば、上司はインド系アメリカ人で、同僚は日系ブラジル人やら最近は転職してしまったけどアラビア語を能くする商社経験のある日本人など国籍や経歴が多彩なのだ。
ワタス「ん、その人日本人じゃないでしょ。」
A「中国人かな。」
ワタス「なら、分かります。日本に居る中国の留学生は標準中国語のほか日本語、英語の3ヶ国語はできるもん。あと標準以外の出身地の方言の中国語と少数民族なら+母国語で4ヶ国語いけますね。」
T「なんだか日本の学生がシュリンクしているのと対照的ですね。特に自分の大学は、日本だけでいいって学生が多くて随分自分の学生の頃と違うなと思いますよ。国内だけだと市場はこれから窄む一方だし、国内志向を見越して最近看護科が出来ました。自分達の頃は勉強に投資したぶんは必ず役に立つと疑わなかったけれど、今の子は将来先行きも分からないのにどうなるか分からない努力してどうするみたいな考え方をし勝ちなんですよ。」
ワタス「これからはやっぱインドや中国に出て行くようになるのでは?若者なら異文化に慣れ親しむのも早いだろうし、外国に暮らすのって、その人の人生に+になることのほうが多いと思います。看護と介護系に就職するのを20代から目的にするのって向き不向きがあると思うんですが。」
A「あら、転勤ならともかく現地法人で採用の場合、給料が現地ベースになってしまうから必ずしも外国に出るのにメリットが生じないわよ。」
T「それでも、外に出ざるを得ないところまで行ってしまうのかもしれませんよ。この経済状況だと。昭和初期には外に出ざるを得なかったわけだし…。バブルの頃が嘘みたいですね。振り返ると団塊の世代は単に国の経済発展に乗っかっていただけなのかもしれませんね。バブルって一体なんだったんでしょうね。」
A「そうですね。あの頃のお金は一体どこに消えてしまったのかしら。いまや街の中みんなカジュアルな服装で、なんだか身なりを構わないようになっちゃっているし。」
ワタス「経済って実体がありそうでないですもん。」
こんなふうに取りとめも無くその夜は更けていった。
横丁のいつもの店でMr.Tを交え3人で集会。
Mr.Tは地元の私大で准教授をしながら博士課程3年目の研究を続けている。
バブル華やかなりし頃、勤務先の留学プログラムでシカゴ大の修士課程に留学し後、翻訳者を経て今は大学の先生。Ms.Aは外資系企業のアメリカ人社長の秘書件通訳で16歳までシカゴ育ち。私はといえば、イリノイに住んでいたことがあるため、シカゴは折々遊びに行った場所で、それぞれの度合いで懐かしい土地なのである。
A「それでね、事務所に新しく配属になった女の子なんだけど、3ヶ国語ビジネスレベルで話せるのよ。」
彼女の周囲と言えば、上司はインド系アメリカ人で、同僚は日系ブラジル人やら最近は転職してしまったけどアラビア語を能くする商社経験のある日本人など国籍や経歴が多彩なのだ。
ワタス「ん、その人日本人じゃないでしょ。」
A「中国人かな。」
ワタス「なら、分かります。日本に居る中国の留学生は標準中国語のほか日本語、英語の3ヶ国語はできるもん。あと標準以外の出身地の方言の中国語と少数民族なら+母国語で4ヶ国語いけますね。」
T「なんだか日本の学生がシュリンクしているのと対照的ですね。特に自分の大学は、日本だけでいいって学生が多くて随分自分の学生の頃と違うなと思いますよ。国内だけだと市場はこれから窄む一方だし、国内志向を見越して最近看護科が出来ました。自分達の頃は勉強に投資したぶんは必ず役に立つと疑わなかったけれど、今の子は将来先行きも分からないのにどうなるか分からない努力してどうするみたいな考え方をし勝ちなんですよ。」
ワタス「これからはやっぱインドや中国に出て行くようになるのでは?若者なら異文化に慣れ親しむのも早いだろうし、外国に暮らすのって、その人の人生に+になることのほうが多いと思います。看護と介護系に就職するのを20代から目的にするのって向き不向きがあると思うんですが。」
A「あら、転勤ならともかく現地法人で採用の場合、給料が現地ベースになってしまうから必ずしも外国に出るのにメリットが生じないわよ。」
T「それでも、外に出ざるを得ないところまで行ってしまうのかもしれませんよ。この経済状況だと。昭和初期には外に出ざるを得なかったわけだし…。バブルの頃が嘘みたいですね。振り返ると団塊の世代は単に国の経済発展に乗っかっていただけなのかもしれませんね。バブルって一体なんだったんでしょうね。」
A「そうですね。あの頃のお金は一体どこに消えてしまったのかしら。いまや街の中みんなカジュアルな服装で、なんだか身なりを構わないようになっちゃっているし。」
ワタス「経済って実体がありそうでないですもん。」
こんなふうに取りとめも無くその夜は更けていった。