世界が混迷を極める中、季節は巡り、新しい生命が息吹く、自然の恵みを実感する時節となりました。
ご報告が遅くなりましたが、去る2月25日、日比谷図書文化館コンベンションホール「時空を超えた 共生共創」(主催:日本アジア共同体文化協力機構JACCCO、日中平和友好条約締結45周年)の講演イベントは、多くの方々のご支援をいただき、無事に終了いたしました。
福田康夫元総理大臣(JACCCO会長)のご挨拶の後、メインのテーマである華厳思想について、円覚寺管長の横田南嶺老師からのお話を受けて、東大寺盧舎那仏および華厳思想について、映像上映と解説をさせていただく機会に恵まれ、この20年のまとめをさせていただくことができました。
映像詩「大仏さまは生きている」監修・撮影協力:東大寺、監督・撮影・文:MIRO ITO
宇宙の光の図像
華厳思想で説かれるのは、「宇宙のすべての現象は相互に不可欠に関係し合っている」という「縁起」(因縁生起—pratityasamuputpada)の哲学であり、その本質には、一つとすべての一体性・相即性のことわりがあります。
植物と動物、小石と惑星、原子と太陽系、人と世界、宇宙と己_まさにひとつがすべてであり、すべてがひとつである、と説かれています。
画像:NASA
分子で構成されたタンポポの胞子モデル (画像: Anna Chesnokova/iStock by Getty Image)
そして悟りを啓いた釈迦自身が盧舎那仏(大仏)であり、瞑想による自己の変容のドラマの舞台となっています。
さらにその台座には、壮大な宇宙の姿が刻まれています。そのことを「宇宙の光の図像」として解説いたしました。
東大寺盧舎那仏線刻蓮華蔵世界図国宝 8世紀(撮影協力:東大寺、Photo by Miro Ito)
混迷の時代をどう生きるか
講演イベントでの後半では、横田老師と私に加え、JACCCOの宮本雄二大使・理事長や瀬口清之理事を交えたパネルディスカッションも、行われました。
混迷を極める世界において、いかに生きるべきかについて、華厳哲学を元に、北極星のように、光を見続けていく必要性について、意見が一致しました。
宗教、哲学、政治と外交など、さまざまな立場から意見を述べあう、有意義な場となりました。
「時を超えた共生共創」(主催・写真提供:JACCCO)
新しい出発点
これまで、東大寺や盧舎那仏についての作品上映や展覧会は、NY国連本部や欧州評議会、メキシコ国立世界文化博物館、ギリシャ国立ビザンチン&キリスト教美術館等をはじめとする、世界の多くの場所で行わせていただいてまいりましたが、私にとりましては、次の20年の新しい出発点となりました。
2016年11月 世界巡回写真展・映像上映・講演シリーズ「光と希望のみち」を欧州評議会にて開催
(主催:外務省・在ストラスブール日本総領事館、共催:日本カメラ財団、メディアアートリーグ)
(主催:外務省・在ストラスブール日本総領事館、共催:日本カメラ財団、メディアアートリーグ)
世界の連帯に向けて発信を企図してまいりました、長年の構想の華厳哲学についての映像作品の方も、本年は実現に向けて歩みだしたく、その第一歩が踏み出せたと思っております。
今後とも、皆様とご一緒いただきたく、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ
http://mediaartleague.org
https://japan-authentic-heritage-initiative.org
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