未来の粉飾

粉飾というと、既に終わった年度に対して業績を水増ししPLをよく見せるという手だと思っていたのだけど・・・・・。

　Ms.Aと久々に食事をした。大戸屋である。
「こっちだと夕食の場所があんまりないから、大戸屋って助かるわー。」
「家庭料理っぽいですよね。この味。」
「テーブルも家庭っぽいでしょ。これが今のトレンドなのよね。見回すと一人で来ている人が多いでしょ。家庭料理っぽいけど、実際ここまでは中々一人暮らしでは作れないし、働いている主婦も無理よね。」
「なるほど、料金も夕食でもあまり高くなりませんね。」
「いつも、混んでいるのよ。東京でも。」
「その後いかがですか？」
「こちらに転勤するかどうか思案中なの。関西に帰ろうかと考えることもあるのよね。」
「関西なら宝塚大劇場があるから楽しいじゃないですか。」
「でも、東京のように歌舞伎は身近には楽しめないかもね。いろいろな意味でインフラが整っていて豊かな都市だから、迷うところだわ。」
「最近の会社はどうですか？」
「んーなんとも。まあ、他のすごいところに比べたらましかと最近は思うようにしてますわー。」
「すごいところ？」
「知り合いの外資で、すごい粉飾があったようなのね。」
「粉飾って業績をよく見せるあれですか？」
「いやー、結果をよく見せる必要はないのよ。既にやめたかなり上の人が、ブッキングの粉飾をしていたらしいのね。」
「へ？見込みの仕事の粉飾？」
「外資って、ブッキングに対してインセンティブボーナスがあるところが多いのよ。」
「１０ミリオンの仕事を１００ミリオンと偽ってたらしいわ。未来の仕事に対するインセンティブだから、過去を粉飾する必要はないのね。」
「えー、そういうインセンティブあるんですかー！」
「だって、そういうのないとブッキングとってこないでしょ。」
これだよ、外資と日本の営業の違いって。結果が出ても留保されてボーナスに反映するなんてあんまないんじゃないだろか。鵜飼の鵜みたいな感じで。