Arabic rendezvous ２

先週ちょっと関西まで行ってきた。
温水の出ない不便な生活。物の欠乏。毎日深夜に鳴り原発が危ないと繰り返すアンジェラの国際電話。予断を許さない状態が一週間になるあたりでパニックになって大阪行きを決意。

太平洋側の鉄道はどれも動いていないので、バスで信越地方に出て富山からサンダーバードで大阪入り。1日あればかなりな距離を新幹線を使わず移動できると言うのがわかった。途中、富山の乗り換えでは緊張した面持ちのお母さんが子供に「必ず大阪へ出てお父さんと一緒になれるのよ。そう願って。」と無邪気な子供に話しかけている。あ、この人達も避難民。

東京から避難していたMs.Aと合流。もともと神戸出身の彼女、関西はお手のものである。宝塚近くの民宿に宿を取ってくれていた。六甲山ホテルにも一泊し気分は亡命貴族。しかし、放水の現場のTVの映像と枝野官房長官の発表を見続けるので全然気持ちが晴れないし、上司が出張中なため電話会議と翻訳がメイン業務のMs.Aは細切れに仕事が入ってくる。彼女のiphoneを借りて、FACEBOOKをしていたらチュニジア君が大阪に避難しているのを知った。友人の家に避難させてもらっているというが、さすがに退屈している様子。

で、神戸で観光でもしようということになった。
JRの三ノ宮駅東口で待つとメールをしたが、なかなか現れない。10分以上かかって、向こうが阪急を使っていることが判明。２Fに登り、連絡通路から阪急側へ向かう。あ、確かに東口にいるわな。阪急の。。。。。自慢ではないが、地図は読めるが方向感覚というものが私もないのだ。コンパスを買おうといつも思っているのだが、それに漢字がいまひとつで地理不案内のチュニジア君。これは二重苦に近い。
神戸の町を道に迷いながら歩くこと2時間。ようやく旧居留地の喫茶店に辿り着いた。

「どうやって大阪入りしたの？地震のあとはバスも列車もダメだったでしょ。」
「大使館が車を出してくれました。他の国だとバスを出した国もあるし、飛行機を出した国もあります。」
やっぱりそれくらいの規模の事故なのだ。

そうこうする内に、アラビア語の先生からチュニ君の携帯に電話が入った。
「なんて？」
「母国の政府が航空券を手配したから帰国するそうです。一ヶ月くらい滞在してから大学に戻るといっています。あ、それから貴方に宜しくって。」

こんな風に出国ラッシュだと不安になるよなー。放射能。