異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

アフリカ側からの地中海

2010-04-24 14:17:34 | Weblog
私は地理が苦手である。
地理が得意なら、データからかなり正確なイメージを持つことが可能なのだろうけど、アメリカの中西部は穀倉地帯と習って、テストで正解できても、自分で実際にトウモロコシ畑の広がる地域に住んでみるまでコーンベルトが何を意味するかわからなかった。

中学校や高校の教科書で得ただけの知識や写真の情報を、どれくらいの人間がイメージとして感覚的に再現できるのだろうか?グーグルマップのおかげで、等高線と地勢はかなりイメージできるようになっているけれど、見たことのない海、聞いたことのない地名を感覚的に捕らえるなんてことはできるものなんだろうか?
地理が得意な人達は、1Haと言われて畑の面積を実際にイメージできるのだろうか?ちなみに阪神甲子園球場グラウンドの面積は 1.3 haだそう。かなり広いね。

カルタゴ展とエジプト展を二日続けて見てみたら、なんだか世界が随分違って見えるようになった。エジプト文字とフェニキア文字の相関とか、エジプトとローマの近さとか。
今、イタリアとエジプトなんて遠い世界だけれど、かつてのローマ帝国は地中海沿岸全域を領土としていたんだなーとか。アエギュプトゥス(現在のエジプト)からマウレタニア(現在のモロッコ)までアフリカ北岸地域も含んだ多くの属州をかかえ、帝国内でアフリカから現在のヨーロッパ・中東へと移住したり、反対に中東からヨーロッパに移動したりする人々も結構多かったようだ。なんか今のユーロ圏みたい。

ここ1年エジプト、シリア、チュニジアなどイスラム圏の人と関わることが多かったのだけど、初めて地中海がアフリカ側からも見えるということに気がついた。というか、スペインのコスタ・ブランカからしか見たことのない地中海がアフリカにも続いていて、対岸に彼らがいることに最近ようやく思い当たったのだ。その彼らも国内、海外に引越しをしてもう寮にはいない。

不思議だけれど、この地理べたの私が、エジプトやシリアやチュニジア側から地中海がイメージできるようになっている。カルタゴ展やエジプト展も実際に彼らを知っていなかったら見たかどうか。行った国しか存在しなかった自分の頭の中の世界地図に北アフリカ、中東、アジアのイスラム圏の国々の位置が知った顔で思い起こせるようになった。人と直接関わるってえらく学習効果があるんだなと思う。

最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。