異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

ラマダン2

2009-08-29 20:16:41 | Weblog
今年はイスラム圏の人たちが身近に感じられる。
親しくなった人が増えてきたからであるが、皆ラマダン真っ最中。

昼前に出かけるインドネシアD男子が午後に開かれる懇親会への参加ができない旨を告げにきた。なんとなく弱って見える。
「今、ラマダンで日が沈むまで飲食ができません。約束もあり、大学から戻るにはちょっと体が弱っていて、今日は参加できません。」まだ、28度はある夏の昼下がりに自転車で行ったりきたりは確かに辛い。水すら飲んではいけないのだから。

そして、懇親会が開かれたのだが、用意されたお菓子やお茶に手をつけない人が1名。。。シルクロードの人である。
「妊婦、子供、病人、旅行中の人はラマダンをしなくてもいいんですよね?国外にいる人は旅行扱いになるのでは?」
「いいえ、寮に住んでいるような場合は旅行にはならないのです。」
彼は、最近金沢で開かれたJAPAN TENTから帰ってきたばかり。
外見からはシルクロード近辺の人の宗教は計り知れない。ああ、しまった。当日参加してくれたけど、唯一イスラム圏の人だった。

シリアD男子も、エジプト研究員夫人も、チュニジアD男子も、インドネシアM男子も、ウイグル女子もトルクメニスタン男子も皆、日中の飲食を絶ち、貧しい者、弱った者の境遇を偲び、そして自分が日常的に受けている豊かさに感謝を捧げている。エジプト研究員夫人はつばすら飲んではいけないと言っていた。

身近にラマダンを過ごす人達を見てみると、飽食に慣れきってダイエットと騒いでいる自分がちょっと恥ずかしい。「Let them eat a cake!/パンがないならお菓子を食べれば。」なんてことを言えたのは特権階級だったはずだけど、世界基準から言うと自分も奢った部類に入るような気がしてくる。人の想像力が及ぶ範囲は狭い。飢えを知らなければ、飢えに苦しむことを理解することはできず、自分の欲の及ぶ範囲がどんどん広くなっていく。

世界の飢えや悲しみを意識する人たちがこの季節世界中にいるのだ。それってすごいなと単純に思う。



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