異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

人生そんな日もあり

2011-01-29 12:28:59 | Weblog
Ms.Aが今週久しぶりにやってきた。
しかし、今回はなにかお疲れ気味。軽快なラテン音楽が流れるレストランでいつになく沈んでいる。

地方工場と東京の営業部門の軋轢を目にせざるを得ない立場におられる様子。
アメリカ人社長に交代しはや1年だが、なかなか旧体制側は新体制に馴染まないというか反抗しているに近い状況らしい。反抗している上層部が日本の五十代から六十代なので、そのやっているように見せて、やらないという技術には磨きがかかっており、プリンシプルに忠実なアメリカ人のエグゼクティブの単純さでは旗色が悪い。成果を上げることが至上のアメリカ式と、成果より働き方を査定の中にかなり含む日本式なので思いっきり平行線。

話を聞いていて、嫁いびり的な心情って男性の間でも共通なんだと妙に感心した。
アメリカ人社長は50歳を少し出たくらいで、大学生と高校生の子供がいるため日本に住居を移すということができない。アメリカに1週間、日本に3週間という勤務形態なのだが、これが工場側には面白くない。ネット時代だからアメリカに1週間といったって、会議や数字の把握には特に支障もないのだが、航空運賃を考え木曜の夜の便を使うと(金曜に比べ20万円安い)休み取り過ぎという批判が沸き、子供を大切にしているのがわかると、女々しい奴という反応をされ、出張でネット価格朝食付き1万円で安かったからウェスティンを使えば、なんでそんな高級なところを選ぶのかとやっかまれ……あれ、これって嫁いびり???

「それでね。私だけでも昔から使っている宿をとったの。8,600円で、1,400円ウェスティンより安いけど、皆と離れているから合流するのにタクシーを使うし朝食別だから合計するとあんまり変わらないのよ。時間のロスを考えると高いかもね。」

「…随分と、へんなことを気にするんですね。経費のトータルが同じならどこでもいいじゃないですか。郡部の旅館なら文句言われないんですか?」

「だめよ。パークホテルだろうが佐藤旅館だろうが、結局文句しか出ないんだから。悪意があるっていうのかしら。今回はミーティング会場に近いからウェスティンなの。でも、そんなこと誰も評価しないのよ。ネット価格で安いなんて情報は落ちて、ただ、新しい豪華なホテルに泊まっているという噂だけが流れるのよ。」

何をどうしようと、否定してくる日本の地方独特のあれだ。「~へればへったで へられるし へらねばへらねって へられるし どうせ へらねでへられるなら へってへられたほうがいい」 みたいな世界をいい年したビジネスマンがやっているとは。減点主義は、結局みんな不幸になるだけってもう結果出ているだろに。

仕事で実績を上げ、プライベートでは家族を大切にし、地域に貢献し自分の時間を有意義に過ごすってのがアメリカのピュ―リタニズム基本の規範。飲酒はお付き合い程度で、酔って次の日に影響するくらいまで飲むとすれば、それはアル中という評価が当たり前だが、対する日本のおやじ連中ー
仕事のためなら家族もほっとくぅ、それがどーした俺達ゃ男ぉ~我慢我慢の宮仕え、長くやってりゃいつかは俺が嫌な上司になって同じことできるぅ~酒だ酒もってこい。飲まずにやっていられるかー!!うーん、書いていて悩む。ほんとにこんなステレオタイプ、日本で市民権あんのかな??

で、話があまり建設的でない方向に向かい勝ちだったのだが、自分達を含め3組しか客のいないホテルのレストランの奥から拍手が起こった。子供連れで、食事を楽しんでいる若い夫婦が目に入る。彼らの目線を追い、自分の背の方を振り返ると、ベースとピアノのデュオ。なんとさっきまでの音楽は生演奏だったのか。






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