異文化異聞記

異文化に絡んだつれづれをつづる記録。

そして神戸

2010-04-11 22:34:11 | Weblog
いつ来ても、神戸はのんびりしているなと思う。
この規模の都会で、こうもまったりしているのって不思議だ。
それでいて、関東の田舎ののんびりとは種類が違う。
都会のインフラが全て揃っていて、それでいてまったりとしているのだ。
家族連れで喫茶店でお茶をしている人達を良く見る。
神戸はどちらかいうとヨーロッパ的。

街中しか散策していないなので、何代も前からやっている店ばかりを目にする。
Ms.Aが「この店、子供の頃からあるわー。ここもー。」と行く先々で連発。
彼女は昨年還暦を迎え定年退職後所属していた外資系企業に嘱託で月100時間だけ勤務することになり横浜から神戸に引っ越した。翻訳や電話会議の同時通訳が主な仕事なため本社のある東京に必ずしも住む必要が無く、故郷に戻ったのだ。できた時間の余裕を何しよかと考えていた矢先、またフルタイムに戻って欲しいという打診があり、三軒茶屋に引っ越しをするという話を先週されていたが。。。。

「お引っ越し間近にお相手して頂いてありがとうございます。」
「うふふ、このお部屋はとりあえずそのままにしておくことにしたの。向こうにいったらこれだけのスペースは確保できないし、東京のワンルーム賃貸とこのお部屋を合わせた金額の方が、東京で2DK借りるより安いんですもん。」
「えー、引っ越すんじゃないんですか?」

彼女はここ8年の間5回引越しをしているが、全て見晴らしがいい場所だった。今回も左に大阪湾、右に神戸の街が一望できる。確かにこれくらいの眺望を東京で求めたら、かなりの金額だろう。
「基本3週東京で1週は自由にしていても構わないみたいなので。仕事の量が予測できるようになったら、その時点でどうするかを考えようと思って。」

キャリア構築というのは色々あるのだろうけど、この人の場合はスタートが遅い。
昔のことなので、素直に20代は主婦で過ごし、離婚など紆余曲折があって本格的に社会で自活し出したのはなんと35歳過ぎ。以降派遣で生計を立てて、正社員になったのが54歳。もともと帰国子女だから英語ネイティブだけど同時通訳のスキルはかなり後で身につけたそうで、なんというか世間で行き渡っている嫁の文句を言う専業主婦の60代とかいうステレオタイプが全く通じない。神戸の街を見ていると、この街だからこそ彼女のようなステレオタイプから自由な人も育つのかなと思う。

途中別行動で神戸市立博物館のトリノエジプト展を見て、常設展で古代から震災までの神戸の知識をにわかに仕入れた。居留地はハートというイギリス人技師の設計とな。都市計画が先にあって作られた街なのね。博物館隣の居留地から移設されたビクトリア調の洋館カフェで合流し、ザッハトルテにコーヒーを頂く。

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