走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

新型コロナウイルス

2020年02月29日 | 仕事

新型コロナウイルスについて少し。先日も書きましたが、カナダは2002-2003年のSARSの苦い経験があるので、今回も早くから対策を始めていました。しかしそれは空港のサーモ(体温)テェックポイントではありません。徹底したサベーランス(追跡調査)システムと国民への啓蒙と医療者への指導です。

中央(感染対策センター)から医療者へ送られるプロトコールのEメールは週に2〜3度送られます。特にプロトコールの変更があった場合は明確にされています。プロトコールは誰をいつ検査、そして報告の義務があるのか?検査の方法(検査する側の予防ギアも含む)、患者への自己隔離の説明文などが含まれています。

先週私が所属する保健機構の管轄内で感染者が特定されました。その報告には感染経路は書かれていましたが、便名やOO市など地域の特定も書かれていませんでした。これは個人を守るためで、サベーランスがしっかりされており、警戒が必要な人(接触が高いと判断された家族や医療施設、飛行機で同乗していたスタッフや乗客など)へは保健局から電話で指導が行われているので公的情報にする必要がない、という事です。メディアにも同様に知らされました。なので州民が過剰に反応するレベルでは無いのです。

州民へは保健局のホットラインもあり、感染予防センターの専門家に直接質問することができ、受診する必要がある場合などの情報もあちこちで閲覧することができます。情報元は1箇所だけで、それらは感染対策センターから発信されているものです。

しかし保健機構で陽性者が出た事の影響は大きいと今週感じました。私が働くクリニックで全く関係のない地域からの旅行帰りで風邪症状の主訴での受診者が増えた事です。クリニックのスタッフもややパニック気味です。そういう人は待合室に入れないように貼り紙をしよう、とMOA(クリニックのアシスタント)たちが話していました。受付予約の時にスクリーニングする必要があるとか。

注意深く行動する事と過剰反応は異なります。うちのMOAも州民も中央の指示に従って行動する。これが一番です。そしてこれを期に接触感染について学び手洗いの徹底、ご自分の公共の場での身の振る舞いを省みて欲しいものです。過去に書いたブログはこちら

学会2日目。公共の交通機関で通っていますが、 つり革など触りません。冬の間は手袋をしているので、手袋で掴む事はあります。コートの裾を使って掴む事もあります。ドアも体や肘を使って押しあけるし、取っ手を触らなければならないシチュエーションは手袋や袖の裾を使います。どうしても指を使わなければならない時はペンを持ち合わせていればそれを使い、なければ小指を使います。普通人間は人差し指や中指、親指は頻回に使いますが、小指の利用回数は少ないですから。そしてポケットサイズのアルコールジェルは必需品です。

冒頭写真、スカイトレインから見た今朝の朝日。


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