MIRO ITO発メディア=アート+メッセージ "The Medium is the message"

写真・映像作家、著述家、本物の日本遺産イニシアティブ+メディアアートリーグ代表。日本の1400年の精神文化を世界発信

【映像詩「空のように生きる」発表イベントのご報告(2025年2月16日@日比谷図書文化館)】

2025-02-24 05:49:50 | いかに生きるべきかのメッセージ
先日の講演イベントでは、円覚寺横田南嶺管長の素晴らしいご講演「空の心」ならびに、皆様にご協力いただいた映像詩「空のように生きる」の発表イベントが行われ、盛況のうちに終わりました。

映像詩「空のように生きる」は、南嶺老師のご著書『はじめての人におくる 般若心経』での、「空(くう)」についての、お言葉に接したことで、私の中で「空(そら)」のイメージと重なり合ったことで、生まれました。

いま振り返りますと、同じ主催者(JACCCO・日本アジア共同体文化協力機構)の講演シリーズ「時を超えた共生共創」での出会いから、ちょうど一年経って生まれた、奇跡のような作品であったと思われております。

会場では、南嶺老師の素晴らしいお話の後に、私の解説「詩人と空(くう・そら)」で引き継がせていただき、最後に映像詩「空のように生きる」をご覧いただきました。

「空の心」を語る横田南嶺・円覚寺派管長(2025年2月16日)

筆者(MIRO ITO)

多くの方々から、南嶺老師のナレーションと空の映像のコンビネーションが素晴らしく、大変感動したとのお言葉を頂戴いたしました。

南嶺老師のお話のまとめとなる、エッセンスを映像詩に凝縮させたことで、大きな相乗効果が得られ、会場では、何人かの方々が泣いておられました。

このような作品としてまとめさせていただくにあたり、ご支援をいただいた皆さまに、今一度心から厚く感謝申し上げます。


映像詩「空のように生きる」上映の様子(日比谷図書文化館)

映像詩「空のように生きる」
(文・ナレーション:横田南嶺老師、映像:MIRO ITO)

世界発信に向けて

さて、インド〜中国〜日本にまたがる「空」の教えや禅的な無我の世界観から、華厳の「一即一切」「一切即一」の一体性まで、東洋の叡智を世界に発信することが、いままさに<時代>から求められているように思われます。

壇上では、日本政府のアドバイザーも務められておられる、JACCCO理事長の宮本雄二元駐中国日本大使からのお言葉として、世界の安定のために、日本から仏教的(禅的・華厳的)な思想に根ざした万物の一体感を、「とらわれない」「こだわらない」「かたよらない」「わけない」という「「空(くう)」の前向きな意義とともに、行動にしていくこと、同時に世界の連帯のために、講演イベントのメッセージを広く発信・共有をすべきだということを、結論として、まとめられました。


パネルディスカッション
(左から:瀬口清之氏、宮本雄二大使、横田南嶺老師、MIRO ITO)

現在、映像詩の英語版を制作中ですが、主催者が中国語版をご用意してくださる予定です。

英語版や中国語版の完成後には、順次、伝を探して、多言語化を進めていくことができればと願う次第です。

いま世界から求められる「バランス」のために日本からできることを、微力ながらも、今後も私自身の使命と考え、引き続き人生を賭けて、映像作りに励んでまいりたいと存じます。

それでは、映像作品の発表会が無事終わりましたこと、そのご報告とともに、今一度、ご支援をいただいた皆様に、改めて心より厚く御礼申し上げます。

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ代表



【ご案内 2月16日の講演会 空(そら)を通して空(くう)の心を学ぶ@日比谷図書文化館】

2025-02-11 09:45:29 | いかに生きるべきかのメッセージ
円覚寺管長の横田南嶺老師の「空(くう)」を語ることばと、MIRO ITOの空(そら)のアート映像を組み合わせ、国境や差別のない、世界の一体性への願いとともに、「いかに生きるべきか」のメッセージを分かち合う、映像詩「空のように生きる」が発表・上映されます。

2025年2月16日(日)日比谷図書文化館での講演イベント「時を超えた共創共生」の前半では、横田老師の「空(くう)」の心についてのお話の後、MIRO ITOによる解説と映像詩「空のように生きる」をご鑑賞いただきます。

後半では、元駐中国日本大使の宮本雄二大使、国際政治の論客・瀬口清之氏を交え、激動の時代にあって、「空観(くうがん)」を通した「マインドフルネス」の意義や、東洋思想の伝統を、生きる上でどう活かすか、ディスカッションを行います。 

私たちにとって、最も身近にあり、誰もが平等に見上げることができ、境目のない空(そら)を通して、「空(くう)」の本質である「とらわれない」「こだわらない」「分けない」という叡智を学び、いのちのつながりへの思いを共有するイベントです。

まだ残席がございますので、皆様のご来場をお待ち申し上げます。

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開催日時:2025年2月16日(日)
14:00~16:30 
会場:日比谷図書文化館B1 
コンベンションホール
住所:東京都千代田区日比谷公園1-4
入場無料(事前申し込み制)定員200名
主催者:一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)
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【内容】
講演:円覚寺派管長・横田南嶺老師「空(くう)の心」
講演:MIRO ITO(伊藤みろ)映像詩「空のように生きる」上映と解説
パネルディスカッション:宮本雄二・元駐中国日本大使・JACCCO理事長、瀬口清之JACCCO理事、横田南嶺老師、MIRO ITO
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【お申し込み方法】
電話・03-6277-7181
Eメール:J-ACCCO@japanasia.or.jp
ネットでのお申込みは以下のURLより:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeze5seSwkMehkG0PZVLJ7JP6CNHX78-laXdU-KShRGzVMCHQ/viewform?pli=1&fbclid=IwY2xjawIL05ZleHRuA2FlbQIxMAABHfkV0NV9axGLptmTW42yVn3dXiXfh79K72EVqx2c1jwO8E-4D8W49gtkqw_aem_OAIP1tIII4w5FB_WAGZMgQ




【2025年2月16日(日)日比谷図書文化館での映像上映・講演イベントのご案内】

2025-02-03 21:39:33 | いかに生きるべきかのメッセージ
大乗仏教の教えの中心をなす「空(くう)」をテーマにした、私の新しい映像詩「空のように生きる」がまもなく公開されます。

円覚寺派管長・横田南嶺老師による「空(くう)」を語るナレーションに、私の空(そら)の映像を組み合わせ、心の折れそうな人々に勇気を与え、とらわれの心から解き放ち、世界の一体性への願いを、映像を通して伝えるものです。

激動の現代において、生きる希望と勇気を与え、心本来のあり様(よう)に立ち戻ること、「いかに生きるべきか」の知恵を伝える、澄み切ったマインドフルネスの世界を、講演とアート映像により、堪能していただけます。

まだ残席がございますので、皆様のご来場をお待ち申し上げます。

開催日時:2025年2月16日(日)14:00~16:30
会場:日比谷図書文化館B1 コンベンションホール
住所:東京都千代田区日比谷公園1-4
入場無料(事前申し込み制)定員200名
主催者:一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)

【内容】
講演:円覚寺派管長・横田南嶺老師「空(くう)の心」
講演:MIRO ITO(伊藤みろ)映像詩「空のように生きる」上映と解説
パネルディスカッション:宮本雄二・元駐中国日本大使・JACCCO理事長、瀬口清之JACCCO理事、横田南嶺老師、MIRO ITO

【お申し込み方法】 電話・03-6277-7181
Eメール:J-ACCCO@japanasia.or.jp


伊藤みろ講演会のご報告:シルクロード東の終着点 奈良とシルクロードの秘話を語る

2025-01-29 10:03:43 | シルクロード東の終着点 奈良
2025年1月26日の平城宮跡歴史公園天平みはらし館VRシアターでの私の講演イベントは、約80名の参加者を得て、盛況のうちに終わりました。

本年度の奈良県依頼の映像作品「平城宮跡と5つの近隣寺院 薬師寺〜海龍王寺〜法華寺〜唐招提寺〜西大寺」を発表させていただきました。


本年度奈良県製作の映像詩を初公開(監督・撮影・文:MIRO ITO 伊藤みろ)

上記の作品をご覧いただいた後に、奈良県と友好提携を結び、奈良市の姉妹都市であるサマルカンドを中心に、シルクロード東の終着点としての「奈良とシルクロードを結ぶ秘話」をテーマに講演をさせていただきました。


MIRO ITO による講演「奈良とシルクロードを結ぶ秘話」の様子

MIRO ITO 伊藤みろ

MIRO ITO による講演「奈良とシルクロードを結ぶ秘話」の様子

これまでウズベキスタンには3回、タジキスタンには2回、パキスタンには1回、ギリシャには3回取材に訪れており、それらの諸国での取材成果をもとに、奈良に残された文化財の「国際性」や「東西交流の証」を中心に、お話をさせていただきました。

胡人(アーリア系遊牧民)の文化を中心に、ゾロアスター教の大乗仏教への影響についても、これまでの長年の取材のエッセンスを発表させていただきました。
ご清聴をありがとうございました。

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ

MIRO ITO による講演「奈良とシルクロードを結ぶ秘話」の観客の方々
メディアアートリーグプロデュース
「模刻伎楽面を使った奉納パフォーマンス」(演者:春双)

MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.25:激動の時代だからこそ、大切にしたい「空(くう)」の教えとソクラテスの言葉

2025-01-15 04:58:41 | いかに生きるべきかのメッセージ
寒中見舞い申し上げます。

コロナ禍の余波の中、戦争や紛争による先の見えない世界情勢、社会のあり方の多極化や来たるべきAIテクノロジー革命の波に直面する現代は、まさに激動の時代といえます。
2025年の動向も予測不能ながら、アート活動を通して、心の光を求めていきたいと誓っています。



空の映像詩

私にとって、2024年は空性について、多くを学ぶ年でした。

大乗仏教の「空(くう)」というと、『般若心経』の一節「色即是空・空即是色」を思い浮かべますが、「無常(移ろう)」「無自性(実体がない)」「無我(己がない)」といった三つの特徴があると説かれています。

その思想を貫く根本的な考え方は、「すべては原因があって起こり(縁起)、原因(因果)が失せれば、現象(色)は消え去る」というものです。

すなわち「空(くう)」とは、「何もない」のではなくて、すべては「移ろい、変わる」ものであること。変化するエネルギーで充満されている状態と捉えることができます。
すべてに浸透するエネルギー、無限の運動、変化の場として考えることができるのかもしれません。

かつて中国の人々が、サンスクリット語の「śūnya [シューニャ]」を漢訳する際に、虚空の意味で「空」という単語を使ったように、目に見える空(そら)に例えることができるのです。

空(そら)を通して「空(くう)」を伝えるべく、円覚寺派管長・横田南嶺老師とのコラボレーションにて、昨年は空の映像詩の制作を企図いたしました。



改めて生き方が問われる時代

横田南嶺老師によるテキストとナレーションが入る空の映像詩「空のように生きる」のメッセージは、「いかに生きるべきか」という趣旨にて「私たちは変わることができる」というものです。
空(そら)を自己そのもののメタファー(暗喩)として捉え、私たちは、空のように、自分自身や生き方を変えることができるという、知恵と勇気や希望を伝えるものです。

ここで思い出すのは、ソクラテスの言葉です。
「一番大切なことは単に生きることそのことではなくて、善く生きることである」
「また善く生きることと美しく生きることと正しく生きることとは同じだ」(プラトン著・久保勉訳『クリントン』/『ソクラテスの弁明・クリントン』より)

上記は「異端の神を信じ、若者を惑わした罪」で有罪とされたソクラテス(前470年–前399年)が死刑執行前夜に、幼馴染のクリントンに語った言葉です。
「善く生きること」とは、ソクラテスの弟子のプラトンが唱えた「真・善・美」を普遍的な理想・価値とするギリシア哲学を前提に、何が美しいか、何が正しいかといったことを知る「知恵」であり、それを「勇気」と「節制」を持って実践する生き方になるかと思います(三つの徳)。


アテネ国立アカデミー前のソクラテス像


アテネ国立アカデミー前のプラトン像


東京・日比谷図書文化館での講演会のご案内

一方、人生の苦しみからの解放を説く仏教の「空(くう)」から「生き方」を学ぶならば、「とらわれない」「こだわらない」「分けない」という実践になることでしょうか。
仏教では、そこに極端にならないための「中道」があり、「人が清らかになる道がある」と説かれています。

そうした「空(くう)」の教えを学ぶ意図にて、世界中で私が撮りためてきた空の映像を通して紹介する映像詩「空のように生きる」は、世界の一体性への願いを込めて、間もなく完成を予定しています。

来月2月16日(日)には、その発表を兼ねた講演会が東京・日比谷文化館で開催されます(主催:一般財団法人 日本アジア共同体文化協力機構 [JACCCO])。

横田南嶺老師とともに、私も登壇させていただきます。
また後半では、元駐中国大使の宮本雄二JACCCO理事長、瀬口清之JACCCO理事とのパネルディスカッションもございますので、ぜひご参加くださいませ。
皆様のご来場をお待ち申し上げます。



奈良の平城宮跡での講演会のお知らせ

さて『般若心経』は、262文字で書かれ、玄奘三蔵法師が訳した600巻の『大般若経』のエッセンスをまとめたものといわれます。

唐の僧で『西遊記』のモデルとして知られる玄奘(602年–664年)は、経典を求めて中国からインドへの命懸けの旅に出て、17年後に仏典を中国に持ち帰りました。
膨大な量のサンスクリット語の経典を漢訳したほか、『大唐西域記』を著し、当時のシルクロード諸国の事情を伝えました。
その玄奘の遺骨(頂骨)は、奈良の薬師寺・玄奘三蔵院に祀られています。

今月1月26日(日)には、玄奘の遺徳を偲ぶ「玄奘三蔵会大祭」の紹介を含む、私の新しい映像詩を、奈良・平城宮跡歴史公園・天平みはらし館VRシアターで発表いたします。
奈良県観光局からの依頼となる新作になり、タイトルは「シルクロード東の終着点 平城宮跡と5つの近隣寺院の仏教美術 薬師寺〜海龍王寺〜法華寺〜唐招提寺〜西大寺」です。

昨年の聖武天皇即位1300年を記念して、天皇・皇后に因む飛鳥〜奈良時代の国宝を始め、秘仏を含む、平城宮跡地域の古刹寺院の仏教美術の粋と行事をご紹介します。
ご都合がつくようでしたら、平城宮跡までぜひ足をお運びくださいませ(主催:平城京魅力創造発信実行委員会)。



新年の抱負として

ソクラテスは「自分の魂をよく配慮すること」が「徳」であると説きました。

魂に配慮しながら、空(くう・そら)に学ぶ、新年の抱負として、心の力こそ、私たちの力であることを、改めて訴えていきたいと思います。

先行きの極めて不透明な時代に、内なる心の力によって洞察力を磨き、世界との関係を見つめ直すこと。
そして世界をよりよくするために癒しや励ましを広めていくこと。

本年もこのことを目標にしつつ、皆様とご一緒いただきたく、引き続きよろしくお願いいたします。

2025年1月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ
Media Art League
Japan Authentic Heritage Initiative
Text and photographs by (C) Miro Ito. All rights reserved. (文中敬称略)

写真:光明と予言、芸術と芸能を司る神、アポロン像(アテネ)


MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.24:国境のない空を見つめ、世界の一体性を願う

2024-11-26 11:24:45 | いかに生きるべきかのメッセージ
不安定な時代だからこそ、揺らぎ混乱する世相において、時代の大波に呑み込まれそうな自分と世界との関係を、改めて見つめたいものです。

そんな時に禅的なアプローチが役立つかもしれません。
世界で「ZEN」と呼ばれるものは、座禅を組むだけでなく、散歩をしたり、釣りをしたり、掃除をしたり、作務(さむ)と呼ばれる日常生活のさまざまな行いやお勤めによって、無心になること。余分な感情をそぎ落として、自分の内面を静かに見つめることは、「まっさらの自分」を取り戻すための有効な手段といえます。
それは、また空(くう)の心に至る、一つの方法といえるかもしれません。


Sky over Kamiuma, Tokyo

Sky over Kamiuma
 
18年間にわたり、世界の空を撮影

私自身、いつも行き詰まったときや、運命の嵐に見舞われた時には、空(そら)を見上げ、空の写真を撮ってきました。2006年から撮り始め、今年でちょうど18年になります。
「空(くう)」の教えを空(そら)の映像になぞらえる、この度の映像作品「空のように生きる」で使わせていただく空の写真も、世界中の空を撮っています。
バルト三国のリトアニア、エストニア〜ラトビアを始め、ニューヨーク上空、トロントのオンタリオ湖上、フランクフルト上空、ペルーへの空路ほか、パキスタンやウズベキスタンなど、シルクロード諸国の空も撮りました。国内では、関西上空、奈良や鳥取砂丘ほか、日常では地元の世田谷・上馬の空を撮ってきました。


Sky over Lake Ontario
 
空には国境がない

「空には国境がない」—これが私からの一番のメッセージです。
本年2月の日中伝統思想交流「時空を超えた共生共創」講演イベントでの結論も、横田南嶺老師のお話から、世界情勢がどう動こうとも、「北極星を見続ける」ことの大切さを、パネリストの宮本雄二元駐中国大使や司会の瀬口清之理事らとともに、確認し合いました。

「不動の光」を見続ける喩えとしては、夜空の北極星は昼間の太陽ともいえ、「光を見続ける」ことの大切さと言い換えることができるでしょうか。

たった9ヶ月前のことでしたが、世界の先行きはいっそう不透明になり、今後の成り行き次第では、嵐の気配さえ感じられる時代がやってきています。


Rainbow over Kamiuma

Distant view of Mt. Fuji at sunset seen from Setagaya, Tokyo

Sky over Kamiuma

Sky over the way from Estonia to Latvia
 
残り4日間—初のクラウドファンディング挑戦中

円覚寺管長・横田南嶺老師の説かれる「空 (くう)」の教えを、空 (そら) の姿になぞらえる映像詩「空のように生きる」制作のクラウドファンディングも、残り4日間となりました (11月30日まで)。

未来に光を見続ける活動のために、私自身、長年奈良を中心に、日本の精神文化を取材してまいりましたが、その核となるメッセージは、華厳思想を元にした「私たちは心において皆同じであり、一つである」ということです。

空の教えは、大乗仏教の根幹をなす教えですので、華厳思想においても、空性と縁起(ものごとが起こる原因となる因縁性)は二輪の両輪と言える、大切な基本といえます。

現在制作中の作品から、一部の章を「Media Art League 公式チャンネル」での限定公開リンクにアップロードいたしましたので、ご高覧いただければ幸いです。
 
映像詩「空のように生きる」(第1章:限定公開)
「自己も世界も行いによって変わる」

 

映像詩「空のように生きる」(第5章:限定公開)
「世界と自分を分けない」

 
公開中:映像詩「空のように生きる」(ブロローグとエピローグ)


これまでご支援をいただいた皆様には、心より厚く御礼申し上げます。
この上は、上記の作品をご覧いただき、一人でも多くの皆様よりご賛同いただければと願い、ご支援の程、何卒よろしくお願いいたします。
 
★映像詩「空のように生きる」制作プロジェクト
クラウドファンディングページ (11月30日まで)



小さな力ではありますが、空のように大きく広がりたく、世界の一体性への願いとともに、国境を越えて、発信し続けていきたいと願っています。

是非とも皆様とご一緒に、未来へ光を見続けてまいりたく、どうぞよろしくお願いいたします。
 
令和6年11月26日
MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
Photographs & text by Miro Ito / All rights reserved.

Japan Authentic Heritage Initiative
Weaving Japan’s 1400-years of cultural legacy into a tapestry for the future

Media Art League
East meets West, North meets South through “Media = Art + Message”

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【残り10日間—世界の一体性を願い、初のクラウドファンディング挑戦中 (11月30日まで)】

2024-11-20 19:22:51 | いかに生きるべきかのメッセージ

世界がますます混迷と分断化を深める中、万人に希望と勇気を与えるために、映像詩「空のように生きる」を制作中です。


円覚寺管長・横田南嶺老師の説かれる「空 (くう)」の教えを、空 (そら) の姿になぞらえる映像詩です。

先行きの不透明な現代において、「空 (くう)」の教えを「生き抜く知恵」として広めるために、完成後は円覚寺に寄贈し、世界に向けてインターネットで配信していただく予定です。


さて、初挑戦中のクラウドファンディングも、残り10日間となり、ラストスパートの時期になりました。

すでにご支援いただいた方々には、心から厚く御礼申し上げます。

この度は、一人でも多くの皆様よりご賛同いただきたく、ご支援の程、どうぞよろしくお願いいたします。


★ 映像詩「空のように生きる」制作プロジェクト・クラウドファンディングページ

https://camp-fire.jp/projects/785420/view


小さな力ではありますが、光を見続けることの大切さを訴える活動とすべく、FACEBOOKでアート&哲学コミュニティ「空に学び空のように生きる」を立ち上げました。どなたでもご参加いただけますので、ついでの折にご高覧くださいませ。


★FACEBOOKコミュニティ「空に学び空のように生きる」

https://www.facebook.com/groups/536132318881062/ 


なお来年2月16日(日)には、東京・日比谷図書文化館において、同作品の上映を兼ねた講演イベントがございます。

横田南嶺老師とともに、私も登壇予定です。


皆様とご一緒に光を見続けてまいりたく、ぜひご参加くださいませ。


MIRO ITO 伊藤みろ

メディアアートリーグ代表
Media Art League

East meets West, North meets South through "Media = Art + Message"



FACEBOOK コミュニティ「空のように学び 空のように生きる」活動開始 by MIRO ITO

2024-11-02 12:38:21 | いかに生きるべきかのメッセージ
11月になり、今年も残る2ヶ月間となりました。
初のクラウドファンディングを挑戦中の映像詩「空のように生きる」制作プロジェクトは、本日11月2日、皆様からの暖かなご支援により、目標額の30%まで到達いたしました。

この後11月30日までに、目標達成に向けて、引き続き広報活動に努めてまいりたい所存です。

★クラウドファンディング映像詩「空のように生きる」プロジェクトページ: https://camp-fire.jp/projects/785420/view

さて、この度の映像詩「空のように生きる」の制作をきっかけに、空の写真や言葉の力によって、悩んでいる人々を励ます、FACEBOOKコミュニティ「空に学び 空のように生きる」をスタートさせました。

FACEBOOKコミュニティ「空に学び 空のように生きる」

空(くう)の概念は、「何もない」という虚無的なものではなく、すべての事物には固有の本質がなく(無自性)、かつ移ろうものであるからこそ(無常)、誰もが変わることができるのだ、という力強いメッセージとなりうるものです。

こうした空性(くうしょう)の正しい理解は、高尚すぎるように聞こえるかもしれませんが、空(そら)の写真と組み合わせることで、理解ができるようになるかと思います。

すなわち、私たちにとって、身体の次に、おそらくもっとも身近な空を通して、空性を「生きる知恵」として、学ぶことができるのです。

「いかに生きるべきか」の知恵を空に学ぶ

今回の映像詩も、こうした生きる知恵を広めていく手段として位置づけており、このことを今後も継続して広めていきたいと誓っています。
そして願わくは、悩める人々を励まし、癒し、勇気づける活動として、広がりを生んでいきたいと願っています。

上記グループへは、どなたでもご参加いただけますので、ご興味がありましたら、ぜひご参加くださいませ。

それでは、この後も28日間、一人でも多くの皆さまにご賛同をいただきたく、何卒ご支援の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年11月2日
(2024年11月1日投稿・2日更新)

MIRO ITO 伊藤みろ メディアアートリーグ代表



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【初のクラウドファンディング挑戦中:円覚寺管長・横田南嶺老師に学ぶ「空」の教えを 空の映像詩として 世界に発信したい】

2024-10-13 09:45:43 | いかに生きるべきかのメッセージ
2024年10月1日より11月30日まで、映像詩「空のように生きる」制作のためのクラウドファンディンに挑戦中です。

円覚寺派管長・横田南嶺老師に学ぶ「空 (くう) 」の教えを、私の空 (そら)の映像と重ね合わせ、万人を勇気づけるために、「いかに生きるべきか」のメッセージとして、世界に発信いたします。

なお、私の思いを込めて文章を書かせていただきましたので、お時間のあるときに、プロジェクトページをご覧ください。

★映像詩「空のように生きる」制作プロジェクト・クラウドファンディング

ご賛同いただける皆様に、ご協力をお願いさせていただければ、幸いに存じます。ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

**************

映像詩「空のように生きる」の制作をきっかけに、「空に学び 空のように生きる」アート&哲学コミュニティを、Facebookでスタートさせました。

空の写真と言葉を投稿して、心の折れそうな人々を勇気づけ、希望を与えるために、継続的なコミュニティづくりを目指していています。小さな力ですが、空の心に学んで、大きく広がりたいと願っています。

★「空に学び 空のように生きる」アート&哲学コミュニティ

皆様からのご参加をお待ちしております。

令和5年10月吉日

MIRO ITO(伊藤みろ)
メディアアートリーグ代表

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MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.23:映像詩「空のように生きる」(文:円覚寺派管長・横田南嶺老師/写真・構成:MIRO ITO) ご協力のお願い

2024-09-16 21:11:19 | いかに生きるべきかのメッセージ


映像詩「空のように生きる」
文・ナレーション:円覚寺派管長 横田南嶺老師
写真・構成:MIRO ITO (伊藤みろ)
企画・制作:メディアアートリーグ
協力:臨済宗円覚寺派総本山円覚寺、(一財) 日本アジア共同体文化協力機構

ごあいさつ

大乗仏教の教えの中心をなす「空 (くう) 」をテーマにした映像詩「空のように生きる」を制作いたします。

円覚寺派管長の横田南嶺老師のお言葉と、私が2006年から撮影している空 (そら) の写真を組み合わせ、世界の一体性への願いを、映像を通して伝えるプロジェクトです。

この度、国内最大の会員数を擁するクラウドファンディング会社「Campfire」のプラットフォームにて、2024年10月1日 (0:00)からクラウドファンディングを開始いたします。

何卒お力添えを賜りたく、心よりお願い申し上げます。



【プロジェクトの背景】

この度の映像詩プロジェクトは、円覚寺派管長・横田南嶺老師との出会いがきっかけとなりました。

本年2月26日に行われた、華厳思想をテーマにした「日中思想交流」イベントにおいて、横田老師は「怨親 (おんしん) 平等」の華厳の教えを、私は長年取材している、東大寺の盧舎那仏についての作品上映と解説を行いました。

同イベントは、一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構 (会長:福田康夫元内閣総理大臣、理事長:宮本雄二元駐中国大使) の主催によるもので、東京・日比谷図書文化館で開催されました。

この講演イベントは、次回は来年2月15日に、同じ日比谷図書文化館で開催が予定されております。

「空性 (くうしょう)」をテーマに、前回同様、横田老師とご一緒に私も、再び登壇させていただきます。

そこで発表する作品として、横田老師の「空 (くう)」についての教えを、私の空 (そら) の映像と組み合わせる、新しい映像詩「空のように生きる」を作らせていただく運びとなりました。

(※意味上の混乱を避けるために「空(くう)」は鉤括弧での表記、空(そら)は括弧なしの表記にしています。)


(写真:JACCCO)


【プロジェクトの目的】

私自身、今からちょうど23年前の9月11日に、ニューヨークで「9.11同時多発テロ事件」を経験しました。

それがきっかけとなって、日本に拠点を移して「いかに生きるべきか」を求めながら、作家活動を行なってまいりました。

混迷と分断化が深まる一方の世界の現況において、微力ながらも、東洋思想の根底にある、共栄共存の叡智を伝える映像作品を作らせていただき、世界の一体性に寄与したいという思いが原点にあります。

本映像詩は、来年2月15日の講演イベントでのプレミア公開後には、円覚寺に寄贈を予定しております。

横田老師のお言葉に誘 (いざな) われて、私たちにとって身近な空 (そら) から、「空のように生きる」ための極意を学び、万人に勇気と希望を与える映像詩として、日本語版とともに英語版も作り、広く世界に公開していきたいと願っています。



【映像作品「空のように生きる」について】

映像詩「空のように生きる」には、横田老師が説かれる「空 (くう)」の教えの本来の意味を、空 (そら) の姿になぞらえ、「人は変わることができる」「変わらない自分などはないのだ」という、力強いメッセージが込められています。

大乗仏教の基本理念である「空」とは、この世に存在するすべては「無我」「無自性(むじしょう)」「無常」であるという真理を表しています。横田老師は、この「空」の教えに希望を見出し、積極的に「空」を定義づけます。

「実体がない」からこそ、とらわれることがなくなり、苦しみからも自由になる道を示してくれます。「己がない」からこそ、自分と他者の区別がなくなり、他者への慈しみへの道が開かれていきます。「移ろう」からこそ、常に変わることができるというのです。

まさに変貌自在の空 (そら) のごとく、とらわれの心から自由になり、人生を前向きに生きる知恵を、「空」から学ぶことができるのです。

「空」の移ろうエネルギーを、空に例えることで、自分自身の心のあり様や世界への関わり方を変えることができるのです。

そのことで、苦を乗り越えるためのきっかけが得られ、「いかに生きるべきか」という積極的な道しるべとして、横田老師の言葉とともに、生きる勇気を感じ取っていただくための映像詩です。



【クラウドファンディングの事前のご案内 】

この度のご案内は、10月1日のプロジェクト開始に先行する事前告知になりますが、限定公開URLにて、詳細をご覧いただくことができます。

限定公開中のプロジェクトページのURL

※公開前でも、プロジェクトページ(限定公開)にて「お気に入り」登録ができます。
事前に「お気に入り」にご登録いただくと、公開時や活動報告の投稿時など、リアルタイムで状況をご確認いただけます。

また1分25秒のサンプル動画(プロローグとエピローグの二章構成)も、下記のURLにて限定公開中ですので、併せてご高覧いただければ、幸甚に存じます。
Media Art League 公式チャンネルでの限定公開



それでは、皆様からのご支援を心よりお待ちしております。
そして来年2月16日には、日比谷図書文化館にもご来場いただければ、幸せに思います。
末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸をご祈念申し上げます。

令和6年9月吉日
MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ: https://mediaartleague.org
本物の日本遺産イニシアティブ: https://japan-authentic-heritage-initiative.org
写真遺産プロジェクト: https://photographic-heritage-projects.org
Photographs by Miro Ito. All rights reserved.


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MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.22:つながりの力を求めて 映像詩「大和四寺巡礼 1300年の神仏霊場 龍神の道を往く」+講演録画「時を超えた共生共創」のご案内

2024-07-09 16:39:03 | いかに生きるべきかのメッセージ
辰(龍)年の本年も、後半を迎えました。

閉塞感が強まるばかりの世相において、過去・現在・未来を貫く私たちの中に流れる、つながりの力に気づき、より大きな世界へと視野を広げて、自分自身や世の中を見つめ直すこと。

それが神話や宗教、民俗の中で受け継がれてきた、龍神崇拝の今日的な意義の一つといえるかもしれません。

そんな気持ちで視聴いただけたらと願い、新しい映像作品のご案内をさせてくださいませ。

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「大和四寺巡礼 1300年の神仏霊場 龍神の道を往く」
製作:奈良県/監督・文・映像:MIRO ITO (伊藤みろ)
企画・制作:メディアアートリーグ&
本物の日本遺産イニシアティブ
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奈良県観光局の依頼にて制作した、「大和四寺巡礼」の映像詩(4K/約15分)がこの春に完成しました。

大和四寺とは、長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院から成る、奈良県中南部に位置する古刹の総称です。

副題のとおり、それぞれ1300年以上の歴史と由緒を誇る4つの寺院を、辰年に因んで「龍神の道」としてご紹介する作品です。

 日本のはじまりの聖地である磐余(いわれ)や泊瀬(初瀬)朝倉をはじめ、飛鳥(明日香)から、大和と伊勢を結ぶ宇陀路室生(うだじむろう)までをめぐる「大和四寺巡礼」は、1300年の神仏霊場であり、龍神と出合う祈りの道です。「龍神の道」を訪ねて、大和の古刹・名刹へ、足をお運びいただければ、幸いに存じます。

当映像詩は、奈良大和四寺巡礼の会のYoutubeチャンネルにてご鑑賞いただけますので、下記のリンクにて、ご高覧いただければ、幸いに存じます。
 https://www.youtube.com/watch?v=z_alvRwzjIU




なお「メディアアートリーグ」ならびに「本物の日本遺産イニシアティブ」のブログを更新しました。
 上記映像作品の内容を補完すべく、私自身の取材やリサーチを元に、大和における「龍神の道」の背景に、触れさせていただきました。
ご興味のある方は、併せてお読みいただければ、幸いに存じます。

(ブログの記事は共通)
○ メディアアートリーグのブログ:https://mediaartleague.org/blog/media_art_message_by_miroito_25/
 ○ 本物の日本遺産イニシアティブのブログ:https://japan-authentic-heritage-initiative.org/yamato-yoji-junrei-short-movie/



撮影ならびに取材のご協力をいただいた奈良大和四寺巡礼の会(長谷寺・室生寺・岡寺・室生寺)に心から感謝申し上げます。

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 「時空を超えた共生共創」の講演録画のご案内
(日中平和友好条約締結45周年記念  日中伝統思想交流)
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つながりの力といえば、華厳思想に光を当てた、本年2月25日に日比谷図書文化館ホールにて開催された講演につきまして、主催者の(一財)日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)のWEBサイトにて、1時間に編集された録画(中国語の字幕付き)がアップされました。
 
基調講演は、禅と華厳教学については、円覚寺管長・横田南嶺老師、華厳思想と東大寺盧舎那仏については、私が解説と映像上映を行いました。
またパネルディスカッションでは、JACCCOの瀬口清之理事を司会に、宮本雄二JACCCO理事長・元駐中国大使を交え、混迷を深める世界において、「いかに生きるべきか」をテーマに多角的なディスカッションをさせていただきました。
ご興味のある方は、ぜひご覧いただければ、幸いに存じます。


それでは、辰年の本年後半、龍の昇天のように、世界の新たな局面に向けて、多くの物事が良き方向に進展する年になることを願いつつ、引き続きご厚誼の程、どうぞよろしくお願いいたします。

令和6年7月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ

#Miro Ito  #伊藤みろ #奈良大和四寺巡礼 #奈良県 #宇陀室生 #安倍文殊院 #室生寺 #岡寺 #泊瀬(初瀬)#磐余 #長谷寺# 飛鳥(明日香)#龍神の聖地・奈良 #龍神の道 #龍蛇信仰

MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.21:華厳の哲学を元に、北極星のように、光を見続けていく

2024-04-25 01:20:40 | いかに生きるべきかのメッセージ
世界が混迷を極める中、季節は巡り、新しい生命が息吹く、自然の恵みを実感する時節となりました。

ご報告が遅くなりましたが、去る2月25日、日比谷図書文化館コンベンションホール「時空を超えた 共生共創」(主催:日本アジア共同体文化協力機構JACCCO、日中平和友好条約締結45周年)の講演イベントは、多くの方々のご支援をいただき、無事に終了いたしました。

福田康夫元総理大臣(JACCCO会長)のご挨拶の後、メインのテーマである華厳思想について、円覚寺管長の横田南嶺老師からのお話を受けて、東大寺盧舎那仏および華厳思想について、映像上映と解説をさせていただく機会に恵まれ、この20年のまとめをさせていただくことができました。


映像詩「大仏さまは生きている」監修・撮影協力:東大寺、監督・撮影・文:MIRO ITO

宇宙の光の図像

華厳思想で説かれるのは、「宇宙のすべての現象は相互に不可欠に関係し合っている」という「縁起」(因縁生起—pratityasamuputpada)の哲学であり、その本質には、一つとすべての一体性・相即性のことわりがあります。

植物と動物、小石と惑星、原子と太陽系、人と世界、宇宙と己_まさにひとつがすべてであり、すべてがひとつである、と説かれています。


画像:NASA

分子で構成されたタンポポの胞子モデル  (画像: Anna Chesnokova/iStock by Getty Image)

そして悟りを啓いた釈迦自身が盧舎那仏(大仏)であり、瞑想による自己の変容のドラマの舞台となっています。

さらにその台座には、壮大な宇宙の姿が刻まれています。そのことを「宇宙の光の図像」として解説いたしました。


東大寺盧舎那仏線刻蓮華蔵世界図国宝   8世紀(撮影協力:東大寺、Photo by Miro Ito)

混迷の時代をどう生きるか

講演イベントでの後半では、横田老師と私に加え、JACCCOの宮本雄二大使・理事長や瀬口清之理事を交えたパネルディスカッションも、行われました。

混迷を極める世界において、いかに生きるべきかについて、華厳哲学を元に、北極星のように、光を見続けていく必要性について、意見が一致しました。

宗教、哲学、政治と外交など、さまざまな立場から意見を述べあう、有意義な場となりました。

「時を超えた共生共創」(主催・写真提供:JACCCO)

新しい出発点

これまで、東大寺や盧舎那仏についての作品上映や展覧会は、NY国連本部や欧州評議会、メキシコ国立世界文化博物館、ギリシャ国立ビザンチン&キリスト教美術館等をはじめとする、世界の多くの場所で行わせていただいてまいりましたが、私にとりましては、次の20年の新しい出発点となりました。


2016年11月 世界巡回写真展・映像上映・講演シリーズ「光と希望のみち」を欧州評議会にて開催
(主催:外務省・在ストラスブール日本総領事館、共催:日本カメラ財団、メディアアートリーグ)


世界の連帯に向けて発信を企図してまいりました、長年の構想の華厳哲学についての映像作品の方も、本年は実現に向けて歩みだしたく、その第一歩が踏み出せたと思っております。

今後とも、皆様とご一緒いただきたく、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ
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https://japan-authentic-heritage-initiative.org




⭐️⭐️⭐️ MIRO ITO【文化イベントのご案内「時を超えた 共生共創」2024年2月25日 東京・日比谷図書文化館 (14:00-16:30) 】⭐️⭐️⭐️

2024-02-18 13:08:47 | いかに生きるべきかのメッセージ
年頭の能登半島大地震が影を落とす2024年、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

世界におきましては、長引くロシア・ウクライナ戦争、2023年パレスチナ・イスラエル戦争をはじめ、気候変動による天災、疫病再流行の懸念など、先行きの見えない状況が続く中、本年も、NYで体験した「9.11同時多発テロ事件」以来、私のライフワークとなりました「世界の一体性」を鼓舞する文化力に、光を当ててまいりたく存じます。

具体的には、私たちが一つであり、すべてのつながりを説く華厳哲学について、東大寺をはじめ、多くのご関係各位のご支援の下、映像作品や展覧会・書籍などの作品づくりを行わせていただいてまいりました。

この度、福田康夫元内閣総理大臣が会長を務める(一財)日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)の主催により、来たる2月25日に日比谷図書文化館(14:00-16:30)におきまして、2023年度の日中平和友好条約45周年を締め括るイベント「時を超えた 共生共創」に登壇させていただくことになりました。

基調講演は、臨済宗大本山円覚寺の横田南嶺管長が行ってくださいます。
私は、東大寺の大仏さまを取材した「盧舎那仏の光の道 大仏さまは生きている」を上映・解説を行わせていただきます。

また後半では、JACCCOの宮本雄二 元中国大使・理事長、瀬口清之理事を交え、混迷する現代において、古来、日中思想交流を通して学んできた”知の系譜”について、パネルディスカッションが行われます。

つきましては、ご興味のある方は、添付のJPGをご高覧いただき、ご来場いただければ幸いに存じます。

末筆ながら、本年も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

お申し込みは以下から:

令和6年2月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ




MIRO ITO 伊藤みろ 講演シリーズ「古都奈良 三都物語」が2023年8月6日からスタート(平城宮跡歴史公園)

2023-07-09 07:19:51 | 世界発日本の精神文化
MIRO ITO 伊藤みろ 講演シリーズ「古都奈良 三都物語」が2023年8月6日からスタート(平城宮跡歴史公園)

平城宮跡での年5回の講演+映像上映シリーズ「奈良古都 三都物語」にて、毎回講演者として登壇します。

第一回目は、8月6日(日)13時〜14時(第一部)

初回の映像詩の上映は、新作「飛鳥・藤原 律令国家のはじまり〜仏教文化の開花をたどる」(奈良県観光局委託作品)の発表を兼ねて、日本の最初の都である飛鳥から藤原(新益京)について、お話をさせていただきます。


飛鳥宮跡 Asuka-kyō Palace Ruins (Photo by Miro Ito)

第二部では「万葉の情景・恋愛の伝道」と題して、平城京歌姫・蓮女の皆さんによる女声合唱[14時10分〜30分]をお楽しみいただけます。

なお第一回(8月6日)と第二回(9月10日)の講演では、事前にお申し込みいただいた先着50名様限定にて、竹製ミニチュア遣唐使船pop-upカードを贈呈いたします。

事前予約は以下、平城宮跡歴史公園朱雀門広場イベントページまで :https://suzakumon-heijokyo.com/news/16948/

2回目以降のスケジュールは、
9月10日(日)
10月14日(土)
2024年以降
1月14日(日)
2月11日(日)




藤原宮跡 Fujiwara-kyō Palace Ruins (Photo by Miro Ito)

Ancient Nara — A Tale of Three Cities:
Asuka-kyō/Fujiwara-kyō/Heijo-kyō

This new 5-part lecture series by Miro Ito begins on 6th Aug 2023 at the Nara Place Site Historical Park's Mitsuki-kan Hall: Ancient Nara: Tales of three cities (Asuka-kyō/Fujiwara-kyō/Heijo-kyō)

Lecture in Japanese with cinepoetry screenings pertaining to Ancient Nara.

To register, please follow the link below:
https://www.suzakumon-heijokyo.com/news/16948/

The first 50 people that register (for the first two lectures on 6th Aug and 10th Sept) will receive an intricate bamboo pop-up card of a Kentōshi-ship*.
*.ships that the Japanese envoys to Tang China sailed on

Complete Lecture Schedule
1st lecture: 6th Aug 2023
2nd lecture: 10th Sep 2023
3rd lecture: 14th Oct 2023
4th lecture: 14th Jan 2024
5th lecture: 11th Feb 2024



MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.20:写真集『隠し身のしるし Signs of the Intangible (by MIRO ITO)』発刊のご案内

2023-05-28 09:50:29 | 隠し身のしるし
発刊に寄せて

日本文化において、心と体は一つのものであり、神性・仏性さえも宿す独自の心体景観が培われてきました。東洋の伝統では、身体は、大宇宙の縮図としての小宇宙であり、修行の「場」として捉えられてきました。

見えないカミの語源が「隠身(カミ)」の一つとされる一方で、禅においては身心一如(道元『正法眼蔵』「辧道話」1231年)の修練において解脱が目指され、そこに武道の真髄も見出されてきました。

さらに即身成仏(生身の肉体のまま悟りに至る密教の奥義)に見られる「悟りの道」としての、身体のあり様があります。

こうした伝統を「隠し身のしるし」(1)と名付け、1400年前に遡って探求する写真集『隠し身のしるし Signs of the Intangible』がこの度、発刊となりました。
同写真集は、同名の世界巡回写真展の図録を兼ね、未発表の作品や新作を加えて、撮影のテーマについて作者自らが解き明かす芸術論を、エッセイとして書き下ろしています。


東大寺伎楽面 酔胡從 重要文化財・8世紀(Photo by Miro Ito)
 

東大寺伎楽・春日大社舞楽面

副題「日本の1400年の心体景観」のとおり、合計106点(うち21点はエッセイ文中での解説用)の写真作品は、年代順に、1400年以上もの昔、シルクロードを経て、日本に伝来した伎楽・舞楽の古面から始まります。

東大寺と春日大社からのご許可を得て、752年の東大寺大仏開眼供養会で実際に使用された東大寺伎楽面(重要文化財・8世紀)9面に加え、東大寺舞楽・陵王面(重要文化財・13世紀)と春日大社舞楽面6面(重要文化財・12世紀〜16世紀)を、写真作品として収録いたしました。

これらの写真作品は、2010年のCanon EXPOおよび平城遷都1300年記念事業で開催した写真展・映像上映「祈りと奉納のシルクロード 東大寺伎楽面・春日大社舞楽面」で発表し、奉納させていただいた作品が大半を占めています。


能「敦盛」シテ方観世流能楽師 武田文志(Photo by Miro Ito)


能から舞踏へ

古代の仮面芸能の流れを受け継ぎながら、奈良時代以降の神仏習合の伝統において仏教法楽・社頭奉納として発展し、中世に演劇として大成した能楽の写真作品も収録しています。

能楽の写真につきましては、2007/2008年のニューヨーク公共舞台芸術図書館での個展「Men at Dance — from Noh to Butoh(能から舞踏へ)」での発表のため、能楽師の方々をスタジオで撮りおろす機会をいただきました。

協力演者は、奈良を本拠地とする金春穂高・シテ方金春流能楽師、また東京在住の武田志房(ゆきふさ)・武田友志(ともゆき)・武田文志(ふみゆき)シテ方観世流能楽師の方々です。

同展覧会は、能楽が演劇として大成した14-15世紀から現代まで、約600年の隔たりがある能と前衛舞踏とを対比させたもので、二つの舞の対極的な形の中に、共通項としての「霊性」をあぶり出す試みとなりました。

展覧会終了後は、舞台芸術専門図書館としては世界一の規模を誇るニューヨーク公共舞台芸術図書館に、全作品55点を寄贈しました。その中には、2006年のヴェネチア・ビエンナーレ(ダンス部門)の公式イメージとなった、室伏鴻とのコラボレーション「Quick Silver(水銀)」も含まれています。「Quick Silver」は同展が参加したNY Butoh Festivalの公式ポスターにもなりました。


 Quick Silver (Dancer: Ko Murobushi/Photo by Miro Ito)

舞踏家・室伏鴻とは、上記の写真展のためのコラボレーション以外にも、何回かの撮影セッションを行いましたが、今回、未発表の作品も掲載しています。さらに写真集の発刊に際し、能の「花」と舞踏の「華」についてのエッセイも、新たに書き下ろしました。


SAL VANILLA:ミクストメディアパフォーミングアーツ・カンパニー

デジタル空間での近未来の身体宇宙をテーマに、舞踏カンパニーSAL VANILLAとのコラボレーション作品も、収録しています。


inter/action by Sal Vanilla (Photo by Miro Ito)

SAL VANILLA(サルヴァニラ)のカンパニー名は、スペイン語の「白い部屋」に由来しています。蹄ギガとKiK_7によって1994年に創設され、映像・サウント・建築・インタラクティブメディアなどのさまざまな分野のアーティストたちとのコラボレーションを展開。身体と空間が相互作用的に作り上げる先駆的な演目を、2005年の解散までに、国内外で合計16作品発表しました。

代表作の一つである「inter/action」(2003年の六本木アリーナ杮落とし公演)を含む、舞踏家を仏像や群像肖像画に見立てた、未発表の作品シリーズを掲載しています。
 

時間の劇場 軍艦島

2015年に世界遺産に登録された長崎市の軍艦島(正式名:端島)の写真作品「時間の劇場」も、同書で発表しています。


Time Theatre (Dancer: KiK_7/Photo by Miro Ito)

舞踏家・滑川五郎、KiK_7、山口タマラ三者による「近松祭in長門」での公演の後、軍艦島には1994年に訪れ、無人島となった20年後の弔いの舞を三人の舞踏家に託しました。

舞踏家の身体は、時の行者と化し、記憶の幻影を宿す白昼夢となりました。折からの梅雨時の厚い雲間から偶さか差し込む太陽光のように、隠身のしるしが見え隠れしていました。

人生の中で神懸かりのような体験があったとしたならば、軍艦島での撮影セッションは、間違いなくその一つで、まさに奇跡のような時間をフィルムに焼き付けることができました。

これらの作品群は、1997年フランクフルト日本文化週間での個展「身体という華(A Flower Named Body)」において、発表しました。
 

身体芸術における 東西文化の出合い

かつてドイツで写真アーティストとしてデビューをした私にとって、身体芸術における"東西の出合い"は長年のテーマとなっています。最初は空手有段者のイタリア女性とのセッションで「日本的身体言語(Japanese Body Language)」をテーマにミュンヘンで個展を開きましたが、その後、多くの前衛舞踏家との出会いがありました。

2002年には、狂言師・総合芸術家の五世野村万之丞との邂逅をきっかけに、古典芸能との出合いがありました。その後、2005年より東大寺のお水取り(修二会)や春日大社・興福寺の薪御能をはじめとする、奈良の無形遺産を撮影しています。

そうした延長線の上に、奈良の国宝・重要文化財の仏像を撮影させていただいている私にとって、「隠し身のしるし」を探る旅が続く一方で、常にギリシャ・ローマ的な「神の似姿である人体」の造形美の追求が、もう一つのテーマでした。
バレエダンサー春双との出会いにより、そうした造形美の追求と同時に、「東西の出合い」というテーマが再浮上しました。春双は、キューバおよびチェコ国立バレエ団にキャラクターダンサーとして所属していた経歴を有しながら、居合道の有段者でもあることから、居合とバレエの融合したフォトセッションを、東京の世田谷山観音寺やトロントのオンタリオ湖畔で行いました。


 A Lone Samurai (Dancer: Shunso/Photo by Miro Ito)


献花に代えて

世界的な舞踏家であった室伏鴻(2015年逝去、享年68歳)と滑川五郎(2012年逝去、享年61歳)は、すでに還らぬ人となっています。舞踏の歴史に残る、かけがえのない撮影コラボレーションをご一緒いただいたお二人への献花として、本書を代えさせていただきたく存じます。


Time Theatre (Dancers: Goro Namerikawa, KiK_7, Tamara Yamaguchi/Photo by Miro Ito)
 

メディアアートリーグの初書籍

本書は、メディアアートリーグ(発行)と本物の日本遺産イニシアティブ(編集)が発刊する初の書籍となりました。

序文は長年の友人である森山明子 神戸芸術工科大学副学長(元武蔵野美術大学教授)が寄せてくださいました。エッセイは日本語と英語で書き下ろし、英語の編集・翻訳と校正は、Andreas Boettcher(トロント在住)が担当しています。齋藤知恵子による装丁は、私の著書では6冊目となりました。

初版は、オンデマンド印刷を採用しています。本書の売り上げは、財団活動を目指す「メディアアートリーグ」および「本物の日本遺産イニシアティブ」の文化事業に充てさせていただきたく、皆様からのご支援をお待ち申し上げます。

最後に、本書の謝辞において記載させていただいた多くの協力者や支援者の皆さまをはじめ、お名前を記していない方々もおられます。同書が完成に至るまでにさまざまな形でご支援くださった多くの皆さまに、心からの感謝を捧げます。(文中敬称略)
 
令和5年5月吉日
MIRO ITO (伊藤みろ)
メディアアートリーグ&本物の日本遺産イニシアティブ
©Photographs & Text by Miro Ito/All Rights Reserved.

註−1「隠し身」とは、見えないカミを表す「隠身(かくリみ)」を「現し身」と対比させた森山明子氏の造語。

※写真集は「本物の日本遺産イニシアティブ」のサイトからお求めいただけます。